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第72話 別れ


 お茶会も終わり数日たち、というかその数日色々な事があった。特に多かったのがパーティーやパーティーやパーティーなのだが・・・

 そして気に入らないのがどれもUSAとして出席してほしいと言うものだった。

 完全VIP待遇で迎えられるパーティーは高級ホテルを貸し切ったものや、宮殿のような屋敷。中には軍の施設や美術館を貸し切ったものまで招待された。はっきり言って気の休まる日など無かった。

 何が悲しくて男とダンスせにゃならんのか! 料理だけ食べてとっとと帰りたかった。


 そんな忙しい日々だったがようやく日本に帰国できることなった。


 「優、また来て頂戴ね。約束よ」と抱き着いて放さない祖母のサフィアさん。

 「ペルも一緒にイキたいデス」と右手を放さないペルちゃん。

 「アシュレもーアシュレもー」と左手を放さないアシュレちゃん。

 そして一番の問題児であるマリアンヌさんは後ろからポニーテールを掴みクンクンと匂いを嗅いでいる。完全に変態である。後ろにいるので表情が見れない・・・見たいとも思わないが・・・


 ここが一般開放された空港エリアでないことが本当に良かった。今僕らがいるのは空港のVIP専用の待合室なので他のお客さんはいない。他の利用客がいたら、美人四人に抱き着かれる僕はどう見られるのだろうか。

 ハーレム野郎クタバレ爆破しろ! なんて思われるのだろうか?

 それとも百合百合しく思われ・・・やめよう、虚しいだけだ・・・


 「ほらペルにアシュレ。優の迷惑になるそろそろ放しなさい。母さんもマリアンヌもだ」と助け船を出してくるレオンさん。本当に感謝である。


 「そうよ。ほらアシュレ、ペルいらっしゃい」とアンネさんは涙目の二人を抱きしめた。


 「優さえよければこっちで暮らさないか?」と祖父の清二さんこと老害が余計な事を言ってくる。

はっきり言ってこの旅一番迷惑したのがこの人だ。連日パーテイーに連れまわされた。はっきり言ってもうここには来たくないほどだ。


 「優ちゃんはもう日本で仕事してるの! 無理に引き留めるなクソジジイ!」と仁王立ちの母さん。いいぞもっとやれ!


 「ごめんね優。清二さんは寂しいだけなのよ」そう言いながら頭を撫でるサフィアさん。


 「そうじゃ! 寂しいだけなんじゃ!」と老害。自分で言うな! 少し湧いた罪悪感が一気に吹き飛んだぞ。


 「まぁいい。優! 今度の誕生日プレゼントは期待して待ってるんだぞ」と老害。あと数日で僕の誕生日なわけで、日本に帰っても面倒くさいパーティーの日々が・・・


 そう日々なのである。最低でも3回ほどパーティーがある。

 ひとつは母が大々的に開く僕の誕生パーティー。母と繋がりのある大人達が多く来るパーティーで、政治家や芸能関係者や母の傘下の企業家やらがわらわらと集まる。一番参加したくないパーティーのひとつでもある。


 ふたつ目は僕の七宝グループが主催するパーティー。これは僕の傘下の人達が持ち回りで幹事をしている。

 去年は船上パーティーなど開いてもらった。船酔いに弱い僕は初めから最後まで青い顔していたっけ・・・


 三つ目は僕の友達を集めた誕生日会。これは一番気が楽だ。いつも見知った仲のクラスメイトを呼ぶことになっている。

 先日あった優YOU会でもそのチケットがビンゴの景品になり、30名ほど招待することになっている。ハズレた人が泣きだしたので、お嬢に任せて逃げ出したのは内緒です。


 「ほら母さん、そろそろ時間だよ」

 「淋しくなるわ」と言いながら、ゆっくり僕から離れるサフィアさん。

 「マリアンヌもいい加減にしないか!」レオンさんに羽交い絞めされ、やっと後ろから聞こえるクンクンのBGMが治まった。




 丁寧に別れの挨拶をして機内に乗り込んだのだが・・・なんで二上院家の三人がファーストクラスに乗り込んでいる。

 貸し切りにしたはずなのに・・・


 「ダァーリーーーーン」と叫び走って来た綾香さんをメイド長が取り押さえアイアンクローしている。僕は何も見ていない。見ていない。


 「優さんごきげんよう。相席させていただき、ありがとうございます」と丁寧に頭を下げてくるお嬢とその父。


 「気にすることないわ。席は余ってるし、それよりも早くアニメ見ましょ!」と母さん。それに返事するメイドズ。


 これから起きる身内の醜態を思うと頭が痛くなる。また主題歌を大合唱するんだろうなぁ。そしてCAさんから助けてくれという視線にさらされて・・・


 二上院家の人達に引かれてもいいから、早く忘れてほしいと願い帰路につくのだった。




 やっとフランス編終了~

読んで頂きありがとうございます。

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