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サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第1章 サポートキャラはじめました
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第5話 ダンジョンを攻略せよ!



 僕には2つの選択肢が出たが2つとも【捕食する】という悲劇に出くわした。

 仕方なく僕はミツマタノオロチをいただくことにして、ミツマタノオロチにかぶりついた。



「ネムちゃん!? えっ!? ちょっと!? みんなごめんね!? 今日の配信はここまで! また今度ね!」



 いきなりミツマタノオロチにかぶりつくという僕の行動に驚いたシラユキは慌てて配信を切った。

 今頃ツウィッターのトレンド欄には【モンスター捕食】と乗っている頃だろう。


 ミツマタノオロチの生肉は不味くはないのだが、焼いてないとむちゃむちゃという何か食べてはいけないものを食べてるような食感を出してくる上にあまり美味しく感じないので、僕は少しずつ【ファイアボール】で焼いて食べてみることにした。



「おいしいっ~!」



 なんということでしょう。むちゃむちゃとしてあまり美味しく感じなかったお肉が国産和牛カルビへと姿を変えたではありませんか。


 僕はあまりに美味しかったもので思わず声を上げてしまった。



「じゅるり……」



 するとシラユキの方から何かを啜るような音が聞こえてきた。

 果たして人気VTuberともあろう女の子がこんなものを食べて良いのだろうか……?

 いや、いくらなんでもこんなお肉を上げるなんて勿体な━━━━とても下品である。


 ここはサポートキャラとして管理者(マスター)が道を踏み外さないようにサポートすべきである。



「ネムちゃん、一口! 一口でいいからくれない……?」



 シラユキはとてもうるうるとした表情で僕のことを見てくる。

 確かにここまで僕のために色々と手伝ってくれたのに何もしないのは悪いと思う。

 仕方ないので僕は一口分を取ってシラユキの方に投げる。


 そして僕は再びミツマタノオロチにかぶりついた。僕の渡したお肉をシラユキがどうしたのかは知らない。

 けど、ミツマタノオロチのHPが無くなり、消滅した時にはシラユキの手にお肉はなく、口の周りにごくわずかの(あぶら)が付いていた。


 まあ、それはともかくとしてようやくミツマタノオロチを撃破することに成功した。



「やったぁぁ!!」



 シラユキが声を上げて喜んでいると1つの宝箱が現れた。

 それと同時にミツマタノオロチを倒した経験値が手に入り、ランクアップの音が聞こえた。



『ランクがC-上がりました。

 スキル【歪み始(ブレイ)めた人(クオブ)工知能(ブレイン)】を手に入れました』



 何かとても嫌な名前のスキルを獲得した。

 するとそのスキルの詳細が表示された。



『【歪み始(ブレイ)めた人(クオブ)工知能(ブレイン)】:INT(魔法威力)+20

 管理者(マスター)に関するスキルが確定で発動するようになる。(廃棄不能、無効化されない)

 取得条件:人工知能らしくない行動をしてLv.50以上のモンスターを撃破した時』



 確認すると思ったよりも強かった。強かったけど、こんな名称のスキル持ちたくない。

 それに管理者(マスター)に関するスキルって今のところ特に無い。


 凄く消したいが、残念ながら廃棄不能となっているので消すことが出来ないようだ。

 おまけに『管理者権限』という謎の表示が出てくる。『管理者権限』ってなに?



「ネムちゃん! 宝箱を開けるよ!」



 シラユキにそう言われたので僕は考えるのを止め、宝箱に近づくとシラユキは宝箱を開封した。



「おおっーー!!」



 宝箱の中には1つの巻物とサポートキャラ専用の青白い短刀と女性プレイヤー専用の青白い鎧だった。

 巻物はスキルが入っていて、これはサポートキャラ専用スキルだった。確認すると【守護者(ガーディアン)】というスキルのようだが、僕が触れた瞬間に勝手にスキル枠に入った。

 すると解説が表示される。



『【守護者(ガーディアン)】:管理者(マスター)のHPが1以下になるダメージを受ける時、代わりにそのダメージを4倍にして肩代わりする。(50%の確率で自動発動。廃棄不能、無効化されない)

 取得条件:管理者(マスター)との親密度20%以上かつ、【守護者(ガーディアン)】のスクロールに触れること』



 こちらのスキルも削除できず、『管理者権限』というワードが表示された。

 さっきから出てくる『管理者権限』とは?


