第589話 みんなで作った雪だるま
休憩を終え喫茶店を出ると雪だるまや雪うさぎを作っている子供たちの姿があり、ワンコが走り出し一華ちゃんもそれに続きます。が、十歩ほど走り出した所でスキーブーツが走り難いし歩きにくいので諦めたのか、こちらに戻ってきます。
「うう、みんなと遊びたかったのに……」
「スキーも楽しいけど雪遊びも楽しそうだよね……」
確かにスキーも楽しいですが子供たちと一緒に雪遊びもきっと楽しいはず。
「それでしたらブーツをレンタルなさいますか?」
メイドさんのひとりが提案し、喫茶店の横にあるレンタル屋さんを指差します。ブーツはもちろんの事、コートや手袋などの防寒着や、ソリや浮輪の様なソリや三輪車の様なソリなどのレンタルも多く見えスキー以外のレジャーが楽しめる様です。
「借りたい!」
「この靴だと上手く歩けないから借りたいね」
ワンコと一華ちゃんは完全に雪遊びを選んだようです。
みんなでレンタル屋さんへ行きブーツを借りるとワンコが走り出し一華ちゃんが続きます。
「私たちも遊びに行くデース!」
「デース!」
クリスさんとウィレオくんが走り出しそれを追いかけるメイドさん方。こうなると僕たちも行くべきでしょう。
ただ、少しだけ悲しそうな顔をするレオネーネさん。スキーを教えたいのだろうけどここはひとつ一緒に遊びましょう。
レオネーネさんに手を差し出しながら「一緒に行きましょう」と声をかけると、悲しそうだった顔が頬笑みに変わり手を握り返してくれみんなの元に向かいます。
「滑るから気をつけて下さいね」
レオネーネさんはわかっていると思いますが、手を繋いで転ぶと共倒れなので一応の注意です。
遊んでいた子供たちと親御さんたちはラビットテールの社員と御家族だった様で、すぐに仲良くなるワンコと一華ちゃん。
「おっきな雪だるまを作ろう!」
「おおおおおお」
ワンコがリーダーなのか大きな雪だるまを作ると決めた様で、一致団結の叫びを上げて動き出す子供たち。
親たちも子供を手伝い、雪玉を転がします。
僕とレオネーネさんも雪玉を押しますが以前の様なメイドズが馬鹿でかい雪玉を作る様な事はなく、腰ほどの大きさの雪だるまを集めて合体させて大きな雪だるまを作ります。
五個ほど集まったら子供たちがまわりの凹みに雪を詰めて行き、大人たちは真中のに雪を入れ大きな雪だるまの体が出来上がりました。
この頃になると汗をかき湯気を上げる子供も出始めています。
「お~い、頭が出来たけどどうやって乗せるのかな?」
レオーラさんとレオネーネさんにクリスさんがこちらへ頭を押してきます。サイズも丁度よさそうですが一抱えもある雪玉の総重量は百キロを軽く越えているので、メイドズでもいない限り持ち上げるのは難しそうです。
「こんな時にメイドズがいれば……」
そう呟く自分がいます。普段から傍にいるメイドズは今頃頂上へ着いてトレーニングをしている事でしょう。
親御さんたちで力を合わせて持ち上げるしかないかと思っていると、颯爽と滑って来たゲレンデをゲレンデで発見です。
「ゲレンデ! 助けて~」
大きな声で叫ぶと素早く現れる美佐さん。
「どうした!? 大丈夫なのか! 怪我かっ!」
物凄く必死で申し訳なくなりますが、手伝って下さい。
遅れてやって来たゲレンデにも雪だるまの事を伝えると「任せろ」と頼もしい一言で返してくれました。
ゲレンデと美佐さんで雪玉を軽々と持ち上げ胴体の上にドッキングです。
「クマさん偉いデース!」
そう叫びながらゲレンデに抱きつくウィレオくん。ゲレンデは頭を掻きながら照れています。
みんなで雪だるまにバケツを被せ、目には主婦の一人が何故か持っていたミカンを入れ、鼻と口はチョコの包装紙を使い、手は拾った棒を二本刺して完成です。
ワンコが「完成!」と叫び、子供たちがそれに続いて雄叫びを上げ盛り上がりました。
「記念写真を取りましょう!」
そんな声が上がりましたが、喫茶店の店員さんが言うのは違う気がしますが、みんなで集まり撮影です。
「こんなに立派な雪だるまは久しぶりに見ましたよ~」
店員さんの言葉にドヤ顔するとワンコと子供たち。一華ちゃんは控えめに頬笑みシャッターがおります。
そこからは御家族とも写真を撮りながら、あれ? これは行きの電車とホテルでしたのにと思いましたが、みんな笑顔の中でそんな事を言い出せず家族ごとの写真に笑顔でサービスです。
「いや~USA姫さまと、また写真が取れるなんて思いませんでした~」
しれっと一緒にフレームに納まる店員さんに思う所はありますが、楽しい雪遊びだったので笑顔です。
笑顔ですが、ゲレンデを猛スピードで転がってくる雪玉が……
アニメの様な登場をするメイドズにプチパニックなりますが、店員さんが直ぐさま避難誘導をして怪我人はゼロの模様……
雪玉のまま立ち上がり気合ひとつで自身についた雪を吹き飛ばし現れたメイド長に、みんなポカン顔です。
「そろそろお昼の時間ですので、みなさん参りましょう」
それをいう為に降りて来たのでしょうか?
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