第74話-ミヤのハーピー狩り-
それはスティナ達が海辺を進み、ミミナを助けに行こうとした時
スティナ達の前にハーピーが2体現れ、襲ってくる中
スティナは他の3人に言う
「誰か……ミミナの援護に行ってください!」
そうスティナが言うよりも速くエステがハーピー達をすり抜けミミナがいるであろう場所に向かって走り出しながらスティナの方向へ振り向き叫ぶ
「俺が先行する! 他の皆はハーピーを倒してゆっくりきてくれ!」
エステがどうしてミミナの援護に行ったかはわからないが
残されたハンナとミヤは愚痴を言い出す
「あれぜったーい……逃げたよね」
「そうだな……まぁ、たまには彼奴に活躍してもらうか」
スティナは2人の会話を聴きながら心に中で
『この2人のエステさんの扱いって……意外に酷いわよね』と思いながら
ロングソードを左手に構え、ハンナとミヤに言う
「2人共、今は目の前の敵を倒しましょう!」
「了解です! お姉様! でも……私、空中は苦手ですよ?」
「ほぅ、ミヤもか『私も』苦手だ、安心しろ」
「……私は空中戦やったことなくて」
ここにいる3人共、空中の敵を相手にしたことはなく、戦い方はわかるが攻撃の
統べはなく……ハーピーを地上から見上げているとハーピーの1体が叫びだす
「なんだ……この音……すごく……眠く」
「あ……れ? どうして……眠く」
ハンナとスティナはハーピーの叫び声により睡魔に襲われ、その場に倒れる
しかし……ミヤただ1人は平然とした顔で立っている
その光景に少し動揺したのかハーピー1体が滑空攻撃を仕掛けてくるが
その攻撃をミヤは横に避け、ハーピーの右手翼にナイフを突き刺すと
そのまま力の限り地面に落とそうとするがハーピーも抵抗しながら
空中に逃げようとするが……ミヤはその体制のまま左手のナイフを右手翼に刺す
するとハーピーは奇声をあげながら地面に倒れた瞬間に気を抜かず
ミヤは表情を変えずナイフを翼にめり込ませた後
2本のナイフを抜き取ると、反対側の左手翼に2本を突き刺す
それも先程刺したのより深く深くめり込ませると、引き抜く
それをなんどか繰り返すとハーピーの両羽は血塗れになり飛ぶことはできなくなる
それを見たもう1体のハーピーはどこかへと逃げ出して言った後
ミヤは小さな声で独り言を言う
『まったく……手間をかけさせくれる』
だが……ミヤの顔は何時もとどこか違い……眼の色が黒から蒼色になっていた
そして武器を仕舞い、ミヤは寝てしまった2人を起こすために移動するが
ミヤはスティナの前に体育座りをすると微笑みながら独り言を洩らす
「お姉様の笑顔……可愛い」
それはスティナが目を覚ますまで眺め続けていたと言う
しかし、ミヤはハンナの事は一切見ず、放置していたのは秘密である