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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第12章-人間と魔物の争い-
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第84話-求められた探索-

「あ……れ? まだ皆さん来てないのですね」


スティナが長老に向かってそう言った時、長老はなんとも言えない顔で説明する


「どうやら、前の一件でスティナさん達に協力する気はあるけど

 偵察や雑用はやる気ないみたいなのよ、ごめんなさいね」


「別にいいですよ、なんとかなります」


スティナは申し訳なさそうに謝っている長老に笑顔でそう答える

スティナは考えた結果、こうなることは少なからず考えていたからである

もちろん、協力してくれる人がいるのも予想外なのだが……

でも、協力してくれる人がいるだけで嬉しく思う


「えっと、ミヤとこちらのエルフさんにお願いしようと思います」


「2人で大丈夫かしら? 2人だと探索してるあいだに魔物が襲ってくる

 可能性もあるから……人数を増やして迅速にしたほうがいいのでは?」


「いいえ、少数精鋭って言葉がありますし、それにエルフさんがジャングルに

 詳しいから、それにしたがってミヤが動いてくれれば明日の朝までには……」


「朝? 今日中に終わらせちゃいますよ!」


ミヤは自身満々にスティナに話かける、それをスティナは笑顔で頷き

そのまま話を進める


「それで長老……この辺の地図はあります?」


「地図はないけど……前にジャングル周辺を書いてくれた子いるから

 その地図みたいな物ならあるわよ」


そう言って長老はボロボロの毛皮みたいな紙をだし、スティナ達の前に広げる

それを見ると、そこにはジャングルのどこに食べれる物が生っているかわかる


「……魔物が好きそうな物がわかれば……その周辺を探すだけでいいのに」


「それなら知ってるわよ?」


長老は『そんな事?』と言った顔でスティナを見ながら言う

スティナは嬉しそうな顔をしたまま、長老に詰め寄り話かける


「え?! 本当ですか? それはなんですか?!」


「お姉様、落ち着いてください、情報は逃げませんから」


スティナの詰め寄りは長老の顔とスティナ顔がくっつくぐらいまで行っていた

それを間一髪の所でミヤがスティナの両肩を掴み、元居た場所に戻す

ミヤにそう言われたことで少し落ち着いたスティナは深呼吸をしながら

再度、長老に話かける


「……すみません、えっと魔物の好きな物はなんですか?」


「たしか……この地図の右上にある『ドライアーツ』と言う果物よ」


『ドライアーツ』

色は赤い、ドリアンのように表面は棘が充満しており素手で触れば怪我をする

しかし、魔物の手は頑丈でその程度の棘で怪我などしなく、それを手に取ると

半分に割り中身を手に入れる、それも中身はメロンのようになっており

甘みと水分が多く、水の変わりになる


「……と言う事は、この地図で見ると丁度、この村から斜め右上にあるのですね」


地図を確認するかぎり、島の形的には楕円系であり

この村はスティナ達が辿り付いた砂浜かがら歩いて左下の方向に行くとエルフの村

それもこの土地、ジャングルが8割を絞めており、残りは砂浜と海なる

その村から右斜めの方向に歩くとドライアーツが自生してる場所がある


「この辺に行った事はあるのです?」


「ないわ、ドライアーツが魔物の好物と聴いてから誰も近寄らなくなったのよ」


「ということは……この辺が怪しいですね」


「そうね、じゃあこの周辺を2人に調べてもらいましょうか?」


「そうですね、2人共お願いできる?」


ミヤとエルフの子は頷き、長老から地図を受け取ると長老の家を出て走り出す

その速度は普通の人が走る速さより2倍は速い

そんな状況であってもミヤとエルフの子は話をしている


「私の名前はミヤ、あなたの名前は?」


「私ですか? 私はココ・ハークです」


「ハーク? ということは……さっきのはお姉さんか妹さん?」


「はい、エミの方が姉で私が妹になります、あ……こっちですね」


ココは地図を見ながらジャングルの木にジャンプするとその木を蹴り

次の木をさらに蹴り、それを繰り返しながら空中を進む

ミヤもココの行動を見ながら硬い木を探しながらそれを蹴り空中を渡っていく


「すごいですね! どこかで練習したんですか?」


「今したわ……ココのやり方見せて貰ったから大丈夫」


「……そうですか」


ココは唖然とした、たった一回『木蹴り』をしただけなのに易々と真似し

今でも余裕でココの後ろ付いてきながらココと話をしているのだ

その光景を見ると、ココ自身が今まで練習してできた事がすごく空しくなる

しかし……今そんな事を言ってる余裕はない。


「そろそろ目的のドライアーツがある場所ですね、下を歩きましょう

 ただ、下の草は長く棘があるので足が切れる心配はあります……が」


ココがミヤに助言した時には既にミヤが下を降りており、周辺の草をナイフで

斬り、何もない平地がある


「このぐらいでいいかしら? 後は進みながら切っていけばいいでしょ」


「そ、そうですね……」


ココが先頭を歩き、ミヤがその後に続きながら後方を警戒する

ココの武器は木の弓と矢、ミヤはアルインダーナイフ2本

攻勢としては十分だが……敵と遭遇した数によっては不利になる


「えっと……この周辺を調べたいと思うのですが、2手に別れましょう

 私はこの木から左を、ミヤさんは右側をお願いします

 もしも危なくなったら、すぐに逃げてください、私は自力で逃げれます」


ココはドライアーツの木らしい物が1本高く生えてるのに左手を付き

左右を指さした後、笑顔でそう言う


「……わかったわ、私は右側ね」


「はい、お願いします」


2人は左右に走り出したかに見えたが、ミヤだけ走らず……ドライアーツの木を

よじ登る、ドライアーツの木自体に棘はなく、ヤシの木を太くし長さを短く

した感じなので、登るのも容易である

その木の一番の上にある葉っぱの上に乗ると周辺を見回す

しかし……大きな木が邪魔しており、周囲を見回すのは少々不便である

そう思っていた時、草を掻き分けながらミノタウロスがドライアーツの木を

目指し歩いて来る、ミヤはそれを見逃さらず、ミノタウロスが来た方角に

向かうため、その木を降りる、それもミノタウロスとは反対側に

そして、音を絶てずにゆっくりと歩きながら草を斬る

ミノタウロスはミヤに気づかず、ドライアーツの木を蹴り飛ばし

実が落ちてこないか眺めている、それを確認したミヤは足を速め

近くの木にジャンプすると木を蹴り、次の木を蹴る

それを繰り返しながら上空を飛ぶ


『ハーピーと遭遇しなければ大丈夫かしら……』


そう思いながら移動していくと……洞窟のような洞穴がある

それをその洞穴の周辺には大きな木がバリケードのように並べられている

しかし、入口には魔物1匹もいなく、無人なのかと思わせる


『魔物がバリケード……? それもこの方法は罠よねぇ……

 あきらかに入口を調べてくださいって誘い出してるみたいなもの』


ミヤは空中で大きな木の細い木を掴んだまま、空中にいる

ここまでに見つけた敵はミノタウロス1匹……中に何体かいると思うが

これは前線基地みたいな物と思ったミヤは次の拠点を探すために

また木を蹴り、空中を進む

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