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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゲームの悪役陣営に転生したけど悪役にだって守りたいものがあるんだよ…

作者: 日森

ゲームの世界で転生出来ても原作知識チートが出来ない話を作りたくなったので作って見ました。良ければ最後まで読んで下さい。

 焼け焦げる血肉の匂いと鉄の匂いが充満して臭い戦場に俺は一人の騎士団長としてそこにいた。


 ハロー皆さん俺の名前はデザールだ。こんな銀髪で筋肉がしっかりして、ゴリラみたいな身体していますが実は転生者だ。

 元の名前は転生した影響で忘れてしまっているが今まで生きて来た知識などがあり二度目の人生送ってます。

 

 え?転生できたのになんで戦場に出てブラックに戦わされてるのかって?

 そんなもん国の上層部の皆々様が命じたからに決まってんだろ。

 二度目の人生ぐらい自由に生きれるだろうって?残念だったな人生は早々に上手くいかないんだよ。

 何故なら俺が転生した世界は俺の転生前にあった人気ゲームに転生したのはいいが転生先は敵陣営だ。

 それも略奪国大好きな帝国様だよ。しかも生まれがスラム街な上に良い生活をしたいなら軍に入る以外ないんだよ。

 本当に人生とは上手くいかないもんだ。


 突然だが俺は戦争というものが嫌いだ。


 戦争というのは人間の欲の一つ支配欲の現れだと俺は考える。


 例えば、自国が食糧不足で飢えていれば食料の取り合いになるだろう。

 この時に食料を奪えた者は満足感と幸福感そして、高揚感などに陥る。

 全ての人間が全てとは、言わないが満足感というものには当てはまるだろう。

 だから、戦争とはただの奪い合いだ。片方が満足するまで戦争は続けられる。そういう風にシステムされた地獄だ。

 しかし、欲とは抗えないものだ。何故なら自分さえ良ければいいという考えはどの人間だって同じだ。

 

俺も同じだ。だから俺はこの戦争で死にたく無い理由があるから戦うしか無い。


 「おおおおお!」


 真正面から兵士達を薙ぎ払いながらやって来る一人の青年に俺は青年に目を向ける。


 青年は俺の前に立つと剣を俺に向けて宣言する。


 「デザール!僕は大帝国のお前たちを倒す!」


 青年の真っ直ぐな目を見て思う事は一つ。


 「そうか、なら死ね」


 そう、この青年がどんな人間だろうと俺を倒すと言った。

 

 戦場に置いて『倒す』とは『殺す』ということだ。

 だから俺は剣を抜き構え威圧する。


 「っ…!」


 青年は冷や汗を掻きながら抜かれた剣と目の前の敵の威圧に息を飲む。


 それにしても、この青年もしかして一ヶ月前に召喚された勇者か?

 うわ〜しかも見覚えのある黒髪に肌の色…完全に日本人だな。


 「…来ないのか?…ならこちらから行かせてもらうぞ」


 俺は躊躇なく剣を振り下ろす。


 青年はすぐさまに剣で撃ち合うが数振り剣を交えながら耐えるがデザールに剣の撃ち合い止まろうと図るが止まった瞬間に腹周りにヤクザキックを入れられ吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。


