第十八話
今回は少し話(文章)が短いです。
「気になったんだが、変装して行った方が良いと思ったんだが、その姿のまま行くのか?」
オドン市街に近い、森で天津はライトにそんなことを言ってきた。
「確かにこのままでは、バレるかもしれないが······ああ、確かにお前の言う通り、姿を変えないと駄目だな。
そのために身分証を持ってきたしな。」
「身分証か、あのクリスという可愛らしいメイドが用意したのか?」
「ああ、大体合ってる。」
そういう話をしているとライトは黒いコートのポケットから身分証(偽)を取り出した。と言ってもライトのみ偽名だが。
「これはお前のだ。」
ライトは天津に身分証を渡した。
「おいおい待て待て、何故、私が人間になるのかね?」
天津は何故、自分は人間なのかと問うとライトは正論? で返した。
「堕天使と聞かれれば怪しまれるだろう。
大体、堕天使はこの世界の嫌われものだろう。」
「うっ、合ってるけどな······。」
そう言われた彼女は肩を落として、落ち込んでしまったが、それは一瞬の事ですぐに元気を取り戻した。
「しかし! 私はこれでも堕天した身では在るが、これでもか!? と言うくらい気にしていないのだ! そして、故に私は決めたのだ。」
その時、ライトは嫌な予感がした。
(まさか······ッ!?)
しかし、既に手遅れだった。
「御前の······性別を変えれば良いだけなのだああああああ!!」
彼女はそう叫びながらライトのコートの裏の胸ポケットにライトでも眼で終えないほどの速さで、手を伸ばしてイリアから貰ったあの薬を奪い取った。
あの薬と云えば、イリアから貰ったあの薬です。