表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サポートキャラ はじめました  作者: 名月ふゆき
第1章 サポートキャラはじめました
4/33

第3話 サポートの森



 女の子としての常識を植えつけられた僕は疲れて眠ってしまった。



「(人工知能ってスゴい! もう何処に出しても恥ずかしくない完璧な女の子だ……!)」



 シラユキはソファーの上で寝ている僕を眺めながら考え事をしていた。

 確かに僕は一度死に、脳をデータ化することで存在してるので人工知能に代わりない。


 なので人工知能らしく自分自身を補正できるけど、僕には人間としての記憶や本能も持ち合わせているので、僕はなるべく自分自身を変えないために補正する気は更々(さらさら)ない。


 けど、可愛い女の子が男らしくしてたら怪しく思われてしまう。だから自分自身の本質的な行動を女の子になるように補正したんだ。


 そう、断じてシラユキが怖かった訳じゃない。僕は僕自身の意見で補正したんだ。これは誰にも否定出来ない事実。

 僕は女子の恐怖()()勝ったんだ……!(命令されたとは言ってない)



「(でもこういう時に行動出来なくなっちゃうのはサポートキャラの欠点よね……)」



 実は僕はシラユキから15m以上離れることが出来ない。15m以上離れると自動的にシラユキの真横に転送されるような仕組みになっているのだ。

 つまり寝ている僕は今のシラユキに取ってはただ足を引っ張ってるだけになる。



「(早くネムちゃんの親密度を上げてあんなことやこんなことを……)」



 世界的にも人気のあるVTuberであるシラユキが何を考えてるのかは置いておくとして、この『マジョリティーオンライン』は対象年齢は存在しない。

 だが、やはりフルダイブ技術のVRMMOという訳でそういう要素はどうしても付いてきてしまう。


 そこで考えた運営の意見が18歳以下に相応しくない部分が現れると当事者以外のユーザーには空から不思議な光が差し掛かるというものだ。

 その不思議な光はそれはまあ不思議で音も姿も全てを包み込むのだ。


 シラユキがそんな変なことを考えていると僕は目を覚ました。



「う、うーん……ん?」



 僕が起き上がるとシラユキは僕に近寄ってきた。



「じゃあサポートの森まで行って、ランク上げしてみよっか?」

「うん」



 というわけで僕の力を試すために寝起きである僕をそのまま近くにあるサポートの森へと誘拐した。


 場所は変わり、『サポートの森』。

 ここではサポートキャラの経験値が普通よりも多く貰えて、サポートキャラの与えるダメージが50倍になる森。

 今の僕にはピッタリの場所だ。



「あっ、スライムだ! ネムちゃん、やっちゃって!」



 シラユキが僕に命令する。

 普通のサポートキャラの攻撃は基本的にランダムで行われるので命令は何の意味もなさない。

 だが、サポートキャラとの親密度によっては言うことを聞いてくれる場合も存在するらしい。



「【ファイアボール】!」



 僕は元々スキル欄にあった【ファイアボール】を魔法を放つ。

 現状僕の持っているスキルはこれ1つ。あと9個スキルを獲得できる。



『ぴゅいっ!?』



 スライムのHPゲージが一気に0になった。

 するとスライムはその場から消え、経験値を貰った。



『スキル:【ウィンドカッター】を獲得しました』



 その声が頭に響くとステータス画面に詳細が表示された。



『【ウィンドカッター】:超振動で強靭な刃を作りだす。

 射程距離:100m(距離が長くなる程攻撃範囲と威力が減少する)

