表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

ある令嬢の葛藤






もし婚約者に恋の相手が現れると知っている場合あなたならどうしますか?




 悪役令嬢が破滅フラグを回避すべく婚約者と距離を置くという設定に異議を申し立てたい。あなたがそんな態度をとるからいざ断罪される時婚約者はあなたを信じてくれないのだ。

そもそも婚約者が自分に素っ気ないなんて可愛そうじゃない。私ならそんなことしない!逃げないで向き合うわ!!


 って前世の私は思ってたなぁ…と婚約者とお茶を飲みながらしみじみと思う。


 乙女ゲームの世界に転生なんてネット小説に溢れていた。その数多の中に私も仲間入りしたらしい。

ゲームのタイトルは忘れてしまった。それだけ数多くの乙女ゲームを遣り尽くしたんです。うん、何も言わないで!おかげでゲームのイベント内容も曖昧。

西洋っぽい世界だけど魔法とかそういうファンタジー要素はなかったと思う。

王太子リオン様を筆頭に未来の宰相と言われる王太子の側近であるハイド様とか未来の騎士団長のクローヴィス様とか有望株である貴族子息たち。美人タイプから美丈夫タイプと選り取り見取りである。

で、我が婚約者であるリオン様は美人タイプ。誠実で偉ぶることなく物腰の柔らかいまさに乙女が憧れる王子様なのである。


 私の理想は来たるべき未来のため惚れない程度に仲良くなろう!なわけなんだけど……

うううっ、さっきの宣誓はなんだったのかって言いたいことは分かります!分かりますけど!!傷つきたくないもん!!

距離を置くの可愛そうとか偽善ですよ!所詮自己満足ですよ!結局自分が一番かわいいんです!!

じゃあ係わらなければいいというわけにもいかない。

乙女ゲームの世界は小説やマンガの世界と違ってストーリーが一本でないというところが厄介だ。ヒロイン次第で相手は変わる。

リオン様ルートになることもあれば、違う人のルートになることもある。その場合私はそのままリオン様と結婚することになるってことでしょ?

だからリオン様との関係はそれなりに良好でなければならない。徹底的に避けて結局結婚じゃあその後の夫婦生活に影響ありまくりだもの!

だからあくまで惚れない程度に仲良くやろう!なわけ。卑怯なのは重々承知してる!


 だけどその目標も今や危うい。

眼の前にいるこの麗しき人と係わって好意を抱かずに入れるかと聞かれたら即否定する!

私の中の危機感が本気で惚れる前に逃げろと告げている。乙女ゲームの攻略対象者をナメてました、すみません!!


 婚約者と交流を深めるためのお茶会だというのに一人悶々と耽っていた私の様子を見てリオン様が声を掛けてきた。

「サラ嬢、大丈夫ですか?今日は風があるので体が冷えるかもしれないですね。場所を移しましょう。何か羽織るものを」


 気遣いつつ早々に周りに指示し対処するリオン様に慌てて答える。

「え、いえ、大丈夫ですわ。せっかく用意して下さったのに」


 わざわざ手間を掛けさせる心苦しさとだったら帰りたいなぁ、その方が心労ないし、とか思ってると手を取られた。

「本当は大事を取って帰す方がいいのでしょうがせっかく会えたのですからもう少し一緒にいたいのです。だからせめて体調を気遣わせてください」


 よくそんなこっぱずかしいセリフ言えるよね。さすがメインヒーロー、キラキラオーラが見えた。そんなこと言われたら「はい」としか言えないじゃない……。むずかゆい、浮かれるわ!

婚約者と心を通い合わそうという誠意を持ってらっしゃるリオン様は本当に政略結婚の相手として最高だ。

ここが乙女ゲームの世界でなければヒロインの存在に悩まなくて済むのになぁ……







 社交界シーズンの幕開けは王宮の大広間で行われる。今年デビューする貴族の若者たちの名が呼ばれる中に覚えのある名があった。

ユーリア・ロンバート。ゲームのヒロインだ。しかも彼女は王太子と踊れる5人の中に選ばれていた。そうだ、これ出逢いイベントだ!

ついに始まったゲームとこの先の不安に私は落ち着かない気持ちで見守った。

ゲーム内容は曖昧で邪魔することもできないし勇気がなくて確固たる信頼を築くこともできなかった。

結局ヒロイン次第で様子見、堂々と戦うこともしない私はリオン様に好きになってもらえるわけがないのだ。


 社交界は出会いの場。いろんな人脈づくりにもだが何と言っても恋をする場である。そこかしこで男女が視線を交わし合い甘い雰囲気である。

それを羨ましい気持で眺める。婚約者のいる私には縁がなく、婚約を破棄することになった後だって純粋には楽しめないだろう。

沢山の人に囲まれてるリオン様をつい恨みがましい気持ちで見つめてしまった。どうして私を婚約者に選んだの?


