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第39話 テストと全力

 試験前日。クラスに入るとわんこや普通がクラスメイトから質問攻め。どうやらみんな僕の家が気になるようだ。


 「おはよう」と挨拶よりも家の広さやメイドちゃんの事、掛け軸の事など聞かれた。それらに答えていると、やっと救いの神が現れみんな自分の席へ戻っていく。


 「はーい、みんなおはよう! 明日はテストよ。気合い入れていきなさい! それと兎月くん。絶対全力でテスト受けなさいよ! あなたの頑張りで平均点を1点でも上げなさいよ! いいわね!」


 もちろん全力でいきますとも!


 「はい」と返事をしたら担任ちゃんは笑顔を返してくれた。



 そして放課後。同じメンバーで僕の家へ。車中は昨日と同じで寝ているわんこが愛らしい。ただ普通が少しテンション控えめだったのが気になる所である。


 「「「「「おかえりなさいませ」」」」」


 あれ? メイドが増えてる・・・その奥から母が悪い笑みを浮かべていた。


 「みんなおかえり。さぁ着替えるわよ! 早く来なさい!」


 どうしてこうなった!


 僕は部屋着に着替えてメイドちゃんを呼び何人メイドズがいるか聞くと8人と答えてくれた。大人数の夕食を準備する人の事も考えて呼んできてほしいものだ。

 全部で15人分か。


 冷蔵庫の中身と相談しながら「着替えが終わりました」と報告してくれたメイドちゃんにお礼を言って和室に入る。


 眩暈がした。


 なんでみんなドレスなんだよ! 僕だけジャージで来て場違いみたいじゃないか!


 わんこは黒と白のコントラストがあるドレスに猫耳と尻尾が付いていた。狂おしいほどに可愛いな!

 お嬢は黄色のドレスにキツネ耳にキツネ尻尾。このドレスは着たことある。確か150万ぐらいする奴だ。

 委員長はたぬき耳にたぬき尻尾。首元が大きく開いた真っ赤なドレス。意外と胸が大きかったのか。耳まで真っ赤にしている

 ゲレンデはグレーのタキシード。よくこんなに大きなスーツを一晩で用意するものだ。

 普通は豚耳豚尻尾でピンクのドレス。フリフリが多い。今日は金髪のカツラでご機嫌のようだった。あれ? すね毛無くなってる・・・


 勉強会を始めましょうか。今日はメイドズがマンツーマンで付いてくれた。

 そうすると僕いらない子・・・さっさと夕飯の準備だ!


 パーティーメニューの方がいいのかとか、考えていたが馬鹿々々しくなってやめた。

 時間が掛かるが空き時間が取れるグラタンと豆腐ミートボール。それとスティックサラダに冷凍されていたバゲットにオリーブオイル塗ってグラタンの横へ置く。

 ドレッシングは缶詰のアンチョビと少しのニンニク潰して火にかけアヒージョを添えた。パンにも合うはず。

 最後にスープ。ベーコン炒めてキノコを入れて牛乳で煮込み固形コンソメと塩コショウ。仕上げに溶き卵。


 ハイ15人前のパーティーメニューおあがりよ!


 時間も夜7時と夕食時だ。メイドちゃんたち呼んで配膳させる。

さぁいただきます!


 「今日も優様のご~は~ん~」

 「このドレッシング美味しい~~」

 「グラタンもチーズがカリカリとろ~り幸せ」

 「優ちゃんは好きな子いないの?」


 完全無視でスープを頂いてます。


 「この前のミートボールより美味しい」わんこ

 「兎月くんにうちの料理人になってもらいたいわ」お嬢

 「なんて女子力!? 私が兎月くんに勝てるのは胸だけなの・・・」委員長

 「悔しいけど美味しい! いつか同じ舞台に立ってやるわ!」普通

 「野菜スティックうまいな」ゲレンデ


 委員長と普通がライバル視してくる・・・


 「ねえ優ちゃん。話聞いてる? 好きな子はいないの? 無視しないで!」


 「グラタンは冷めたら美味しくないよ。母さん早く食べてね」


 相手にされない事に多少イラついたのか、隣りのわんこ(にゃんこ)をなでなで。終いには「あ~ん」までしていた。持って帰るなよ?


 「今日着た服もあなた達にプレゼントするわ。今年の優ちゃんの誕生会で着てくれると嬉しいわ」と母。値段知っててプレゼントしるんだろうな。


 「「「「「ありがとうございます」」」」」とクラスメート。値段は言わないでおこう。


 そしてお帰り。昨日と同じく母が送るようである。僕一つも勉強しなかったな・・・



 さてテストは三日間。もちろん全力で狙う! 担任との約束だ。


 日にちも数日過ぎテストの結果だが・・・


 帰ってきたテストに一喜一憂するクラスメイト達。僕は完璧である。まさり理想通りの結果に満足であった。


 「なぁ現国どうだったよ?」と普通へ聞くと机に突っ伏した。

 返事がないただの赤点の様だ。


 「兎月くん! ちょっとお話があるのだ、け、れ、ど、もっ!」


 何やら怒った様子の担任ちゃん。僕何かしたかな?


 「この結果はどういう事かしら?」僕の82点のテストを見せながら青筋を立てている。


 「先生の言う通り全力で頑張りましたよ?」


 「何で82点が全力なのよ!」やれやれ、話が通じてないな。


 僕は机から他の教科のテストを担任ちゃんへ差し出した。


 「どれも90点以下じゃない!」青筋が増えた!?


 「よく見てください。これをこうして、こうやって」


 テストを並び替え点数が見えるようにずらして並べた。


 「先生見てください。ストレートです! 80点~89点まで全力で完璧に狙い通りに!」


 僕のテストの点で作ったストレートを見た担任ちゃんはさらに青筋を浮かべて、「全力の出し方がちっがーーーーーーーーーーーーう!」

 

 魂の叫びだった。



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