表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
497/595

第497話 リハーサル



 ワンコの弟くんも現れた事だし、みんなでお茶でもと思っているとバルコニーからノックの音が響き、笑顔が引きつった魔法少女の姿が見えます。


 みんなで駆け寄るとメイド長が窓を開けてくれ、ひんやりとした空気が入ります。


「そ、そろそろろろろ、練習を始めましょう」


 若干浮いている魔法少女重音ちゃんは背中にフックが付いており、そこを丈夫なワイヤーで結ばれ、奥にはクレーン車が見えますが……


「リアル魔法少女デース!」

「デース!」

「デース!」


 フェイク忍者の言葉にウィレオくんとアニーちゃんが大興奮で両手を上げ喜んでいますが、ワイヤー一本で二階のバルコニーまで上げられた重音ちゃんの顔は青く、高所恐怖症なのかもしれません。


「し、下で待っていますかららららららら~」


 話の途中ですがクレーン車の意思で空高く去って行く魔法少女。


 テンション高く手を振る忍者トリオ。


 はじまる前からカオスです……





 みんなで外へと移動すると新たなセットが組まれた中庭が見えます。


 近づくにつれその全貌が明らかになり、多くの風船が飾り付けられリボンなどで装飾したファンタジーな世界観が目に飛び込んできます。


「カワイイです!」


「アイドルになったみたいですね!」


 ペルちゃんとアシュレちゃんもファンタジーな世界観にテンションが上がっているようで、強化プラスティックの足場に乗りキャッキャしています。


「お待ちしていました! 今日は宜しくお願いします!」


 元気に挨拶をする釣られた魔法少女重音ちゃんにみんなで挨拶をしますが、高くないですか?


 まだ五階建てのビルぐらいの高さに宙づりにされているのですが……


 みんなで重音ちゃんを見上げているとクレーン車が空気を呼んだのか、ゆっくりと降下してきます。


「下から見ているのにパンチラしてないね」


 MINIUSAの発言にハッとしますが、確かにパンチラしていません。


 スカートの中はヒラヒラが多くカーネーションのような作りになっているのが見え、そこか足が生えて見えます。


 パンチラ防止スカートなのですね。


「お待たせしました! 宙吊りのリハーサルついでに呼びに行ったのですが、怖かったです……」


 半泣きの重音ちゃんですが、そこはプロ根性で涙を流して化粧を落とす様な事はしないのでしょう。


「それではUSA姫さまとMINIUSAちゃんにKUROUSAくんを加えた三人でリハーサルをして本番に備えましょう!」


 魔法少女の言葉に片手を上げて頑張る姿勢を見せるMINIUSAとKUROUSA。


 ペルちゃんとアシュレちゃんや忍者たちは見学のようです。


 向日葵ちゃんやレオーラさんたちは本番のカメラワークから外れた場所で見学席が設けられ、そこへ行き保護者達と固まって温かい飲み物が振る舞われています。


 正直僕もあちらでお茶しながら見学がいいのですが……


「四人はステージに上がって下さい。USA姫さまが中央で右にMINIUSA、左にKUROUSA! 魔法少女は後ろ!」


 指示が可笑しいですね……


「あの~重音ちゃんがメインで真中の前ですよね?」


 メガホンを持つ監督メイドズに指示が間違っている事を伝えると頭を傾げます。


 僕が頭を傾げたくなるのですが……


「まあ、気にしないで一曲踊ってみましょうか! よーい、アクション!」


 大きなスピーカーから魔法少女重音ちゃんのエンド曲が流れ、リハーサルという名の練習が始まりました。


 みんなで踊れる曲というコンセプトで作られた曲でテンポが一定で踊り易いのですが、僕には難度が高く感じます。

 動画を見て軽く踊る練習をして心算でしたが中々難しく覚え切れていない所もあり、見るも無残な一曲目が終わります。


「Aメロの所はこうやって、もっと手を大きく!」


「その後はくるっと回ってこうです!」


「手や足はピタッと止めて動かすと緩急が生まれ躍動感が出ます!」


 三人からの熱の入ったアドバイスが心に沁みるというか……情けないですね……


 もっと練習をしておけば良かったです。


「USA姫さまはこちらにお尻を向けて三人を見ながら一曲通して踊ってみましょう!」


 監督メイドズの言葉に従い三人を見ながら踊る事に……


 これは無理です……


 恥ずかしすぎます……


 考えても見て下さい。このステージはホテルの前の庭園にステージを作り踊っているのです。

ホテルには多くのラビットテールの社員たちがこちらを見ており、その人たちとたまに目が合い……


 顔色の悪い臼ちゃん先生や二組の担任に、ゲレンデや美佐さんたちや、ワンコの弟やその家族に、一華ちゃんの祖父や御両親まで……


 かなり距離がありますが、目を合わせると顔を染めたりするのです……


 しかも、僕の下手なダンス付きで……


 羞恥心に殺されるかもしれません……


 そうか! 近くを見よう!


 一生懸命踊る魔法少女や、キレッキレのMINIUSAに、真顔で頑張るKUROUSAに視界を搾って……


 恥ずかしいねっ!!


 どっちみち恥ずかしいね!


 早く曲をマスターして本番を迎えなくては魔法少女の企画に参加した人たちに迷惑が掛かるので、集中して頑張ろうと思います……




 お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