第57話 装甲魔砲少女カ 火乃葉ちゃん
僕は今、中々クレイジーな状況の中にいます。
フランス行きの国際線でファーストクラス15席を貸し切り、母とメイドズと秘書ちゃんとメイドちゃんの合計9人が、装甲魔砲少女力火乃葉ちゃんのOP曲を大合唱しているのだ。
CAの皆さんの目が唯一歌ってない僕に助けてと言っているようで辛いです。
個室型の座席はさながら漫画喫茶の個室のようでとても快適。TV画面には装甲魔砲少女カ火乃葉ちゃんが離陸からずっと垂れ流されているが・・・
第10話 火竜退治だよ 火乃葉ちゃん
大合唱も終わり本編が始まった。
悪い魔法使いの家族と戦う未来型魔法少女。そんな設定だと思う。
火乃葉ちゃんは魔法中学2年生。あどけなさが残る顔立ちに羽の付いたステッキを持ちセーラー服。靴にも羽が付いていて、毎朝「ち~こ~く~ち~こ~く~」と叫びながら空を飛び魔法学校へ通う。
それを微笑ましく見送る魔法都市の住民たち。
場面は切り替わり、悪い魔法使いの母親が機械で作られた首輪の説明を娘にしている。その首輪で意識を乗っ取り、魔法都市を襲う計画らしい。悪い笑みで笑う二人と奥で心配顔のお父さん。どの家もお父さんの立場は・・・
「王女様大変です!!」そう叫びながら入って来るメイド。火竜が魔法都市の近くまで来ていると報告を受け、「火乃葉ちゃんに出撃依頼を出しなさい」と叫ぶ。
以前の話でゴーレム兵器にほぼ壊滅状態の魔法国軍。そこに登場した火乃葉ちゃんが魔法で落とし穴を作って退治したのだ。それから頼られているらしい。
授業中に校内放送で避難指示と火乃葉ちゃんへ火竜が向かっている事、それを迎撃する指示を伝わる。
「悪い火竜さんはお仕置きなの!」こぶしを握り締める。
「気を付けてね」
「無理するなよ~」
「今日は白か」
「おみあげは鱗で」
教室から飛び去る火乃葉ちゃんに声援を送るクラスメイト達。
都市は大きな塀に覆われた要塞都市。そこから顔だけ出す火竜。これでサイズが伝わるだろうか。
そんな火竜の尻尾の一撃で空間に亀裂が入る。塀には魔法的な防御膜が張られているのだろう。何度か攻撃しているが亀裂はすぐに修復される。
場所が変わって悪い魔法使いの一家。
火竜の着ぐるみを着て肩で息をする父と「攻撃を続けなさい」と声を上げる母。娘はモニターを見つめ火乃葉ちゃんの登場を待っているようだった。
「ふっんぬ!」体を回転させ着ぐるみの尻尾が舞う。
モニターでは同じく火竜の尻尾が舞っている。どうやら着ぐるみの父の動きをトレースして火竜が動く仕組みらしい。肩で息をし、頑張る父を応援したくなってしまう。
場面が切り替わり火乃葉ちゃんの変身シーン。
「まじかる~せーーーーーーーっと!」
大切な部分は炎で見えなくなり、肩、胸、腕、腰、脛などに金属のパーツがあり、その下には赤いワンピース。手には羽の付いた身長よりも少し長い機械的な杖。お約束の変身シーンが完了し火竜と対峙する。
「ふれいむぅ~~~~~しゅーーーーーと!」
杖からこぶしサイズの炎の弾丸が複数飛ばされ火竜を襲う。が、デカイ火竜には効果が無いらしく特に気にも留めていないようである。
「火乃葉ちゃん、火竜に炎は効かないわ。他の方法にしなきゃ都市を守れないわよ」
城のメイドからの助言が通信で届く。
火竜の咆哮があがり火炎放射なブレスが火乃葉ちゃんを襲う。それを飛び回り避けるが塀の魔法的な防御膜に衝撃をもたらす。
ビキビキ防御膜から音が鳴り都市を覆っていた防御膜的なものは砕け散った。
「火乃葉ちゃん、こちらから支援魔法をかけるわ。王女様直々になさるそうよ。がんばってね!」
お城からの通信に「わかったの」と答えダメ元の火炎砲撃を打ち込む。もちろん効果はないが、火竜の顔面を狙った砲撃は牽制には十分だったらしく、両手で顔を押さえ体をひねってその砲撃をかわした。
「支援魔法行くわ!」
その通信が聞こえると共に輝きだす火乃葉ちゃん。光が大きくなり火竜と同等のサイズまで大きく育った火乃葉ちゃん。
「さぁ! お仕置きはこれからなの!」
そう叫び目がくらんでいる火竜にドロップキック。視力が回復していない火竜はもろにその一撃を受け塀まで吹き飛ばされる。
立ち上がろうとするドラゴンにカカト落とし。ダウンする火竜の頭を掴みフロントチョークから後ろへ投げ飛ばす。
「まじかる~栓抜き!」
手に持っていた機械的な杖は栓抜きへと変わり、それで火竜の眉間へと殴りつける。
「まじかる~一斗缶」
栓抜きから一斗缶へ変わり、それで殴りつける。
「まじかる~パイプ椅子」
一斗缶からパイプ椅子に変わり、それで殴りつける。座る部分が吹き飛び火竜の首に骨組みだけ残った。
「まじかる~チェーン」
骨組みだけのパイプ椅子がチェーンへと変わり、グイグイ首を絞めてゆく。
昭和の悪役レスラーかよ!
完全にグッタリした火竜を立ち上がらせ背後から抱き着き最後の技へ。
「まじかる~ジャーマンスープレックス」そこはまじかるいらないだろ!
首の長い生物が災いしてか、頭部への勢いは加速され塀の頂上から地面へと塀を崩しながら後頭部をぶつけるのだった。
完全に白目になった火竜を見下ろす火乃葉ちゃんへ通信が入る。
「首輪を破壊してください。おそらくそれで火竜を操っています」
「了解なの~まじかる~チェーンソー」
大量の火花を上げながら機械的な首輪が切断されていく。火竜だし火に耐性あるし大丈夫だよね・・・
「おわったの~ぶい!」
新しい入口のできた塀からお城へピースサイン。満面の笑みが可愛らしい。地味に尻尾の先を踏んでいるのは脚本家の悪ふざけだろうか?
所変わって悪い魔法使いの家。
ボロ雑巾のように横たわる父・・・
「ダメージが返る様にしたのは失敗だったかしら・・・」母
「おのれ火乃葉め! 次こそギャフンと言わして見せるぞ!」娘
エンディング曲と共に合唱する身内たち・・・
次回予告 大きな火乃葉ちゃん!?
戻れないのかよ!
もうアイマスクと耳栓借りて、着くまで寝ようと決意する僕なのでした。
夏休み編開始です。
読んで頂きありがとうございます。




