表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
499/595

第499話 中継終わって



 中継も終わり……疲れました……


 そして、スタジオとネットが大荒れです……


 バックダンサーのお仕事もミスなく終わり、何とかついていけたと思います。


 最後にバックダンサーが三人で寄り添って手を振ってお別れをしたのですが、司会者のアナウンサーさんが固まり放送事故とまではいいませんが、固まったまま中継が戻り軽く進行が混乱していました。


 すぐにCMに入り、CM明けに謝罪するという事態になり申し訳なく思います。


 あれ? 僕も魔法少女重音ちゃんの製作に関係している気がして……謝罪しなくてよかったのかな?


「最高の中継でした! これより打ち上げを開始します! うさぎ帝国ホテルから差し入れが大量に届いておりますので、好きに食べて飲んで下さい~」


 メイドズ監督から声が飛びますが、僕としてはシャワーで汗を流してお昼寝でして休憩したいのです。


 謝罪については芸能事務所黒兎の方でして頂きましょう。


「体が冷えてしまいますので、背中にお掛けしますね」


 メイド長からベンチコートを掛けられ椅子に座ると足がプルプルです。


 同じ様に両脇に座ったMINIUSAとKUROUSAもお疲れの様で僕に寄り掛かります。


 そんな中テンションを上げて僕の膝の上によじ登る向日葵ちゃん。


 ペルちゃんとアシュレちゃんも合流し、幼女の塊が完成します。


 ちなみにベンチの後ろにはレオーラさんとお譲が後ろでビョンビョンしており、もうそれで会話している気さえします。


「三人そろったダンスすおい!」


「とてもカッコ良かったです!」


「キレのある動きが素敵でしたし、三人揃ったポーズや笑顔が素敵過ぎました! 他にも重音ちゃんが飛び跳ねるシーンも可愛かったです!」


 向日葵ちゃんの軽く噛んだ言葉に癒され、ペルちゃんのシンプルな褒め言葉に癒され、頬を染めて口早に称賛し解説してくれるアシュレちゃんは少し落ち着いて下さい。


「お飲物は如何ですか?」


 ドリンクバーを背中に担いだメイドズが目の前に現れたのですが……


 野球場などでビールを背負って販売する女性がいるのは知っていましたが、ドリンクバーを背負っているメイドズは初めて見ますね……


「スポーツドリンクを下さい」


 とりあえず一杯いただき喉の渇きを癒しましょう。


 僕の代わりにドリンクを受け取ってくれた向日葵ちゃんが「あ~ん」といってきたのには驚きよりもアクシデントに繋がるかと恐怖しましたが、ドリンクバーメイドズからストローを受け取ったアシュレちゃんに感謝です。


 感謝ですが、ストロー支えなくても大丈夫ですよ?


 コップを向日葵ちゃんが持ち、ストローをアシュレちゃんが支え、僕が口を近づけ、ペルちゃんが応援してきます。


「みんな頑張れ~」


 スポーツドリンクを飲むのを応援されたのは初めてです。


 ひと口飲み終わると両脇から寝息が聞こえます。


 ダンス後で汗だくな事もありお風呂に入れてから寝てもらいたいと思う僕は、ニコニコしながら写真を撮っている御両親よりも親ってるかもしれませんね。


「私がMINIUSAさまをお風呂に入れて寝かしつけてきます」


「私はショ………KUROUSAさまをお風呂に入れて寝かしつけてきます」


 少し心配ですが、後に御両親が続いて行ったので大丈夫でしょう。


 僕も肌寒くなってきたのでシャワーを浴びたいのですが、向日葵ちゃんは素直に下りてくれるのでしょうか?


「ほら、向日葵の好きなイチゴ大福よ~」


 椿叔母さんが察してくれたのか向日葵ちゃんの好物である和菓子を持っておいでと手招きしており、その横には旦那さんの顔が怖い若旦那が同じ様に芋ようかんを持ち手招きです。


 僕の膝の上で体を軽く揺らし、USAか和菓子を迷っている向日葵ちゃん。


「こっちにはクリームどら焼きもあるぞい」


 向日葵ちゃんの祖父まで登場し、持っていたスポーツドリンクを僕に渡して下りてくれました。


「おいし~」


 お爺ちゃんにあ~んされた向日葵ちゃんの笑顔に精神は癒されたので、次は体を癒されるべくお風呂へ直行しようと立ち上がると、悲しそうな顔でステージに立つ魔法少女と目が合いました。


「一緒に歌えると思ったのになぁ……」


 そんな表情をしないで下さい……


 こんな時に役に立つのはメイドズなのですが、魔法少女の後ろに楽器をセットしておりチューニングして演奏に回る様です。


 レオーラさんに助けての視線を送ると、お譲と一緒に絡み合いもがいている姿が……


 縦ロールなのにビョンビョンして近づくから……はぁ……


 ステージへ向かい足を進めると、魔法少女の後ろから飛び上がって登場する真っ赤なドレス姿のマイクを持った母さんの姿が……


 何この落とし穴と真逆の発想のドッキリは……


「USAは汗を流してきなさい!」


 マイクを使い叫ぶ母さんに騙されましたが、騙されたというよりもお風呂に行ける喜びの方が高く感じ、会釈してホテルの中へ向かいます。


 後ろから聞こえる母さんと魔法少女の歌声に、この二人で中継されたらよかったのにと思うのは、僕だけじゃないと思うのですが……


 中継お疲れ様でした。



 お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