第384話 行列と必要悪
side お譲
大変ですわ!
女神の社交界の人気が凄過ぎて西側の階段に行列ができ、身動きが取れない状態になってしまいましたわ!
女神の社交界に入れる人数は、五人でひとテーブルが八組あり四十人が限界ですわ。
それなのに開始前から百人以上が並び廊下は大渋滞を起こし、午後部用のお色直しができず未だに陰陽師の衣装で社交ダンスを踊る総帥。
申し訳ありませんですわ!
こういった事態は予測ができ体育館のスクリーンに、こちらの様子をライブ配信していたのですが、はやり生総帥の方を見たくなるのですわね……
最終手段として西側の階段は女神の社交界専用通路として使い、各階の廊下側をキープアウトのテープで通行止めにしましたわ!
これなら他のクラスの展示やお店に迷惑が掛からずに、東側の階段から行けますわね!
それにしても総帥の人気が恐ろしいですわ……
西側の階段を女神の社交界専用通路にする計画を先ほど持ち込むと、文化祭役員からは「助かりました。クレーム対応だけでも手いっぱいで大変でした」との言葉を頂きましたわ!
これが優YOU会会長の手腕ですわ!
まあ、最初から予想すべきでしたが、まさかここまでの行列ができるとは思いませんもの……
今だって屋上から校庭まで列ができ、最終公演までの席が埋まってしまいましたの。
途中でやってきた姉さんが怒りながら私に詰め寄ってきましたが、メイドズさんの対応により優しくタワーブリッチされ体育館へと案内して頂きましたわ!
それにしても姉さんのあの衣装はドレスというよりウェディング的な感じがして……
早くお嫁に行くと良いのですわ!
落として行ったブーケを拾い、列の整理と待ち時間の長いお客様を飽きさせない為にも、何か模様し物でもできたら良いのだけれど……
そうですわ! 売り上げの悪い屋台料理の移動販売をすれば良いのですわ!
私は文化祭役員へと話を持って行き、校内放送で呼び掛けて頂きました。
一番に搭乗したのは一年一組のハムカツサンド販売員です。クーラーボックスに入れたハムカツサンドを売り歩き、中々売れていますわ。
ずっと並んでいてはお腹も空きますものね。
他も屋台組からアメリカンドックやフランクフルトにホットドックとソーセージ系が多いですわね……売れているので良しとしましょう。
誰かドリンク系の屋台も参加するように言って下さいましっ!
side 牛酉辰巳
煩悩退散! 煩悩退散! 煩悩退散!
だぁーーーーーーーーーーー!?
私の溢れ出る煩悩よ、何処かへ飛んでけー!!!
はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ。やばい! やばすぎる!
総帥の陰陽師が可憐で凛々しく後光が射していて、これでもかってぐらい乙女ゲーに出てきそうな美男子で困る!!!
こんなの腐女子だったら誰でも心の底から滾る何かが荒ぶるだろうっ!
煩悩退散! 煩悩退散! 煩悩退散!
しかも、総帥と踊る役がヒゲダンディーな紳士だったり、金髪ダンディーだったり、美形の執事だったり……最後のはクラスの女子が男装した執事姿だが、それがまたグッとくる!
私を潰しに掛かってるとしか思えないナリヨ……
さらに新たに加わったショタ枠の少年が色々とヤバ過ぎて……煩悩も裏返りそうです!
ある種の悟りが開けそうになるナリヨ。
「あの子可愛いわぁ~」
「誰なのかしら?」
「何処かで見た記憶がある様な無い様な」
「…………」
私が支給するテーブルは臼ちゃん先生を含めた教師の方々が、視察という名目で席に着き社交ダンスを踊る総帥と少年を眺めています。
「頼むから発病しないでよ。育」
臼ちゃん先生の小さな呟きを耳に入れてしまった私は、以前から同類項なのではと勝手にイメージしていた二組の担任の翡恋育美先生がガタガタと震えているのを確認する。
自身の右手を左手で押さえ小さく震える翡恋先生は何かを我慢している様です。
わかるわ~何か知らんけど、溢れ出るリビドーを押さえ込んでいるのですね。
臼ちゃん先生はそれに気が付き小さな声で警告したのだろう。
世の中には多くの業がある……
この人は生粋のショタコンなのだろう。
同じ腐界の住民として何かあったら助けてやろうではないか!
無理そうならスルーするけどね!
ガタガタが次第に大きくなり地震かな? と思うまで大きくなると、臼ちゃん先生の手が翡恋先生の腕を押さえます。
こりゃ限界が近いかも……
よし! さり気なく紅茶のお代わりを入れながら、体調不良なのか確認して退席させようでわないか!
私はそっと近づくと臼ちゃん先生の手が払いのけられ、急に立ち上がる翡恋先生。
まるで拘束具を外された化け物の様な顔でステージを見据えたショタコン。
私は心の中で謝罪しながら熱々の紅茶を被害が少なそうな足へと注ぎ……
「小がゃーく、ぎゃー」
「先生すみません! 手が滑りました!」
熱さに悲鳴を上げる翡恋先生に謝罪しますが、きっとこの行為は先生の為になっただろう。
お湯をかける前に「小」と叫びを上げたのだ。
もし、もしですよ。「小学生が大好きだー」などと叫びながらステージへと走っていたと思うと、ぞっとするナリヨ……
直ぐに集まってきたメイドズさんたちに助けてもらい足を冷やし、保健室へと退場する翡恋先生。
私は他の執事たちに怒られたが、きっとこの行動で救われたのだ。
翡恋先生と笑顔で踊る少年を……
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