第二十四話
闇商人が行く場所と言えば、地下、日が届かない薄暗い場所、廃墟、人通りが少ない場所など色々と有る。
ミナが立ち寄った闇取引の店と大体同じだが、彼処は情報を売っている店ではないなく、違法な商品を飯倍している場所であるため情報は売っていない。
そのため比較的やり易く、情報収集や交換などが可能な闇商人を探す必要がある。
「さて、順番的に地下へ行くか。」
地下に行くためにまずは、地下へと繋がる通路を探すことにした。
「此処だな。」
まさか、教会の祭壇に在るとはな。
と付け加えて、祭壇の先にある通路へと進んだ。
何故、教会の祭壇に在ったのか?
それは祭壇の下の辺りにスイッチらしき物があり、それを押すと祭壇の先の壁が開いたのだ。
また、この教会はとっくに朽ちていて誰もいなかったため入ることが出来たため、探索することが出来たのである。
「誰も居なくて良かったな。」
そう安心そうに呟きながら奥へと更に進んだ。
しばらく、奥に進むと辺りが明るくなってきて、大きな町並みが見えた。
ミナはその光景に驚愕していた。
「まさか、此処まで行っているとは······良く見つからなかったな。」
そう驚き感心しながらその地下街に足を踏み入れた。
すると警報らしき音が辺りに響き渡った。
「しまった!」
しかし、既に遅く······逃げ出そうと後ろを振り向くとそこには武器を持った男が三人居た。
「見張りか?」
「そうだ、お嬢ちゃん······俺達はこの地下街の見張りだ。」
「なるほどな、どうやら私は罠に掛かってしまった訳か。」
「そう言うことだお嬢ちゃん······大人しく付いてこいや。」
そうしてニヤニヤと笑い手を伸ばそうとしてきた。
ミナはその男の手を切り飛ばそうとジークフリートに手を掛ける。
すると後ろから無機質な男の声が響いた。
「そこまでだ、後は我に任せてくれ。」
ミナは後ろを振り向くと、赤い短髪で鋭い紅い目付きをしていて、歪な羽を生やしている男が居た。
次の瞬間、ゴロツキ達が膝を付いて頭を下げていた。
「何者だ?」
ミナがそう問いかけるとゴロツキの一人がガタガタと震えながら怯えて警告してきた。
「おい、お嬢ちゃん!! あの方に失礼な態度はやめろ!!」
そう辞めさせようと声を上げるが
「黙れ!! 我は今そこの小娘と話しているのだ。
貴様らはさっさと仕事に戻れ。」
威圧を掛けた言葉でゴロツキ達は慌てながら仕事に戻っていった。
「「「はっはい!! 失礼しました!!」」」
ゴロツキ達が去った後、彼はしばらくゴロツキ達が見えなくなるまで睨み付けた。
見えなくなった頃に彼は溜め息をして、ミナを見下ろした。
「貴様は何者だ? 人間がまず此処に入れる筈がないが、只者ではないな?
それにその剣は魔神剣か······。」
まさか我以外にも居たとはな······と小さく付け加えた。
その言葉でミナは眼を見開き、更に警戒を強めた。
「何故、魔神剣の事を知っている?」
警戒を強めて、そう問いかけて魔神剣ジークフリートに手を掛けて何時でも抜刀出来るように
「魔神剣を抜くのは止めておけ、貴様の戦闘力では我には届かぬ。」
「何故、魔神剣の事を知っていると言ったな。
それは我も魔神剣使いだからだ。」
彼がそう言い終わると次はミナが自分以外に魔神剣を持っていた者が居たことに対して知らなかった。
「何だと······。
私以外にも魔神剣を持っている者が居たとは······知らなかった。」
そう言って、男は表情を変えずに自身の名と己の種族を告げた。
「そうだ······名を名乗ってなかったな。
我はランスロット・マムガイラ······魔神剣『夜刀』の使い手だ。
一応、言っておくが······我は竜人族だ。」
ランスロット・マムガイラ:地下街のボスで竜人族の男で魔神剣『夜刀』の契約者。
容姿:長身で赤い短髪、鋭い紅い目のイケメン、背中には歪な羽を生やしている。
服装は傭兵の服を着ており、腕にブレスレットを着けている。
一人称『我』二人称『貴様』