第二十一話
「いらっしゃい、何を買います?」
「麻酔ボルトだ。」
「畏まりました。」
店員は何も気にせずに麻酔ボルトを取りに行った。
すると何故、麻酔ボルトを買うのかと天津が聞くとミナ(ライト)は説明した。
「はっきり言うと今の姿で首を絞めての気絶は不可能だ。」
確かに今のライトもといミナの姿は女性であり、筋力も相当落ちている。
おそらく締め上げる前に背負い投げられ取り押さえられるのがオチだろう。
魔神剣を抜くにしても安定するかもしれないが安全性の保証はない。
出来るだけ大きな被害を出さないように麻酔ボルトを買うのだ。
しかし、大きな被害というのは仲間やミナ(ライト)自身が信頼している者に対して被害を出さないようにするだけで、人間に対しては別に被害が大きくても良いんじゃないのか?と思っている。
「ふーん」
天津は興味がないような素振りを見せて、クリスは一旦、溜め息を
「流石に被害が大きくなると隠蔽が不可能になるのでやめてくださいませ。
前にあなたが襲撃した街は魔物の大群のお陰で隠蔽できましたが、次は無いと思います。」
「理由は?」
「はい、前回のダウンスローの件で教会が警戒心を高めました。
それでこのオドン市街や他の街にも神聖騎士や監督官を派遣しているようです。
慎重に行動した方がよろしいでしょう。」
「そうか、他に変わったことは?」
「いえ、特に何も有りません。」
情報を話し終えたクリスは深呼吸をして、ミナ(ライト)は話し終えた後に来た店員に麻酔ボルトを購入して出た。
店を出た後、天津はこんなことを聞いてきた。
「それでカリンとはどういう男だ?」
特にカリンについて何も知らなかった堕天使こと天津はどういう男なのか聞いてみると
「精霊使いで、気に入らないことがあるなら暴行して」
「精霊使いの男です。」
ミナ(ライト)は真顔で教え、その同時にクリスもそう教えた。
しかし、納得してないのか微妙な表情で詳しく教えてくれないかと天津は
「詳しく教えてくれないか?」
「解った。」
そして、カリンについて教えた。