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第289話 メイド力



 テーブル上にはTHEお祭りといった感じの料理が並ぶ。

 焼きそば、たこ焼き、フランクフルト、ポップコーン、綿菓子、ベビーカステラ、焼き鳥、ケバブ、から揚げ、アメリカンドック、杏子飴、リンゴ飴、イカゲソ焼き、イカ焼き、お好み焼き、モツ焼き、などが所狭しとテーブルに広がっています。


 「これが日本のお祭りなのだね」

 第一変態王子も興味があるようです。


 「見たことがないものも多いですわ」

 レーネさんもリンゴ飴をロックオンしながら、身振り手振りを駆使して感動しています。


 「お祭りは甘いソースを使った丸いのが美味でしゅ!」

 ペルちゃんの本命はお好み焼きのようです。


 「ドレットヘアーのような麺料理が気になります!」

 アシュレちゃんは焼きそばが気になるそうです。


 「レオネーネさんも良かったら焼き鳥を如何ですか? 先ほど頂きましたが、かなり拘って作っているらしく美味しいですよ」


 王子の日常会話を翻訳するべく身構えているレオネーネさんへ焼き鳥を進めます。

 傍から見ているとずっと第一王子の言動を気にして動き、フォローして回る縁の下の力持ちポジションです。

 こういった人をもっと評価すべきだと思います。


 「ありがとうございます。先ほど食べたイカ焼きはずっと噛んでいたい味でしたが、優さまがお勧めになるのなら美味しいのですね?」


 噛んでいたかったのですか……

 ガム感覚でイカを噛み続ける人は初めて会いましたが、これも個性だと思って受け入れましょう。

 もっともっと強い個性を持った人たちが、僕の周りにはいっぱいいますし……


 「うぅー、美味しいです! これ美味しいです! 甘辛いタレが香ばしく焼かれたジューシーな鶏肉に絡みなんとも言えません。」


 口を押さえながら食レポするレオネーネさん。

 この様子だったらうな重や天丼なんかも気に入ってくれそうですね。


 「これが優のお勧めなのかい? うん、美味しいよ。鶏肉はコンフィが一番だと思っていたが串にさして焼くヤキトリと言ったか? これも美味しいね!」


 「癖がなくて食べやすいですわ。これならお父様やお母様にも食べさせたいですわね」


 スフォルム王国の人たちは焼き鳥を気に入ったのか褒め殺しです。これは焼き鳥を焼いていた若い衆の人にも報告すれば喜んでもらえそうですね。


 「あら、本当に美味しいですわ! この焼き鳥は普段どこにお店を出しているのか気になりますわ!」


 お嬢も焼き鳥が気に入ったようで出店元が気になるご様子です。これはリピーターになる可能性がありますね。


 「この焼き鳥はアーケード商店街の裏路地にあるドラックストアーの真裏と言えば解りやすいかしら、そこまで行けば匂いを辿れるはずよ」


 匂いで辿れるって、犬じゃないんだから……


 「って、母さんたちもこっちに来たの!?」


 にやりと笑う母さんの後ろにはレオンさんや祖母のソフィアさんに祖父の真二さんの姿があり、メイド長がファミレスのトレーを持つが如くガラステーブルを設置している。


 その姿にスフォルム王国の王族や、メイドズたちも目が釘付けです。

 正直に言えば僕も目が釘付けです。


 だって、ガラステーブルの上には、多くの食べ物やコースターに乗ったアイスティーなどが置かれたまま移動してきたのだ。


 それこそトレーの如く使用しながら……


 「流石歴代最強と言われるメイド長……」

 「もう人間を辞めたのだろう……」

 「これがメイド長と序列二位の絶対的な差……」

 「重量よりも褒めるべきはバランス感覚でしょうか……」

 「彼女が一人いれば、他のメイドを雇う理由があると思えないね」

 「同じメイドと呼ばれるのが恥ずかしいです」


 高評価なのか同一視されたくないのかは解りませんが、メイド長はいつでも頼りになります。


 「それでは私たちも食事にしましょう」

 手を合わせ嬉しそうな顔でお祭り料理に手を付け始めるアシュレちゃんの母であるアンネさん。


 「僕も見たことのない料理が多いよ。お好み焼きやたこ焼きは見たことがあっても食べたことがないな」

 レオンさんもテンションが上がっています。


 「これが焼き鳥ね。あなたも頂きますでしょ?」

 「はい……」

 ソフィアさんの言葉にYESしか答えられない祖父は、まだ反省中の様です。


 「ペルちゃんにアシュレちゃん。面白いからこっちの冷たいアイスティーを見ていなさい」

 そう言って母さんは綿菓子を持つ。


 天使たちは興味信新で母さんを見つめ、羽がパタパタ天使の輪もぐるんぐるんです。


 「綿菓子が消えたでしゅ!?」

 「あんなに大きな綿菓子が消えました!?」


 二人のリアクションにドヤ顔の母さん。


 母さんがマジックの様に見せたのは綿菓子をアイスティーへ入れ、溶かしただけなのだが天使たちは驚いています。

 砂糖から作られていると知っていても綿菓子の体積から考え、瞬時に溶ける姿は確かに不思議で面白くあります。


 ドヤ顔のままそのアイスティーをひと口飲んだ母さんは眉をしかめます。


 「甘すぎるわね」


 そりゃそうだ。




 お読み頂きありがとうございます。

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