 取得条件:魔法によるモンスターの撃破』



 この表示はシラユキのステータス画面にも表示されていて、僕とシラユキは顔を合わせて笑った。



「(コレ、【超振動カッター】じゃダメなのかな……?)」



 僕とシラユキは更なる戦いを求め、モンスターを探し回った。



「【ウィンドカッター】!」

『ヒヒーン!』



 燃えてる馬(ファイアーホース)を倒した。

 現実に存在する動物を殺すのは少し気が引けたけど、「燃えてるのだから可哀想。助けてあげよう」と思考を変えると容易く救済してあげることができた。


 するとこのお馬さん。レアキャラだったのか大量の経験値が手に入った。

 どうやらランクが上がったらしく、クラッカーの音が聞こえた。



『ランクがFからEに上がりました。

 スキル:【ウィンドカッター】が【ウィンドカッター Ⅱ】に進化しました』



 その声が聞こえると今度は【ウィンドカッター Ⅱ】の詳細が出てきた。

 【ウィンドカッター Ⅱ】は最初の20mだけ威力が低下しないようだ。



「さすがサポートの森だー! ネムちゃんの成長が早い! おまけに人も居ないから随分快適だね!」



 サポートキャラは3日前に実装されたばかりの機能らしいのだが、攻撃が完全ランダムで装備枠を2つも使うという不便さからサポートキャラを使うのはこのゲームを『たま○っち』感覚で使ってる人か、R18のためだけにやってる人ぐらい。


 だからサポートキャラ以外の獲得経験値が激減する上に、HPとAGI(俊敏性) 以外の全ステータスが平常時の1割になるサポートの森なんて普通のプレイヤーは使わないのだ。



「【ウィンドカッター】!」

『グギャッ!?』



 ゴブリンを見つけたので遠距離攻撃を仕掛ける。レベルが低いとはいえ、ダメージは5倍なので数回攻撃すれば確実に倒せる。



「【ファイアボール】!」

『グギャアッ!?』



 ゴブリンを倒すと何かドロップした。

 僕はそれを拾ってシラユキの元まで届けるとシラユキは僕の頭を撫でてくる。

 そしてシラユキがドロップしたアイテムを確認した。



『【小汚ないペンダント】:装備すると全ての状態異常を無効化するが、周囲10mにあり得ない程の強烈な悪臭を放つ(装備者は状態異常無効が付くため気絶しないが、サポートキャラは気絶することがある)』



 このマジョリティーオンラインはチートアイテムに限って装備したくない余計な効果を持ってることが多い。

 要は人間としての尊厳を失ってまで装備する価値があるのかと運営がアンケートを取って少数派(マイノリティー)多数派(マジョリティー)かを調べてるのだ。


 この『マジョリティーオンライン』はそのためだけに編み出されたVRMMOなのだ。

 だから他にも変なアイテムがゴロゴロと落ちてたりする。

 もちろんプレイヤーからの反感を買わないために入手が難しいアイテムにはデメリットが無いものも存在する。



「これはゴミだね」



 秒速でゴミ箱に入れてアイテムを削除したシラユキ。

 シラユキのことだから「このアイテムはネムちゃんが私のために持って来てくれた物だから取っておく!」とか言うと思ったのだけど……



「━━━━━━あっ、うそ……」



 シラユキはようやく気づいたようで震えながら後悔していた。

 どうやらシラユキにはその発想がなかったようだ。

 そして、かつてない程の大きな悲鳴が森林を包んだのだった。



 名称 ネム(サポートキャラ)


 ランク:E 管理者との親密度:30%


 解説:人気VTuber『シラユキ』の可愛い妹。触れた異性を【魅了】にする。


・特性:【自動魅了付与】、【破壊不能】


・パラメーター


 STR(物理攻撃):0

 INT(魔法攻撃):90

 AGI(俊敏性):350 ※管理者(マスター)の値に依存する

 DEX(命中率):80%


・スキル(10枠中2枠使用中)


 【ファイアボール】:火の弾を作り出し、敵を燃やす。(射程距離 10m)

 【ウィンドカッター Ⅱ】:超振動で強靭な刃を作りだす。

 射程距離:100m(20m以上距離が長くなると攻撃範囲と威力が減少する)


・装備品


 【契約の腕輪】:2つで1組の腕輪。これを付けたものたちは互いに必要不可欠なパートナーとなる。


・固有スキル


 ーーーーLv.0



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