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第68話 拉致


 何やら騒ぐ声が聞こえる。そして僕の体は温かい何かに包まれて、石鹸とバラの香り・・・覚醒する意識。

 目を開いたが真っ黒な世界。そして顔に違和感がある。まるで水中眼鏡をしているような締め付けがあり、それを取ろうと手を伸ばすが動かない。正確に言うなら腕を後ろで縛られている・・・何この状況。


 僕は確かパーティーが終わってから秘書ちゃんに連れられてお礼の手紙を書いていたはず。日本語で書いたお礼の手紙を100通ぐらい書いて・・・寝落ちしたのか!でも今のこの状況は???

 ゆっくりと立ち上がると「キャァー」と部屋中に反響する悲鳴?何がどうなって・・・


 「優様大胆です!!!」

 「割れた腹筋だけでもセクシーなのに!?」

 「天国のお婆様、私は報われた人生を過ごしています」

 「体だけじゃなくこっちも大きくなったのねぇ~」


 聞こえてくる声に僕はゆっくり体の位置を戻した。そして一つの結論が出た。


 「何で僕は今風呂に拉致されてる!!! 母さん色々迷惑受けてきたが今のこれは酷すぎる!!! 何考えてるんだよ!!!」


 そう、僕は今お風呂に拉致されています。目隠しに手錠をされて・・・これはもう訴えて勝てるレベル!いや、勝てない方がおかしいだろう。

 母さんの奇行はいつもの事だがこれは酷すぎる。

 そしてメイドズにも裸を見られた・・・まぁ、モデルの時に色々見られてはいるが流石にパンツの中までは見られた事がない。きっと今の僕の顔はトマトよりも真っ赤だろう。


 「いいじゃない減るもんじゃないし、それにあなたの成長を確認するのも母の仕事よ! なんならその目隠しだって取ってあげるわよ?」

 状況だけでもやばいのに視覚に女性のあられもない姿が入ったらと思うと・・・落ち着け!落ち着け!特に僕の下半身落ち着け・・・ドウドウドウドウ・・・馬並みじゃないが落ち着け!


 「優様、考えている所申し訳ありませんが、できたらそのままでいて下さい」と右から秘書ちゃんの声。

 「優様・・・流石に見られるのは恥ずかしいです」と左からメイドちゃんの声。

なるほど、さっきから左の肘に当たる柔らかい物は・・・落ち着け! 落ち着け!


 「優ちゃんどうする? 取ろっか?」きっと悪い笑みなのだろう母さんの声が聞こえる。


 「いや、このままでいい・・・」


 そう答えながら今の状況をどうにか考える。

 まず第一に僕が全裸だと言う事。そして周りもきっと全裸である。さて、どうしたものか・・・

 みんなに目を閉じてもらって僕だけ出ていくと言う案がまず浮かぶ。だがこれは悪手だ。絶対みんな見つめてくるだろう。ガン見してくるメイドズがすぐに思い浮かぶ。


 次に考えられる案は僕以外の人に出て行ってもらう。これもおそらく無理だろう。どうせ脱衣所で息を潜めているに違いない。そもそもこっちの言う事を母さんが利かせないだろう。


 ダメだ、積んでる・・・いや、発想の転換だ!みんなが出て行く状況を作ればいい!

多くの女性がお風呂から一斉に出て行く状況? 覗きが出るとか? 何だろうどちらかと言うと、多くの女性が僕を覗いている状況に近いような・・・


 後は何だ? 火事とか? 考えてみて思うけど手を後ろで縛られて燃やすものもない湿度たっぷりの空間。どうやって火事が起こせるんだよ!


 他に策はないか。考えろ!


 女性が嫌がる事とかか・・・そうだ! セクハラだ! 横にいるメイドちゃんに飛びつくとか? うん、よく考えたら社会的に抹殺されてしまう。あとメイドちゃんは過去に男に襲わそうになったトラウマとかもあるし、できないよね・・・

 なら秘書ちゃんに飛びつく? それも無理だ。華奢に見える秘書ちゃんだが、僕の秘書になるために合気道を今でも習っている。以前ストーカーを瞬時に押さえ付けた実力もまじかで見た。僕が跳び掛かっても無駄に終わるだろう。


 ダメだ。発想を転換しても積んでる・・・いや、今すぐにどうにかしようとしたのが間違っているんだ。待てばいいのだ! みんなが出て行くまで待てばいい。何だ、簡単ではないか!


 「さて、そろそろ洗いましょうか」前言撤回!

 その言葉の後に悲鳴が聞こえた。もちろん黄色い悲鳴が・・・


 「優様を洗えるだと・・・」

 「こんなご褒美いいのかしら」

 「日本の居残り組に申し訳ないから動画撮っておく?」おい!

 「優様の体に触り放題グヒヒヒ」ヒェッイ!?

 「さあ、優ちゃん。久しぶりに母さんが髪洗ってあげるわ」ふざけんな!


 最悪の状況に変わりつつある。逃げるとか逃げないとかじゃないなもう・・・

 もう手段を択ばない!いや、選べないだな・・・


 僕は考えながら背中と後頭部で現在の位置を確認している。そう! 僕の後ろが壁ってことだ!

 目が見えなく遠近感が分からないが、僕は振り向き思い切り壁に頭を打ち付けた。



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