 「ぐあっ!」


 弱いな…まぁ一ヶ月程度の教養も訓練じゃあな俺にはかてないだろな。


 何せ俺は前に生きた人生の分と転生してからの二度目人生まで生きてるからこその余裕がある。


 比べて相手の青年にはそんな余裕がない。


 俺は追撃に掛かろうとするが俺の前に炎の矢が飛んで来るのを察知し後ろに後退して炎の矢を躱す。

 そして、矢が飛んで来た方向に目をやる。


 「ユータ!」

 「ユー君!」

 「ユータ殿!」


 どうやら青年のお仲間のご登場のようだ。

 つか、俺の部下達何やってんだよ…俺がこの自称勇者?とその仲間達を一人で全員相手しなきゃいけないのかよ。はぁ、めんどくさい…。


 「み、みんな来てくれたのか!」


 青年の目が少し光る。


 「当たり前だ!友達(ダチ)だろうが!」

 「当たり前だよ!」

 「私は主を死なせません!」


 青年の仲間達は励まし合う。


 そんな光景を見て俺は呆れていた。

 はぁ…完全に主人公やってるよ…こいつら。

 いや、わかってるよ俺が仕えてある国自体がクズ奴らの多くいるし、大半が略奪が大好きな奴らしかいないことぐらいな。


 「デザール!卑怯とは言われても仕方がないかもしれないが僕は、いや僕達はお前に勝たせて貰う!」


 青年は強い志しをデザールにぶつける。


 「はっ!今までの借りを返させてもらうぜ帝国ども!」

 「ユー君が頑張るなら私だって!」

 「主の誓いに拙者も貴様のお命頂戴する!」


 その仲間達も強い決意を見せる。


 俺の考えは変わらない。殺しに来るなら殺す…そうそれだけで自分の命が守れるならそれで良い。

 だから俺も言わせてもらう。


 「…死ぬのは、お前らだけで十分だ」


 それが開戦の合図となる。


 青年は真っ直ぐデザールに剣を振るうが簡単に受け流され殴り飛ばす。


 「がはっ!」

 

 忍びぽい口調をする少女がデザールの背後に回るも背後に片手を向け風魔法を放ち吹き飛ばす。


 「ぐぬっ!?」


 次に魔法使いの青年が呪文を唱えるがデザールはそれをさせまいと近くにあった両手サイズの石を足蹴りし飛ばす。

 それに対応できずに魔法使いの青年はデザールの攻撃を受ける形となる。


 「ガッ!?」


 最後に残った回復担当の少女はデザールに間合いを詰められる。


 「…あとはお前だけだ」


 「ひっ…い、いや!」


 回復担当の少女はデザールを前にして腰が抜けてしまう。


 ふー、こいつらのコンビネーションはまだまだだな、それのおかげもあってか追い詰める事は出来たな。


 さて、可哀想だがこの少女には真っ先に死んでもらうか。

 人を殺すのは今の俺にも抵抗はあるがそれでも俺は生きるためにスラム街で人を殺してそいつから奪った物を使いながら騎士団に入る為の金を作り、生きてきた。

 だから、目の前の少女を躊躇いなく殺せるのは突然だ。

 

 「…」

 「た、助けて…」


 少女は震えながら敵であるデザールに慈悲を求めるがデザールは剣を振り上げ斬りかかろうとする。


 「ま、待ってくれ!」


 それを止めにかかったのは最初に剣を交えた青年だった。


 「俺はどうなってもいい!だから彼女は見逃してくれ!」


 青年は自身を犠牲にしてでもこの少女を救おうとする。


 「………無理だな」


 デザールは率直に言うと少女は絶望し青年はそれを聞いて焦り、傷だらけの身体を動かそうとする。


 わかっているがこれは戦争だ。誰かが早くこの戦いを終わらせる何かをしなければ戦争は永遠に続けられる。


 終わりの無い戦いほど地獄は無いと俺は知っている。


 だから俺は殺す理由を青年少女達に言う。


 「これは戦争だ。勝つ為、生きる為には誰かを殺さねば()が死ぬ。また、戦争を終わらせるきっかけが必要だ」


 俺は淡々と話を続ける。


 「お前達を此処で生かせば、お前達はまた立ち上がり、また戦争という地獄を作り出す…だから殺さねばならない」


 そう、戦争とはそういう物だ。


 誰かを殺さねば生きれない。


 理不尽だと嘆いたところで誰も助けてはくれない。


 それが戦争という地獄だ。

 


 「じゃあな」


 俺は剣を構え振り下ろす。


 「いや、いやぁああ――」


 少女はデザールの剣に切り裂かれ、血飛沫を上げ絶命する。


 「うわぁあああ!!」


 青年は少女の死を見て傷だらけの身体で俺に向かってくる。


 「……お前にも言っておく…お前は」


 青年はがむしゃらに剣をデザール振るうがデザールは容易く弾く。


 「あ」


 弾いた、その一瞬を俺は見逃さずに剣を振りかざしながら最後に青年に言う。


 「――お前は物語の主人公になれない」


 デザールの剣は青年の首を貫き、血反吐をデザールに浴びせながら絶命させる。


 青年は声も上がる事無く死んだ。


 「くっすまないユータ!リアナ!」

 「ユータ殿リアナ殿!」


 魔法使いの青年と忍び口調の少女は仲間に声を荒げる。

 

