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勇者達よ、死骸を晒せ  作者: 永劫
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第二十七話

カリンの館・裏口


 そこは薄暗く、誰も近寄らないであろう場所で警備も二人しか居ない。

正面から見れば、明るく綺麗な豪邸に見えるが裏口は掃除されているのか分からないほど木々や林などで薄暗く不気味な雰囲気を晒しだしており、その現状を知っているのはカリンか関係者、衛兵ぐらいしか知らない。


 また、そこにはネズミの死骸らしき物が散乱しており、警備している衛兵がため息をしながら掃除して巡回していた。


「はぁ、何故俺たちがこのような事をやらないと行けないのかね?」


「知るかよ、貴族のお偉いさんやカリン様に任せられたから仕方ないだろう?」


「あーあ、妻の乳揉みてぇ。」


「仕事中だ、我慢しろ。」


「へいへい、わかり······うっ」ドサッ


 返事を終える前に喉を突かれて、何者かに首を跳ねられ、いきなり首を跳ねられた同志に慌てて寄ろうと声を掛ける。


「おい、どうしッ」


 そう言い終わる前に首が一回転してズルリと地面に落とされた。

 彼が最期に見たのは首から上を無くして立っていた自分の身体だった。
















◆◆◆


 その二人の衛兵を始末した人物はミナとランスロットで遺体を担いで、解体しながらゴミ袋に入れてミナは愚痴を溢した。


「即死は嫌いなんだが?」


 その愚痴を聞いていたランスロットは何故即死させたのか?

 その事について話した。


「雑魚相手に時間を掛けるわけには行かないからな。

この雑魚どもに時間を掛けすぎると貴様が望んでいる復讐が出来ないぞ?」


 そう説明すると「確かに仕方ないか。」と思いミナはう~んと唸り頷いた。


「よし、これで後は中に侵入するだけだ。

ミナ、覚悟は良いか? 後戻りは出来ないぞ? 良いな?」


と最後の忠告を受け取ったミナは不敵な笑みを浮かべて頷いて言った。


「ああ、覚悟はとっくに出来ている。」


「そうか、じゃあ入るぞ。」


 そうして、中へと侵入した。

















◆◆◆


 何とか中に侵入することに成功した二人は辺りを警戒しながら、屋上へと続く道を探していた。


 ちなみにクリスと天津の二人は何かあった時のバックプランとして空間の中に待機してもらっている。


「ッ!?」


 ランスロットは何かを感じたのか隠れるようにと魔神剣『夜刀』を通じて合図した。


 その合図を受けて、物陰に隠れたミナは物陰から覗いた。

 すると段々と足音が聞こえてきて姿を表した。


「なあ、またカリン様が新しくて可愛い女の子を連れてきたんだってよ。」


「そうかい、俺っちにはもう可愛い妻と娘が居るからどうでも良いけどな。」


「おいおい、その話はよせって。

侍女が聞いてたらどうなることやら。」


 出てきたのは巡回している見張りで、そんな欲望丸出しな会話をしていた。

 ミナは目付きを鋭くして「殺してやろうか?」と魔神剣『ジークフリート』を通じて伝えるとランスロットは「駄目だ」と首を横に振った。

 そのままやり過ごして、声や足が遠くなった後、ランスロットは「行くぞ」と声を掛けて、移動を開始した。


 そして、階段を見つけ、魔神剣を構えて警戒しながら、階段を登った。


 登っている間に衛兵に出会すこと無く、屋上へと辿り着いた。

 その辿り着いた屋上は美しく綺麗な花が咲いており、淑女達が楽しそうに笑って話していた。


「奇跡としか言えないな。

衛兵が居なかったのだから。」


「ごもっとも。」


 そうして、二人は一度別れて弓兵の排除に向かった。



 ミナは隠密スキルを使い一人目の弓兵を後ろから忍び込みナイフで喉を一直線に切った。

ナイフには猛毒を仕込ませており、その苦しさと痛みによって、涙を流しながら弱り、やがて動かなくなった。


「一人目」


 二人目もまた、同じように背後から忍び込み同じように喉を一直線に切った。


「二人目」


 三人目は猛毒を仕込ませたボルトを小型ボウガンに装填して、三人目の弓兵の喉に狙いを定めて撃ち込んだ。


 三人目の弓兵は何が起こったのか分からずに踠き苦しみ、助けを呼ぼうにも喉が潰されているため助けを呼ぶことも出来ずに倒れて、口から血を吐きだし、目からも血が流れて掠れた声を上げながら死んだ。


 すると偶然通りかかった淑女の一人が声を上げそうになった為、ミナはその淑女の口を抑えて、首を絞め気絶させた。


 気絶させた淑女を花の茂みに隠して、三人目の弓兵も花の茂みに隠した。


「三人目、危ないところだったな。

これでしばらくは見つからないはずだ。」


 気絶した淑女と死体となった弓兵を隠したミナは次の弓兵の排除に向かった。


「四人目」


「五人目」


「六人目」


 順番的に四人目は一人目と二人目と同様に背後から首を切り、五人目は三人目と同様にボウガンで喉を潰し、六人目は隠密スキルの効果が切れたため、見つかってしまい、六人目が仲間を呼び出す前に剣で胴体を断った。


 そろそろランスロットも終わるだろうと弓兵達の死体を片付けているとランスロットが血だらけになって、戻ってきた。


「ランスロット殿、お前も終わったのだな。」


「御名答だ。」


「淑女達はどうする?

一応、気絶させておくか?」


「そうだな、そうした方が良さそうだ。」


 そう話し終えて、ミナは闇取引で購入した麻酔ボルトを小型ボウガンに装填してソレを上に向けて撃ち、そのボルトに当たった屋上に居る全ての淑女を気絶させた。


「凄い芸当だな。」


「そんなことはどうでも良いさ。

では、カリンのところに向かうぞ。」


「分かった。」


 そして、弓兵を全て倒し、邪魔になるであろう淑女をとりあえず気絶させた二人はカリンが居るであろう部屋に向かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 女神に選ばれたのは、ライトであって、勇者は人類を滅ぼす引き金になるために呼ばれたっていうことだったらもう最高。女神も人間のことが嫌いという設定で。あと、魔王が女神のこと知ってる風だったし。
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