 私のゲームでの役割はリオン様の婚約者候補筆頭だったと思う。

だってヒロインとリオン様が結ばれる際祝福して身を引いてたもん!

きちんと婚約してたらそんなあっさり解消とか無理でしょ。貴族社会で婚約破棄とかその後私どうなるのよ。

候補のままだったらこんなに悩まなくて済んだかもしれないのに!

「!」


 向ける気持ちが強過ぎたのかこちらを見たリオン様と目が合って、睨んでいたのを知られてしまった。こちらに近づいてくる気配がする。

「サラ嬢?」


 私は顔を上げることができなかった。

「控え室に行って少し休みましょう」

「いいえ、今日はもう帰ります」


 相変わらず気遣ってくれるリオン様に居た堪れなくなってついに逃げてしまった。








 あれから1ヶ月経った。

週に一度あるリオン様とのお茶会は非常に気まずくてリオン様の悲しげな表情に良心は痛むばかり。

ヒロインが今誰と親しくなっているのか、リオン様に訊いてみる勇気も無くて、このゲームはどのくらいの期間をプレイするのかさえ覚えてない。

3ヶ月?一年?私はいつまでこの不安を抱えていなければいけないの?

一人そんな悶々とした日々を過ごしていたある日リオン様がヒロインのことを口にした。

「最近ユーリア嬢とよく会うのです」

「そう…ですか」


 なんとか声を出すことができたけどそう言うのがやっとだった。それってゲームのイベント?リオン様ルートに入ったってこと?

「可愛らしい方ですよ」


 そう言って微笑む様子に胸がざわついた。

リオン様がヒロインを想うのだったら私はゲームのように潔く身を引かなければならない。

だけどその後どうなるの?婚約破棄された私は誰かと結婚できるのだろうか。理由が理由だから大丈夫よね?傷物みたいな扱いにはならないわよね!?

リオン様以外と結婚……、他の攻略対象者なんてどうだろう。身分的に釣り合うだろうし、同じゲームの登場人物だから素敵な人のはず……

だからきっと大丈夫、リオン様じゃなくたって……

私は不安な気持ちを必死に宥めていた。



 お茶会でヒロインの話題が増えてきた。彼女は明るくて活発な性格のようだ。私は笑顔で相槌を打つ。

「っていうか婚約者に別の女性の話をするとかどうなの!?リオン様って案外無神経かも」


 家で愚痴をこぼすのが増えた。優しいと思ってたリオン様は男女の機微には鈍感なのかもしれない。ついついヒロインの話をしてしまうほど浮かれてる?

