第20話 神林友子
Side 友ちゃん
いつもよりも早起きした私は着ていく服に悩み中。
なんたって今日は親友お墨付きの美男子? に会うのだ。もしかしたらそのまま男女の関係に!? なぁ~んて妄想しちゃった。
なんでもモデルで会社運営している高校生。美人顔に腰まである長髪だとか。盛に盛った設定。いったいどんな人だろう?
ラビットテールの息子ってことは金持ち確定だ。
絶対今日はキメていかないと!
三十分ほど悩みラビットテールの白のワンピースに決めた。まだ少し寒いのでアウターに緑のブルゾン。靴は白地に緑のラインの入ったスニーカー。こんな感じかなん?
さてさて準備も終わりトーストかじって時刻を確認。まだ8時。いいやもう早く行っちゃおう! 千和に電話だ!
「おはよう友ちゃん」
まだ眠げな声が聞こえる。
「千和おはよう~私もう家出るから半には着くからね~」
「もう来るの。わかった。私も用意急がなきゃ!」
「じゃね~」
さーて、気合いを入れて歯磨きだ! いつキスするか、わからないもの準備はしっかりと!
鏡の前でにっこり笑う。
うんうんうん。中々可愛いぞ私!しっかり目を見て落としてやるんだ!
自転車に乗り千和の家を目指す。急げば五分。ゆっくり8分。もちろんゆっくり。汗はかきたくない。念のため千和の家の玄関で制汗スプレー。
そしてチャイムをポチリ。
「いらっしゃい。まだ時間あるし中入って」
おうおうおう相変わらず小さくて可愛い。
よしよしよしお姉さんが撫でてあげよう。
「友ちゃん撫ですぎ! 撫ですぎ! まずは家に入ってよ!」
はっ! 我を忘れて撫でてしまった。千和恐ろしい子!
「おじゃましま~す」
リビングのソファーに腰を下ろし手鏡で前髪チェ~~~~ック!うん大丈夫。可愛い! はず!
「約束は9時だっけ?」
「そうだよ。あれ? 友ちゃん気合入ってるね。着けまつ毛までしてる!」
「そりゃそうよ! 今日を逃したら中々男に会えないもん。それに千和のお墨付きでしょ? 気合い入れて落としに行くわよ!」
「ダメダメダメ! 兎月くんはダメ!」
千和が珍しく反抗してくる? これは千和惚れてる?なるほど・・・
「千和が惚れるとは、ぬふふふふ」
「変な笑いしないで! もう友ちゃんまた悪い癖出てる。そのぬふふで笑う時、絶対よくない事起きるもん」
顔を真っ赤にして怒る?照れる?千和かわいいよ~思わず抱きしめてしまった。
「そうだ写メ見せて~よ」
これから実物に会うのだ。心の準備ぐらいは必要だ。
見せてもらった写メには天使が写っていた。まぁ天使は千和なのだが・・・問題はその横に佇むお姉様。
「なんて女神?」
素で聞いてしまった。
「兎月優くん。すごいでしょ? 美女でしょ? でも男なんだよ」
「は!? そう言えば美人で男って言ってたけど・・・マジでか~こりゃ男子が惚れるわな~でも千和は女好きじゃないよね? あれ? あれ? 私何言ってる?」
混乱した頭を整理する。美女で男で金持ちでででで????
「友ちゃん大丈夫?」
「えっ、あ、うん、たぶんダメだ。意味が分からなくなってきた。まぁ会えばなんとかなる!」
チャイムがなり気を引き締めている千和。来るのか美女が!私も気合を入れねば!
両手で頬を叩き、痛い!
「さあ、かかってこい!」
「友ちゃん変なテンション押さえてね」
「は~~~~~い」
ブックマークに感想、ありがとうございます。
はじめてもらった感想に小躍りしてしまいました。




