第二十五話
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彼の名前と彼の種族が竜人族だと分かったミナは心の中で少しだけ安心した。
何故、少しだけなのか? それは警戒して居るからだ。
「まあ、そう警戒するな······我はれっきとした竜人族だ。」
そうだから警戒するんだよ、とミナは思っていたが、何処か安心できるような違和感を感じた。
「信用して良いんだな?」
そう再度確かめる。
「ああ構わんよ。
それに貴様の目的は知っている。」
“目的を知っている“······そう聞いたミナは更に警戒を強める。
「何だと? 知っているという証拠は在るのか?」
証拠があるなら提示してみろとでも言うような素振りを見せる。
「在るとも。」
彼はそう微笑み、水晶玉を取り出した。
そして、そこにミナとクリスと天津が映り出されていた。
だが、天津に至っては顔がぼやけており、鮮明に映り出されていなかったが、他は良く映り出されていた。
更に音声も入っており、話している内容が殆ど聞こえていた。
「見られてたのか。」
「すまんな、何とも面白そうで興味深い話だったのでな。」
「変態、覗き野郎、アンポンタン。」
「ハハハ、スマンスマン。」
そんなやり取りをした後、ランスロットが真剣な表情をしてぼやけている天津について話した。
「しかし、何故、この女だけはぼやけているのか分からんのだ。
もしかすると気付かれていたかもしれないな。」
気付かれていたかもしれない······有り得そうだろう、もしかしたらカリンについて話す前に彼女は気付いていたかもしれないと推測した。
「さてさて、そんな話はさておき、貴様はカリンを殺すつもりで居るみたいだな。」
「ああ、奴は私が殺す。」
彼にそう宣言すると鼻を鳴らして笑い彼について策を練ろうと提案する。
「ふん、奴は手強いぞ? 何らかの策が無い限りな?
だから何らなの策を練ろう。」
「ああ、そうするか。」
「では、改めてよろしく頼むぞ。
乙女よ。」
と近づいて肩に手を置いて微笑むとミナはムッとした表情で「私の名は乙女ではない、私の名はミナだ。」と言った。
こうして二人は策を練ることになったのだった。
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