無意識とか勘弁してほしい。恋に気付くまでずっとヒロインの話を聞かされるのかもしれないと思うと憂鬱でお茶会を欠席しがちになってしまった。

さっさとくっついちゃってよ。







 王妃様のお茶会に呼ばれて久々に王宮へ行った。。王妃様はお優しくて今まで良くしてもらっていたのでそれももうすぐ終わると思うと寂しい気持ちで過ごした。

最近リオン様と疎遠になってたのを気にしてか王妃様に会って行くように言われてしまい、足が重いながらリオン様の執務室へ向かっていると話し声が聞こえてきた。

「それでは私はこれで!」

「危ない!」


 女性の慌てた声がしたと思ったらリオン様の鋭い声がして続いて何かが地面に落ちた音がした。

「大丈夫ですか?ユーリア嬢」


 あ、これってイベントじゃない?結構親密度が進んでないと起らないラストに向かうための重大イベント。

確か自分の気持ちを自覚して身分差に苦しみ身を引こうとしたヒロインが王太子の前から去ろうとしたが足がもつれて倒れそうになる、そこをヒーローがかっこよく助けるのだ。

そっと踏み出した先にはヒロインを庇うように倒れてるリオン様。やっぱり…

じゃあ、ヒロインは王太子ルートに進んでるってことで、リオン様はヒロインに恋をする…

足の力が抜けそうになって踏ん張ったらヒールがコツッと音を立てた。それに気づいて二人が振り返り、リオン様と目が合った。

「っ……」


 考えるより先に体が反応し、私はその場を走り去った。リオン様の呼ぶ声が聞こえた気がした。







「サラお嬢様」


 部屋の外から侍女の気遣う声が聞こえるが返事を返すことはできない。喉が詰まって声が出ないのだ。出るのは嗚咽ばかりで涙が止まらない。

胸が締め付けられるほど苦しくて、苦しくて苦しくて。

こんなはずじゃなかった。こんなことにならないようにしてきたはずだったのにリオン様を好きになっていたなんて……

こんなに痛くて辛いのに諦めなくちゃいけなくて。次々とこみ上げる感情を全部吐きだしたくて我慢せず泣いた。



 泣き疲れて眠ってしまったのか気が付けば朝になっていた。頭がぼうっとして目が熱を持っている、腫れてるかもしれない。

「水……」


 呟いた声は掠れていた。部屋に置いてある水差しからコップに注ぎ水を飲んでいると控えめのノックの音がして侍女が声を掛けてきた。

顔を洗いたかったので準備してもらうよう頼み、それまでの暇を持て余すように窓に目をやる。

なんていい天気、目に染みるわ。

案の定目が腫れてたみたいで侍女が懸命にケアしてくれた。




部屋での朝食を終えて食後のお茶を飲んでいたらリオン様から訪問したいという知らせが来た。まだ心の整理がついていなかった私は父にお断りして欲しいと侍女に伝えさせた。

ほどなくして父が部屋に来たがまだ顔が治っていなかったので扉は開けずに対応した。

「どういうことだ?よほどの理由がない限り断るのは失礼に当たるぞ」

「体調が良くないのです」

「朝食もそれが理由で部屋で取っていたな。そんなに悪いのならどうして医者に診せない?」

「診てもらうほどではないのです」

「医者に診せてもいないのに納得できるか」


 本当は見せたくなかったが仕方ないと覚悟を決めて扉を開けさせた。部屋に入ってきた父が私を見て息を呑んだのがわかった。酷い顔だって分かっててもそんな反応傷つく。

「このような顔では会えません」

「ああ、わかった」


 難しい顔をして父は部屋を出て行った。理由を問いただしたいのだろうが今は一刻も早くお断りの返事をしなければならないのだ。

この後父に明かさなければいけないと思うと自然に溜息が零れた。

「さすが誠実なリオン様」


 用件はきっと様子のおかしかった私への心配と……、謝罪だろう。自分の気持ちに気づいたら好きでもない相手との結婚なんてできないからきちんとけじめをつける人だ。

迅速な対応は確かに誠意の表れだろうけどこちらの気持ちも慮ってほしい。まだ受け入れる準備ができていないのに。




「一体何があったんだ」


 改めて訪ねてきた父にリオン様には他に想う方がいるから婚約解消を申し出されたら受けてくれるよう頼んだ。

私がどう思っているかなんて胸の内を一々口に出さなくても察してほしい。気持ちを口にしたらまた泣いてしまいそうだから。

「相手の令嬢は……、いや、いい」


 さすがに失恋した私に聞くことじゃないと思い直したのか父は一旦言葉を切り、少し考えてからわかったと答えて出て行った。







 次の日もリオン様から体調を気遣いつつ訪問したいから都合のいい日を教えて欲しいと手紙が来たが会う勇気が無くてまだ分からないと返事をした。目の腫れは治っていたが父は何も言わなかった。

どうせなら婚約解消したいと手紙で済ませてくれればいいのに、直接言うべきだと思ってるのだろう。彼らしい誠実さが今は憎かった。

無為に数日過ごしてさすがにこのままは良くないと観念して会う旨の手紙を出すことにした。

ゲームでサラが身を引いた時プレイしてた私は彼女の気高さに感動した。彼女を汚すようなことをしたくないし、私も彼女のようでありたい。

返事はすぐに来た。多くを語り合う必要は無い。彼の謝罪を受け入れ婚約解消の申し出に「はい」と応えればいいだけだ。

辛いけどその後さっさと退出してしまえばいい。恨み言を言わなくていいように。

支度を整えて馬車に乗り込んだ。




「やあ、サラ嬢久しぶりだね。体調のほうはもう大丈夫なの?」

「はい、お気遣いいただきありがとうございます」


 王太子の執務室の隣にある応接間で待っていると程なくしてリオン様が現れた。立って出迎えた私に座るよう促す。

「今お茶を用意させてるから寛いでいて」

「失礼します」


 堅苦しい態度にリオン様が困ったように笑うけど今までどおりに振舞うなんてそんな器用じゃないから許して欲しい。

すぐにお茶が運ばれてきて礼儀程度に口を付けた。リオン様も同じ思いだったのだろう。すぐにカップを下ろして私に顔を向けた。

「この間は変なところを見せて申し訳なかった」

「いえ、事故だったとはなんとなく分かりました。リオン様が気に病まれることではありません」

「そう?よかった」


 ほっとした様子に心がざわついて思わず顔に不愉快さが出てしまい、慌てて俯いたけど気づかれてしまった。

「サラ嬢?」

「お話はそれだけですか?」


 一刻も早く去りたくて自分から話を振る。

「用件はそれだけだけど……、折角久しぶりに会えたのだしもう少し話をしない?」

「どういう意味ですか?」


 リオン様の言っている意味が分からなかった。用件がそれだけ?もう少し話をしたい? 

