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第532話 特殊用語は難しいです



 ハマグリを使ったラーメンにシンプルな醤油ラーメンと濃厚味噌ラーメンを食べてお腹がいっぱいです。


 ハーフサイズでも三杯は食べ過ぎたかもしれません。


「お腹がいっぱいだってばよ」


 ジャドさん一家もどんぶりを積み上げて、満足気な表情でお腹を摩っています。


「トマトラーメンにはやっぱりライスを入れたくなっちゃうね」


「シャキシャキが美味しかったデース」


 そこはモヤシだと思います。


「味噌ラーメンはハズレがないですね」


「味噌バタコーンは最強ですね」


 ペルちゃんたちもラーメンを堪能できたようで、幸せそうな顔をしています。


「さて、食べ終わったら場所を開けましょ。休日出勤の社員たちやメイドズもお腹が空いているわ」


 珍しくまともな事を言っている母さんに驚きますが、チャーシュー丼を食べたドンブリが二十杯近くある事に一番驚きます。


 一人フードファイトだったのでしょうか?




 僕たちはぞろぞろと移動し、エレベーターで控室まで戻ってきました。


「憧れの屋台のラーメンが食べられて嬉しかったです」


「フランスには屋台のラーメンはないし、ラーメン屋も少ないからね」


「貸し切りをお願いするのも気が引けるから、今日は本当に嬉しかったわ」


「美味かったってばよ」


 リリアナちゃん一家は大変満足してもらったようで良かったです。


 ただ、みなさん食べ過ぎた様でソファーに座ってお腹を摩り、もう消化するまで動かない体勢です。


「ハーフだからと調子に乗っちゃいました」


「アシュレも三杯も食べてしまいお腹がいっぱいです」


「その前にパンケーキも食べたからね。少し食べ過ぎかもしれないね」


「武士は食わねど高楊枝デース」


 ペルちゃんとアシュレちゃんも食べ過ぎで、レオーラさんもトマトラーメンにライスを入れていましたね。


 クリスさんは忍者ですから……


 みなさんダウンとは言いませんが、それなりに動くのが億劫になっているのかソファーに背を預け他愛のない話をし始めています。


 僕も会話に入ってもと思うのですが、やはりラーメンの後は喉が渇くのでお茶でも淹れましょう。


 控室に用意されているケトルでお湯を沸かし簡単に作れる粉タイプの緑茶を入れていると、何やら会話が聞こえてきます。


「壁ドンに、顎クイに、肩ズンに、やってほしいポーズはいっぱいありますわ!」


 ジャドさんがテンションを上げて叫んでいますが、壁ドンは解りますが、顎クイと肩ズンとは何でしょうか?


 壁ドンはマンションなどで隣の部屋からする騒がしい音へ向け壁をドンとする威嚇行為なはずですから、顎クイも威嚇行為? 

 顎をクイと出して眼つきを鋭くすれば般若のような怖い顔になるとかでしょうか? 

 そうなると、肩ズンは肩にズンと響く一撃……モンゴリアンチョップ?


 さっぱり解らないのでスマホを……テーブルに置いてきた事を思い出しました。


「それなら午後の撮影はダークネスUSAにして欲しいポーズを取ってもらいましょうか」


「わ~い!」

「やった!」

「これは悩みますが、やはり私と一緒にするよりもKUROUSA君に変わってもらい、抱き合った写真を後世に残す方が文化として……」

「バックハグとかでもいいのかな?」

「肩車も楽しそう!」

「あわわわわ」

「フルCGで対決したいデース!」


 リリアナちゃんとペルちゃんは素直に喜び、アシュレちゃんは後世に残したいらしく、レオーラさんはバックドロップで、MINIUSAは肩車に、KUROUSAはあわあわしてて、クリスさんはフルCGなので僕には関係ないと……


 なんだろう。疲れる未来しか見えない……


「それなら日本の観光とかはどうかな? 富士山や東京タワーにお寺とか、日本らしい所とかどうかな?」


 緑茶を配りながら話題を変えようと頑張ります。この近くにもお寺や神社はありますし、新幹線を使えば東京だってあっという間です。


「それはまた別の機会に……」


 リリアナちゃんから苦笑いを頂きました。


「折角USA姫を玩具にできるのに、観光に行く案が通る訳ないじゃない」


 母さんの言葉に僕が玩具である事を確認しました。


 玩具って……


「玩具ではありません! 思い出です! 一生の思い出が掛かっているのです!」


 拳を作り力説するジャドさんに、引いてしまう自分がいます。


「あの、私と一緒の写真撮影は嫌ですか?」


 リリアナちゃんが悲しそうな顔で発した言葉に、僕は首を横に振るしか選択肢がありません。


「よかった、よかったです」


 半泣きのリリアナちゃんに申し訳なくなる自分がいます。


 リリアナちゃんからしたらUSA姫に初めて会え、もうすぐフランスへ帰る事を考えれば一生の思い出という言葉で間違いないですよね。


「ペルはお姫様だっこがいいです!」

「はいはい! 私は肩車がいい!」

「わ、私はKUROUSAくんを顎クイするダークネスUSA男爵が見たいです!」

「リリは膝枕して耳かきして欲しいです!」

「あわわわわわ」


 好き放題リクエストの話が上がっていますが、これは午前中にやりませんでしたっけ?




 お読み頂きありがとうございます。

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