 「後はお前らだけか…」


 俺は少し気ダルになりながらも生き残っている青年少女に目を向ける。


 「っ仇は必ず取る…だから引かせてもらう!」


 青年は死んだ仲間の無念を悔しみの涙を流しながら魔法を発動させ消える。


 「転移魔法か……やっぱり原作のキャラは殺す事は難しいか…」


 俺は転生したこの世界について少し知っている。

 最初に述べたようにこの世界は転生前の俺の世界の人気ゲーム『バルバトス戦記』という世界で先程の魔法使いの青年は主人公の仲間になる一人だ。

 魔法に長けたキャラクターであり、物語の攻略に必要な重要人物らしい。


 俺はこの世界で生きる以上彼らのような原作の主人公達を敵である以上相手しながらいきなければならない。


 これからこの世界は原作が通りに始まり主人公が現れ大帝国と戦争する事を知っているが、俺がわかるのはそこまでだ。

 何せ俺は『バルバトス戦記』を購入して、始めたばかりでこれ以上の原作については知らない。

 俺が知っているのはゲームの世界に置いてのレベル上限と魔法の取得のやり方と原作キャラクターの一部と最後に原作開始の日時だけだ。


 俺はこれから先、何が起こるかもわからないし、どんなアイテムが必要なのか合っておかなければならないキャラクターも知らない。

 だから、俺は出来るだけ生き残れるように努力するしか、無い…。


 かちゃかちゃと音立てながら誰かが俺の所へ向かってきた。


 「団長!ご無事でありますか!?」

 

 そう、話すのは俺の部下の男だ。

 

 「無事だ。それに敵も二人殺せたが残り二人は逃げられてしまったよ。それにしても救援が遅い…が、そちらも無事でなりよりだ」

 

 少し俺は救援に遅れた部下に文句を言うが部下も無事だった事に安堵する。


 「はっ!団長もご無事でなによりで」


 部下は敬礼をしながら団長に報告を伝える。


 「敵は後退を始めました。追撃しますか?」

 「いや、辞めておこう。お前たちを振り切って俺のとこまで来る奴らがいるからな、下手に深追いすれば痛い目を見るからな…」


 俺は部下に深追いをしないように指示を出す。


 「ですが…今倒しておけば…」

 「早死にしたいなら行けばいい。俺は行かんぞ、先程の戦いで俺の剣がボロボロになったからな」

 「っ…」

 

 俺は自身のボロボロになった剣を見せると部下は黙る。


 俺も戦いが終わってから剣を見ると剣の刃がボロボロに刃こぼれしていたこのに気がついた。


 やはり、異世界から召喚されただけはあると俺は思う。

 ネット小説や漫画などに出てくる奴は大抵がチートを持って来ると言うのはあながち間違えではない事がわかったが…これからも出て来たら次は勝てるのかと、不安になるな。


 「…まぁ、とりあえずザナドの森まで敵が撤退するまでなら追撃は許可する。それ以上は無理をするな」


 とりあえず俺は部下の意見も少し尊重し、ある程度までの追撃を許可する。


 「っ!…了解であります!」


 部下はそれを聞くと去って行った。


 俺は戦った二人の敵の亡骸を見て、思う。


 「お前達がどんな気持ちで俺に挑んだのかは、知らないが俺にだって生きなきゃならい理由がある。これは仕方が無い事なんだ……仕方がないんだ。…………すまん…。」


 俺は両手を力強く握り締めながら今いる場所から離れる。


 どれだけ戦争で死のうが戦争の死者の数字では、凄みはわかっても実際に戦場に死んだ仲間達を考えるともっと死んでいるのでは無いかと考えてしまう。


 死んだ仲間の光の無い目に知らない誰かの切り飛ばされた腕に水溜りの様に溜まった血の水溜りを見ながら俺は前に進む。


 やはり戦争は嫌いだ。

 

