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第291話 友達?



 「それではこれより食事休憩と十分な休みを取るためにも、一時間半ほど休憩時間にします。正装にまだ着替え終わっていない一年の五組と六組は、一時間後に校庭の貸衣装の場所まで行き着替えて下さい。もしわからない事がありましたら近くのメイドさんか、私ども優YOU会本部か役員に聞いて下さいですわ!」


 放送が流れ本格的な昼休みです。


 「それと十二時半より模範演技が体育館で行われます。これは体育館以外にも各会場で放送されますので、お昼を食べながらご覧になって下さい。優YOU会からのお知らせですわ!」


 お嬢からの放送が終わり、何やらざわつくステージ上。

 僕らは早めのお昼を食べ終えリラックスしていたのですが、ざわざわとした空気です。


 「模範演技は誰がするのでしゅか?」


 ざわっています。

 凄くざわっています。

 台風の時の竹藪ぐらいざわっています。


 「僕は聞かされていないから、ゲレンデと美術部部長かな?」


 「あの山みたいな人でしゅか?」

 「もうひとりは見るたびに髪型が変わるメイドさんですよね!」


 ペルちゃんもアシュレちゃんもゲレンデとジョセフィーヌの知識が入っているようです。

悪影響がないと良いのですが……


 「ゲレンデは優しくて紳士的で友達思いの良い男だよ。ジョセフィーヌはパン屋の息子だね」


 解りやすい説明をしたつもりですが立ち上がる第一王子。


 「それは君の良い人なのかな?」


 何でこの人は眉をひそめながら身を乗り出し、聞いて来るのでしょうか?

 ゲレンデは立派な男ですよ?


 「親友ですが……」


 「そうか……そうだよね! うんうん、そうかそうか!」


 レオンさんこと第一王子は嬉しそうにソファーへと座り、イケメンスマイルを振りまいている。


 他の人たちも何やら安堵した顔でスマイルです。


 「ジョセフィーヌは親友ではないのでしゅか?」

 「ジョセフィーヌさんは友達ですか?」


 ペルちゃんとアシュレちゃんから難しい質問が飛んできました。


 ジョセフィーヌこと木村太郎は僕にとって何なのだろう。

 一年の時から左斜め前の席に座り一緒に昼食を取る仲で、それは今でも続いています。

 初めは絵にかいたような普通の生徒だったのに、二学期頃から女装に目覚め、今では早朝と夕方の部活として女装をしています。土日もです……


 ある意味僕と同じような生活をしていますが、もしかしたら彼も犠牲者なのかもしれません。

 僕との違いは女装に対して前向きかどうかだろうか?


 僕としては立派に女装をこなすクラスメイトであり、ランチメイトです。

 そして、女装を広める布教活動をしているトップであるというのも事実な訳で……


 木村太郎とは、と聞かれたらどう答えて良いか……


 目をつぶり考え込んでしまっていましたが、フンハー聞こえる音が気になり目を開けると牛酉さんが興味深げに返答を待っています。


 どう答えたものか……


 悩んでいると「優さま、そろそろお時間ですので失礼します」との声が掛かりメイド長に拉致されました。

 ガラステーブルすらトレー代わりにするメイド長の力を持ってしたら、僕などティーカップ程度の重さなのでしょう。

 お姫様だっこされ、有無も言えぬスピード移動開始です。




 到着したのは仮設試着室近くにあるプレハブで、中はひんやり冷房が効いています。

 控室の様な作りで大きな鏡と多くのドレスに小物も丁寧に並べられています。


 姿見出来る鏡の前にはシングルメイドズの中でもまともな印象のある後半メンバーがおり、丁寧に頭を下げています。


 「それでは御着替えの時間です」


 頬笑み発言したメイド長がキリリとした顔へ変わり、メイドズへ指示を出します。


 一番敵に回してはいけないメイド長の言葉に返事もなく動き出すメイドズ。


 僕が下着姿へと変わったのは五秒も無かったかも知れません。


 サマードレスを脱がす事など祈る時間も取れないほどです。


 そこから全身を濡れタオルで拭かれ、新たなドレスへと着替えさせられます。


 「あの、胸は……」


 問答無用で装着された偽乳も装備され、五分後にはドレス姿の僕が姿見出来る鏡の前に立っています。


 普段はあまり着ない真っ赤なスリムドレスであり、腕と腰周りはレースで出来ており透けていて通気性が良く社交ダンスを踊るには蒸れずに済みそうです。

 背中もパックリ空いており、それを隠すように薄く透けた大き目な白のストールが背中から腕へと巻かれます。

 首には二匹のうさぎがダンスを踊るネックレスを装着されました。

 メイクはナチュラルメイクで済ませ、口紅だけはドレスと同じく真っ赤に少量のラメ入りです。

 最後に靴ですがここは学校指定の上履きで、みんなと同じくナチュラルに決まっています。


 「靴だけでもダンスシューズにした方が、よろしいのではないでしょうか?」


 踵の高いダンスシューズが並んでいますが、指定は上履きです! 上履きで良いのです! はき慣れている靴が一番なのです!


 「このまま行きます。って!? 何で着替えなきゃならないのさ!」

 「簡単なことです。本日の主役ですから! いえ、違いますね。優さまは常に主役ですから!」


 「………………」


 やはりメイド長を攻略しない限り、普通の生活は送れないかもしれません。





 お読み頂きありがとうございます。

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