「どういうって、婚約者と一緒の時間を過ごしたいって意味だよ?」


 リオン様の相変わらずの誠実な態度に愕然としてしまった。まさかまだヒロインへの恋心を自覚してないの!?まだ私はこの辛い状況でいなきゃいけないの?そんなのは耐えられなかった。

「お願いがあります」

「ん?何?」


 睨みつけると優しく微笑んでいたリオン様が目を見開いた。

「婚約を解消してください」

「どうして……」


 呆然と呟く様子に、気付いてくれない鈍感さにますます苛立ちが募る。

「貴方と結婚はできません」

「待って、サラ嬢。理由を教えて!」

「政略結婚だということは重々承知しています。それでも私は相手の方とは想い合いたいと想っているのです」

「なら……」

「貴方には他に好きな方がいるでしょう?だったらこの結婚は不幸になるだけです!」

「待ってサラ!好きな方って、それってユーリア嬢のこと?」

「そうです」

「誤解だよ!彼女とはなんでもない」

「まだ自覚してないだけです!貴方はヒ…、ユーリア様が好きなんです!!」

「勝手に決めないで!!」

「そっちこそさっさと認めなさいよ!!」

「えっ……」

「あ、……失礼しました」


 つい興奮して言葉遣いが崩れてしまい我に返った。勢い余って立ち上がっていたのでお互い気まずそうに座り直す。

「もう一度言うよ。私はユーリア嬢のことを好きじゃない」

「それはっ……、私がいるから遠慮して」


 どうして私がこんな自分を傷つけるようなこと言わなきゃいけないの?悔しくて言葉が詰まる。

握り締めた手を歩み寄ってきたリオン様が触れた。

「違うよ。私が好きなのは君だ」

「うそ!」

「うそじゃない。どうして信じてくれないの?」

「だって……」


 ここがゲームの世界で相手がヒロインで恋愛ルートのイベントを起こしたからなんて言えるわけない。

どうしてリオン様はヒロインへの気持ちを否定するの?

「毎回、よく会ってたみたいだし、……彼女の話を嬉しそうにしてたし」

「彼女がよく王宮に来てたからね。偶然だよ」


 ヒロインは貴方に逢いに来てたんじゃないんですか?

「信じられない?」


 不満な表情が出ていたのだろう。リオン様が私の手を握って額に当てる。

「お願い、サラ。私の気持ちを疑わないで」


 祈るような乞う姿に居心地が悪くて身じろぎしたらさらに手を強く握り締められた。まるで逃がさないと言うように。 

「顔を上げてください」


 一国の王子をひざまつかせている状況に耐え切れなくてやめてくれるよう頼んだ。

「信じてくれる?」


 リオン様の不安そうな顔に心が痛んだけれどそんな簡単に信じるなんて言えない。この世界がゲームと一緒でイベントが起こって……、こだわり過ぎてるのはわかってるけど不安が拭えない。

「貴方の気持ちなんて知らないもの。だって私たち政略結婚だから」

「そうだね、今まで私は君に気持ちを伝えたことはなかった。だけど私が君を選んだんだよ」

「え?」


 逸らしていた目を思わず向けるとリオン様が微笑んでいた。

「私も妻とは愛し合いたいと思ってる。だから相手に君を選んだんだ」

「っ……」


 胸がきゅっと締まって目頭が熱くなった。ああ、私ってなんて単純なんだろう。あんなに信じられないって言っておいて否定して否定して、なのにこんなに嬉しい。

ゲームとは違って私はリオン様の婚約者候補じゃなくて婚約者になっていた。それがなによりも確かな信じる勇気をくれる。

「ごめんなさい、リオン様」

「それはなんの謝罪?」

「う、疑って……」

「ふふ、ヤキモチ妬いてくれたんだよね。うれしいよ」


 笑って許してくれるなんて、なんて優しいんだろう。私にはもったいない人だ。

その後リオン様も誤解させたことを謝ってくれて私たちは仲直りした。








 

「何か付いていますか?」

「ん?」

「私の顔じっと見るから…」

「ふふ、可愛いなぁと思って」

「あ、ありがとうございます」


 あれからリオン様は二人きりの時は砕けた口調で話してくれる。身近に感じられるので嬉しいんだけど、やたら褒めてくるのが恥ずかしくて顔が赤くなって俯いてしまう。

それをいつも楽し気に見つめるリオン様って実は……

「サラ」


 あ、また。いつのまにか呼び捨てられるようになった私の名前にドキドキする。そっと顔を上げると本当に楽しそうな笑顔のリオン様と目が会った。

「戸惑ってる顔も可愛いけど、照れてる顔も可愛いよ。もっといろんな顔を見せてね」

「わざと!?」


 私の婚約者は誠実で物腰が柔らかい立派な王太子だけどちょっと意地悪な人。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