 大嫌いだ…。


 …。


 帰ろう、俺が生きる理由の場所へ








 数日後に俺は戦後の処理を終わらせるとある教会に足を運んだ。


 「おや?デザールじゃあ無いかい、生きていたのかい?」

 「当たり前だ…彼女を残して死ぬ事なんて出来ないよ」


 こう話すのはこの教会の管理する修道院の服を老婆だ。


 「そうだったね…中で待ってるはずだよ」

 「そうか、いつもすまない」


 俺は申し訳無いと老婆に頭を下げる


 「そう、頭を下げる間にあの子を娶ればいいものを」


 老婆は少し皮肉を言いながらも通り過ぎていく。


 俺は教会の扉を開け入ると少し歩くと一人の黒髪の少女が座っていた。

 黒髪の少女は扉が開いて誰かがこちらに向かって来ることに気付いて顔をデザールがいる方向を見る。

 

 「…っ!デザールさん!」

 「あぁ、無事帰れたよアカツキ」


 アカツキと呼ばれた片目に眼帯をした少女は座っていた長椅子から立ち上がりデザールに抱きつく。


 「良かった生きててくれて!」


 アカツキと呼ばれた少女はデザールに抱きつくいなや片目を涙目になりがら安堵する。


 俺は涙目のアカツキを抱きしめ返しながら頭を撫でる。


 「生きてるに決まってるだろ」

 「はい!」


 彼女はアカツキ―黒髪の少女であるが普通の少女では無い。

 実は彼女の片目の部分には火傷の様な傷痕があり、忌み嫌われていた。


 「デザールさんがいつ帰って来ないんじゃ無いかって怖かったです」

 「そうか…ごめんな。不安にさせたしまって」

 「はい、だからもっと抱きしめてください」

 「わかった」


 アカツキに言われた通りに少し力強く抱きしめる。


 

 俺と彼女の関係は五年前に遡る。


 俺がスラム街から出て軍に入って必死に生きて行けるように努力していた二十代時に当時十歳の彼女と出会った。

 その時まで眼帯をしておらず、片目の傷痕か出ており、それを出しにして虐められていたところを俺が助けた。

 助けたその後に話を聞いてあげ、親に片目を潰された上に捨てられて、途方に暮れていた事を聞いて、養子として引き取ることにした。

 結婚もしていないのになんで引き取ったかって?…それは少しだけ俺はこの帝国に転生して散々な人生を送っていた上に元の世界でも独り立ちして一人で生きる俺は寂しさあまって生きる理由が無い時があった。

 だから、俺は一人で苦しんでいる彼女を見捨てる事が出来なかった。

 

 事故で死んで転生した先で粗悪な環境の中でも一人で生きるのが寂しくて死にたいと思った時もあった

 だが、いざ死のうとした時身体が言う事聞いてくれなかった。

 頭では死にたいと思っていても身体は生きたいと言っていた。

 

 そんな時に彼女に出会えた。


 一人で寂しくて誰にも相手されなく虐められ、いつ死んでもおかしく無い彼女の為に生きる理由と俺自身が生きるになればと思い俺は彼女を引き取った。


 最初は住む場所と彼女の身嗜みを整える為にお金を使いお金が無くなってしまい困る事もあったがお互いに生きる理由が出来て、少しでも明るく前に進む事が出来た。


 そして、今に至る。


 「さぁ、帰ろう家に」

 「はい!」


 アカツキの明るく顔を見ながら俺は教会の外へと出て俺と彼女の家に帰る。


 俺はゲーム転生してしまった上に主人公達の敵である大帝国に生まれてしまった。

 生きる為にも帝国軍に入って主人公達と戦う理由になってしまっても、俺は彼女を守る為に生きたい。


 だから、主人公や異世界から召喚された者、神様に、言わせてもらう。


 



 『悪役にだって守りたいものがあるんだよ』と…。




感想と評価が良ければ連載を検討したいと思います。

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