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第44話 デビュー

 午後の授業中はクレーム対策を考えながら黒板の内容をノートへ書き写していく。

 それにしても母からわんこを連れて来いと言うのも気になる事ではあるのだが・・・母の暴走を止める手段も考えないといけないか。


 最近悩んでばっかりな気がする。


 帰りのHRも終わり、わんこを誘ったら即OKをいただけた。


 「また兎月の家行くのかよ。俺も行きたい!」普通よ、これ以上女装化が進むのは僕が反対だ。

 「私も行きたいわ!」二上院さんはテニス部があるでしょうが。


 「ごめん、今日は母さんからわんこだけって、理由は聞いてないけど何かあるみたいでさ。次何かで埋め合わせするよ」


 何とか二人を宥めた。その横でずっと笑顔のわんこ。

 二人で秘書ちゃんの車に乗りラビット本社を目指す。その車中、僕はある原稿をノートPCに仕上げるのだった。


 「「「「「いらっしゃいませ優さま河本さま」」」」」


 メイドズの挨拶を受けながら走って来る母。早くも捕まえてわんこに頬ずりしている。わんこも笑顔なので別にいいのかな? 微笑ましい親子にしか見えないものね。


 「優ちゃんよくやったわ! さぁ着替えに行きましょ!」わんこを抱きしめ撮影室へと行ってしまった。


 僕は茶川さんにメールでクレーム対策になるだろう案を送った。すぐに電話に返信が着て茶川さんは鼻息荒く「ありがとうございます」を連呼していた。


 さて、僕もお仕事しましょうか。

 メイドちゃんに撮影室の様子を見てこさせて、わんこの着換えが終わっていることを確認。(ラッキースケベは困るもの)僕も撮影室へと入った。


 「あら優ちゃんこっちは準備OKよ」


 その言葉通りに準備のできたわんこがいるのだが・・・


 わんこは白のワンピースに赤いサンダル。化粧もばっちりされていた。

 目には赤いカラーコンタクトと目じりに泣き黒子が、頭には白いウイッグが二本・・・何このミニUSA装備。まさかわんこをモデルデビューさせるつもりなのか?


 「母さん・・・これは?」


 「いいでしょ。MINIUSAよ!」MINIUSAじゃねーよ!


 「あのね、今日はUSAさんと一緒に撮影するんだって」わんこよ、いい笑顔を向けてきやがって。そうじゃない! どうすんだよ!


 「ほら、優ちゃんも早くUSAになりなさい!」あっさりばらした~~~~~~。


 「ちょっ、母さん!」


 「いいじゃないUSAにMINIUSA。確実に人気が倍ね! それに子供服の方のモデルもさせるし、親御さんの許可も得ているもの」


 手回しがいいと言うか、手が早いと言うかこの人は・・・


 「兎月くんは本当にUSA姫なの?」と信じられないご様子。


 「はぁ~まあ見てて」それだけ言って黒コンタクトを外す。


 「この目を見れば信じれるでしょ」


 僕の青い目を見てコクコクうなずくわんこ。


 「ほら早く着替えてきなさい。今日は二人共ペアの衣装よ」


 確かに同じ白のワンピース。サンダルだけはブルーの厚底だ。それに着替えさせられ小物の麦わら帽子を持たせられ撮影スタート。


 「うわ~MINIUSAロリ可愛い」

 「天使と女神の競演」

 「ここはもう天国」

 「この姉妹ずっと眺めていたい」


 相変わらずのメイドズであるが、わんこが可愛いのは共感できるな。自然と頭を撫でてしまう。


 「何あの表情!」

 「天使の笑顔だわ!」

 「何これ反則! こんなのどれだけ撮っても選べないわよ!」

 「ふふふ狙い通りね」


 母さんのしたり顔に少しイラつくが、わんこが可愛いのでよしとするか。


 撮影も順調に進んだ。

 編集者へ今日の撮影分をメールで送るとすぐに着信があり、わんこの事を聞かれたが小学三年生とだけ説明していた。


 わんこもそれでいいのかよ・・・


 「すぐに人気が出るだろう」と言う編集者サイドの声に、母から「来月号に載せなさい」と無理を言っていた。もちろん返答はYESでしたが・・・


 これは作戦変更して、わんこにも手伝ってもらおう。



 18時にもう一本。


  ブックマークありがとうございます。

 少しづつ増えて行く数字に感動しています。

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