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第74話-人と魔物-

「とは……言った物の……空中の敵は始めてだぞ」


エステはハーピーの色違いに左右を挟まれながら独り言を洩らす

しかし……魔物が人間の言葉を理解できるわけがなく、ただの独り言となる

はずだったのだが……


『クク……アイツヨワソウデウマソウナイキモノ……タベタイナ』


『ソウダネ……ゴチソウダ』


ハーピーの2体が喋り出した、それもこちらの言葉を理解しているように喋るが

その発言は空中のため、エステには聴こえない


その直後、ハーピー2体はエステの左右から足の爪を構え、エステに急降下する

もちろん、そんな攻撃をエステが読めない訳がなく後ろに下がり回避すると

ハーピー2体は速度を温めお互いが目の前まで来ると上空へ舞い上がり

回転した後手羽を広げ、上空に待機すると、エステは笑顔で言う


「……へぇ、かっこいい事やるね……」


それを聴いてかは知らないがハーピー2体は再度、上空からエステに滑空攻撃を

するため急降下してきた直後……エステは笑顔で両手に持った斧を手前に引く

すると、ハーピー2体の後ろから斧が回転しながら襲いかかる


しかし……その2体はその攻撃をわかっていたのか上空で横に避けた直後

エステは小さな声で独り言を言う


「……かかった!」


エステは手前に引いた両手の斧……を左手は左に右手は右に手をやると

飛んでいた斧が左右に別れハーピー2体の脇腹に引き裂くが

ハーピー2体の平然とした顔でもっと上へ飛び上がると……

どこかへ飛んで行ってしまう

それを見たエステは真面目な顔……ハーピーが飛んで行った方向を見ながら喋る


「逃げたのか? 追えば敵の本拠地がわかるだろうが……ここは逃がす」


その直後、後ろからミミナが走り寄り、エステに声をかける


「さっきのハーピー2体は?! どこに行ったの?!」


その言葉の意味をエステは理解できた、どうしてかと思うが

エステは何度も何度もミミナの言葉を聴き、頭の中で翻訳できるようになっていた

それこそ……超越したように見えるが、人間は何度も何度も言葉を聴けば

そのうちに言葉に慣れ、理解できるようになる

しかし……実際の所、エステはスティナとミミナの話を真面目に聞き耳を立て

全て聴いていたのである、そのお陰で今『理解』できるようになった


「……どこかに行ったよ、お前は大丈夫か?」


「お前じゃない、ミミナ……ちなみ私は大丈夫、弓が壊れただけだから」


「そうか……あとでその弓直してやるよ」


「いいの? でも新しいの作り直した方が壊れにくいでしょ?」


「古いのを何度も補強しながら丁寧に直せば頑丈になる

 思いがある武器ならなおさらに……長く使ってやりたいしな」


それを聴いたミミナは唖然とした顔でエステに言う


「お前……男なのに変わっているね、普通なら新しい方が好きなのに」


「そうか? 別に普通だと思うぞ、自分の使っている武器が好きで

 その武器を大切に使っていきたいと思うならな」


「なるほど……私にはよくわからないよ」


ミミナは長い髪を右手でかきあげると歩きだしてしまう

それに続く形でエステはミミナに付いていく

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