 詳細を調べてみるとサポートキャラのスキル枠は管理者《マスター》のみが操作できるとのこと。

 僕の方からは消したりすることが出来なくなってるようだ。

 それもそのはず。『強いスキルを入手したらサポートキャラが勝手に消した』なんてことがあったら悲鳴が響き渡る。


 僕は納得して宝箱の中に入っている青白い短刀を手に取った。

 今度は短刀の情報が出てきた。



『【絆の短刀(リアンズダガー)】:STR(物理攻撃)+30

 さらに管理者(マスター)との親密度の値に応じてSTRを加算。(最大100)【破壊不能】


 解説:【リアンズ】シリーズの1つ。

 青白く輝いており、長時間見た者の現実世界での視力を気づかない程度に低下させる』



 意外にもこちらはブルーライトを除けば特にデメリットが無く、非常識だということを考えなければ、かなり強力な武器だった。

 装備は自動ではなかったのでシラユキに装備させてもらうと、今度はシラユキが宝箱に入った鎧を取り出した。



『【絆の鎧(リアンズアーマー)(女性専用)】:VIT(防御力)+200

 サポートキャラとの親密度に応じてさらにVITを加算。(最大100)【破壊不能】


 解説:【リアンズ】シリーズの1つ。

 青白く輝いており、所有者以外のプレイヤーが見た場合、現実世界での視力を著しく低下させる』



 シラユキの鎧は今までのデメリットとは売って変わって明らかに公害レベルのものだった。

 ここまでくると運営も清々しかった。肉体的ダメージ与えたらダメだろうに……



「じゃあ私はログアウトするからまた明日ね」



 僕は頷いて答えた。シラユキがログアウトすると僕はシラユキのギルドハウスに戻されていた。

 僕はギルドハウスにあったベッドで横になる。


 こっちの時間は現実の3倍だからおよそ24時間。暇だなぁ……






 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:C- 親密度:40%


 解説:人気VTuber『シラユキ』の可愛い妹。触れた異性を【魅了】にするが、最近歪み始めた。


・特性:【自動魅了付与】、【破壊不能】


・パラメーター


 STR(物理攻撃):70(+70) INT(魔法攻撃):210(+20)

 AGI(俊敏性):350 ※管理者(マスター)の値に依存する

 DEX(命中率):80%


・スキル(10枠中5枠使用中)

 ・使用スキル

 【ファイアボール Ⅳ】:火の玉。射程距離 40m

 【ウィンドカッター Ⅵ】:風の刃。射程距離 100m、距離60m以上で徐々に威力減少

 【アイスランス Ⅱ】:氷柱(つらら)。射程距離 20m


 ・常時スキル

 【歪み始めた人工知能(ブレイクオブブレイン)】:INT +20

 管理者(マスター)に関するスキルが確定で発動するようになる。(廃棄不能、無効化されない)

 【守護者(ガーディアン)】:管理者(マスター)のHPが1以下になるダメージを受ける時、50%の確率でそのダメージを4倍にして肩代わりする。(廃棄不能、無効化されない)


・装備品


 【契約の腕輪】:2つで1組の腕輪。これを付けたものたちは互いに必要不可欠なパートナーとなる。

 【絆の短刀(リアンズダガー)】:STR+30

 さらに管理者(マスター)との親密度の値に応じてSTRを加算。(最大100)【破壊不能】(武器スキル【失われし視力の光(ブルーライトビーム)】有り)



・固有スキル


 ーーーーLv.0



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