第6話 相棒
今日は少し短めです。
バキバキと音を立てて生まれた魔物は翼を持ち鋭い牙を持ち愛くるしい目をしていた。
「こいつは、、、坊主、本当に運がいいな。これは竜種の中で一番低ランクのベビードラゴンだ。種族進化でかなり強いドラゴンになる。」
「これがドラゴンか、、、」
「ピュイィ。」
かなり可愛い。よし決めた、こいつは俺が責任をもって育てる。異論は認めない。
「名前は、、、竜騎士の英雄からとってロアだ。お前はロアだ!
「ピュイッ、ピュイイ!」
「名前までつければお前が飼い主であると認定されているはずだ。そいつのステータス見ておくんだな。とりあえずガルバンさんたちのとこ戻るとするか。」
俺たちはきた道を戻り休憩所の水辺に戻ってきた。ロアは俺に抱えられとても嬉しそうにしている。水辺に着くなりガルバンさんが走り寄ってきて慌てた様子で俺に話しかけてきた。
「お、お、、、お前それ、、、、、ドラゴン、、だよな、、どうしたんだ、、、まさか竜の巣からとってきたわけじゃねぇよな。そ、、そんなことすれば、、、ここにいるやつらみんな逃げられないぞ。」
「違いますよ。たまたま竜の卵を拾ったんです。仮に巣から盗ってきたんだったら俺ももっと慌てていますって。」
「そ、、そうか、、、ならいいんだが。竜の卵とはまた運がいいなルクソル。」
色々とガルバンさんたちと話しているとソフィアたち3人も寄ってきてソフィアは顔を綻ばせながら
「可愛いぃぃぃ〜!!お名前はなんと言うんですかルクソルさん!」
「ロアだよ。」
「竜騎士のロア・ドラゴニアからとったわけか。英雄好きのお前にはちょうどいいな。」
竜騎士ロア・ドラゴニアとはここより北に位置するハルファイン大陸にある竜王国ロードラゴを建国した初代竜王だ。初代竜王は龍を使役することができるスキルを持っていて、そのスキルと戦闘系スキルの応用で武力が全てとされていた北の大陸を瞬く間にまとめていったとされ、いまでもその風習が残り竜王の保有する騎士は武力が全てらしい。
「ロアちゃんですね!これからよろしくお願いします!」
「ピュイ。」
ロアを可愛がるソフィアはものすごく可愛いな。またもやユーリとヴァイスはニヤニヤと俺たちを見て笑っているが何かおかしなことがあるんだろうか?
昼食をとって少し休憩をしてから俺たちは王都へ向け出発した。俺は馬車の中でロアのステータスを確認している。
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・名前 ロア
・年齢 1歳
・種族 竜種
・能力値
Lv:1
HP:350/350
MP:120/120
攻撃力:80
防御力:68
素早さ:93
・魔法
【竜の息】
・能力
【人言語理解】
・【種族能力】
竜覇気
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全体的なステータスがやっぱり高いな。さすが竜種と言うべきだよなぁ。それにしてもこのスキルはなんだろ。
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【種族能力】
種族として95%以上の確率で継承されるスキル。その種族以外に顕現することはない。
【竜覇気】
・発動条件
敵対象の確認、攻撃開始時。
・発動内容:以下の内容から選択
対象を高確定で怯ませ状態異常を起こさせる。
自身の能力値のLv以外を20%上昇。
魔法発動時間なしあるいは短縮での魔法発動。
・留意点
Lv差により怯ませることができない場合あり。
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かなり強力なスキルだな、最強の種族と言われる理由がうかがえるよ。一番種族として低ランクでこれだろ。そりゃ手を出さないようにするわな。
ロアと共闘できるようにスキルの見直しは確実に必要だよな。竜騎士のスキル参考にして見たほうがいいのか?まぁそこらへんはもっとゆっくりと考えていくとするか。俺は今のとこ魔法使えないけどロアはLvが上がれば魔法を覚えるのか?そのあたりも俺のLv上げと同時に確認しなきゃな。
「ピュイ?」
考え事をしている俺を覗き込みながら首をかしげるロア。正直ものすごく可愛い、もはやペットだな。
「なんでもないよ。俺と一緒に強くなろうな!」
「ピューイ、ピュイィッ!」
こうしてかなり強力な相棒が俺にできた。