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勇者達よ、死骸を晒せ  作者: 永劫
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第三十四話

レミールとの決戦です。

前回引き続きランスロット視点ですと書きましたが、視点ではなく三人称でやることにしました。申し訳ありません。


それと早めの更新です。

『·······承認、潜在能力解放』


ランスロットの頭にそう響いた。


そして、彼の身体から恐ろしいナニかが出てきた。

魔力? 神秘? 奇跡? そんな生易しいモノではない。この場に居る全員が思った······あれはヤバイと。


「なっ何よ、これ······!?」


さっきまでランスロットを舐めていた精霊騎士は肩を震わせて驚愕した。


「あれは、凄いですね。」


(おそらく、ライト様もあのようなことも出来るのでしょうか?)


戦闘中とはいえ、それなりの余裕が出来ているクリスもこれには驚いており、主人のライトにもそのような事が出来るのかと考えた。


「お姉様、このメイドはわたしが殺っておきますから早くソイツを!!」


(邪魔ですね。もっと彼を観察しておきたかったのですが)


取り敢えずクリスはレイネの相手をすることにした。


ランスロットは己の腹に刺した夜刀を引き抜いた。

引き抜いた夜刀には紅いオーラを纏っていて、それが血の力だとその場に居る全員(クリス以外)が思った。


こいつはヤバイと······。


「さあ、始めようか。殺し合いをな。」


まるで人が変わったかのようになっている上、そしてそれは恐ろしく邪悪なものだった。

口調、表情から見ても剣の精霊騎士は今までとは違うと直感した。

 その証拠に彼の身体からは恐ろしいオーラが溢れており、蒼いスパークが走っていた。

そして、信じられないものを彼女は見て改めて驚愕した。


「うっ嘘でしょ」


なんと今まで骨まで腐敗していた左肩が何事も無かったかのように元に戻った。


「なっ、あ······そんな·······くっ、変わっただけで良い気にならないでください!!」


そして、恐怖の感情を押し殺しながら精霊騎士としての力をフルに使い朱い剣を降り下げた。


「間抜け。」


降り下げた朱い剣を弾いて彼女の胸を蹴り飛ばした。


「えっ、·······ガッ!!?」


(なんて力なの!? さっきのとは比べ物にならないなんて······)


何とか体勢を整えてレイピアのように高速でランスロットを数百回突き刺した。

しかし、悲しいかな······それも全て弾かれてしまう。


「うっ舐めるなあ!!」


何回も何回も斬り付けるが弾かれて、とうとう攻撃を食らってしまう。


「な、痛い!!」


今まで味わったこともない激痛に涙を流しそうになり斬られた部分を押さえた。


「血の力を使った夜刀の切れ味は相当痛いだろう。

·······それに」


ニヤリと笑みを浮かべ


「余計に我の力が強くなる。人を斬れば斬るほど強くなる。」


「ひっ」


恐怖の余り後退りする彼女を見て、嘲笑うかのように半月を吊り上げた。


「怖かろう、良く分かるとも我も昔はそうだったからな。」


一人話を話ながらレミールに夜刀を振り下ろす。


ザクッ


「あ"あ"いだい!!」


「お前達精霊騎士はそうやって我々種族を見下してきたよな。」


ザバッ


「何回滅びかけたと思ってる? この木偶の坊が」


ジョキッ


「······そもそも、いや何でもないな。」


それは彼の本音っぽい事を言いながらレミールがボロボロになるまで斬り付ける。


レミールは余りの痛さに目を閉じて泣き出してしまい小さく蹲った。


「お前達は人間と変わらないよ畜生め。······ん?」


ランスロットはいつの間にか涙を流しているのか目を拭いた。


しかしそれは唯の涙ではなく、赤い血のような涙であった。


「そうか、なら早く終わらせた方が良いな。·······立て。」


涙を拭き取りレミールの頭を掴み無理矢理立たせる。


「何をするのでっ·······グフッ!!?」


何をするのです!? と言おうとしたその瞬間、レミールの胸に自分で持っていた筈の朱い剣が突き刺さっていた。


「なん、で? なんで朱い、剣が······わたしの、ゴホッ、胸にっ、刺さって······ッ」


何故刺さってるのか? それはランスロットが夜刀を仕舞い、彼女が認識できない程の速さで奪い取りそれを彼女に突き刺したからである。


そして、朱い剣の能力「腐敗」が発動し彼女の身体を腐らせる。


「くたばれ。」


冷たく、そしてその憎悪の目で小さくそう告げながら突き放した。


「やだっ、たしゅけて······死にたきゅにゃい······メディナ姉······さま、助け······」


彼女は自分の主であり姉同然の存在であるメディナに手を伸ばして助けを求める。

しかし、槍、斧の精霊騎士が死んでも一切手を差し伸べなかったメディナの事だ、そう簡単に助けない。


そして、予想していた通りレミールに対してこう告げた。


「ああ、レミール······可哀想なレミール、いずれ仇は取るわ。寝なさいな。」


それは死ねと言うべき残酷で冷酷な宣告を受けたような物であった。

レミールは大量の涙を流しながら腐り果てて死んだ。



「お前もお前で冷酷な女だな。」


「さて、まずは邪魔なその忌々しい剣を破壊して、貴方を殺してでも奪うわ。」


「そうかい、これはこれで我もお前を本気で殺せるな。」


「じゃあ、死にましょうね。そして、永遠に私の物になってね♪」


「そうだな、なら我はお前を切り刻んでやる。」


お互いそう笑みを浮かべ激突した。

夜刀・潜在:使用者が夜刀で自傷させると発動する能力で腐った肉体、欠損している部位を瞬時に治し、身体能力を大幅に上げる。

また、呪い系の武器をデメリット無しで使うことも可能。


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