第13話 河本千和
短めです
side わんこ
今、私は恋をしています。
好きな人は隣の席の兎月優くん。すごく美人で不機嫌な顔はイケメン。何で不機嫌だと美男子に見えるのかが不思議です。
あと兎月くんは撫でるのが上手です。前世はたぶんドックトレーナーだと思います。
そんな美人イケメンの兎月くんへラブレターが送られてきました。もちろんそれは予想していました。でもまさか雪崩を起こすほど貰うだなんて。ちょっと心配です。
クラスの女子も男子もみんな兎月くんの事が好きなようで・・・ライバルが多すぎます。
ただそんな中でも私は他の人より一歩進んでいます。これは確実に実感してます。
だって、だって、兎月くんは私だけ撫でてくれる!そう私だけ特別に!
この事実は揺るがない物!私が他の女子よりも小さいとか、撫でやすい位置に頭があるとかじゃないんです!たぶん!
私が悲しそうな顔をすると撫でてくれます。その時の兎月くんの顔はすごくお姉さんに見えて可愛いです。
おっと友ちゃんから電話だ。
「よっす! 千和元気にしてた? 中学卒業から連絡ないから少し心配したよ~」
中学の親友。神林友子たまに調子に乗るけど一緒にいて楽しい子。中学入学から話しかけてくれて三年間ずっと一緒だった。
「元気だよ。高校違うけど友達できた? 私はできたよ」
もちろん兎月くんの事である。二日も一緒にご飯食べたら友達だよね?
「おぅ~私もできたよ~女子高だから男はいないけど楽しいよ~」
「友ちゃん女子高だったよね」
「そうそう女子高。私も共学が良かった~千和がんばって男見つけなさいよ~それで合コン開いてもらうんだから」
「ちょっと、それは無理だよ。でも男子の友達はできたよ」
「な~~~に~~~ちょっと詳しく! できたら写メ頂戴! 好みだったら紹介して! ね! ね!」
「友ちゃん必死すぎるよ。写メは持ってないから無理」
「どんな人? イケメン?」
「う~んとね。顔はすごく美人で髪が腰まである。今日下駄箱でラブレターの雪崩が起きた」
「うんとね、何からツッコもうか。男友達なんだよね?」
「うん。すごく美人顔で男子も女子も魅了されてる。あと高校生でモデルと会社経営してるの」
「あんた、どんだけ設定盛るのよ! そんな奴いるかっ!」
「いるんだよ。ラビットテールの息子だって」
「もしかしてUSA姫?」
「違うと思うよ。だって目の色が違うし性別も違うよ」
「あんた頑張って写メ撮ってきなさい! これは親友として絶対確認取りたい! ぜ~たいだよ!」
「うん、がんばってみる」
「やばい、ママに呼ばれた。それじゃ合コンよろしくね~」
「それは無理だよ。って、もう切れてる」
はぁ~どうしよう新しいミッションができてしまった。
兎月くん一緒に撮ってくれるかな? 断られたら凹むだろうなぁ。立ち直れないかもしれない。どうしよう。どうしよう。
このミッション高レベルだよ。




