第64話-ミナセの過去-9
ミナセがアミティスを倒した時、倒れていたアミティスは煙のように消え
その存在を消す……その光景を見ながらローラントはストゥムの剣を捌き
ながら、空いている片手でずれたメガネを直す
ローラント自身、戦いは苦手……しかし、その動きは一般の盗賊に倒れされる事はない動きである、だけど……ローラントが攻勢に出る事はなく、守りに重点を
置いて戦っている
「ミナセ、さっさとこっちの援軍に来てくれよ……僕1人じゃ無理だ」
ローラントは長刺混を片手で振り回しながらストゥムの剣の攻撃を防ぐ
もちろん……ローラントが『戦いに優れた人間』ではないのに、ここまで戦えて
攻撃防げているのかは簡単な話
敵であるストゥムの攻撃は単調である、上段からの振り下ろしか横から切り払い
それ以外の攻撃はしてこない……歴史から消された人間の『造形』だから
とローラントが思った時、ミナセが真横に立っていて話かける
「間に合った? 瞬殺はできなかったけど、早かったと思うよ?」
「たしかに……早かった……かな、まぁ、目の前の奴を倒すために
援護を頼めるかな?」
「良いけど……私はどうすればいい?」
「ミナセはその場に立っていて、武器を振り下ろせるようにしといてくれ」
「……? わかった?」
ミナセはその場でツヴァイヘンダーを構えたのをローラントが確認すると
長刺混を真っ直ぐ構え、ストゥムが突撃してくるのを待つ
待つと言ってもストゥムの動きは単調で、待つまでもなくこちらに突撃してくる
「甘い……がら空きだ」
ローラントは長刺混の先体に付いているナイフの曲がった部分をストゥムの
腰部分に引っかけ、こちらに引き込む
ストゥムは対応する手段がなく、体ごとこちらに引き込まれてくるのをローラント
はミナセに言う
「今だ! その武器を振り下ろせ」
ミナセは言われるがまま、その場にツヴァイヘンダーを振り下ろすと
その場にストゥムが現れ、振り下ろされたツヴァイヘンダーが直撃し
ストゥムを倒す
「もしかして……ローラントはこれを予測してやったの?」
「当たり前だ、あんな脳が弱い奴に負ける僕じゃない」
「やるわね、少し……褒めてあげる」
「それはどうも、先に進もうか……」
2人は一本道を進んでいく
そこに罠や敵、魔物はいなく、先程の影人間以外、敵が出ると言った気配はない
そんな道を先へ先へと進み……辿り着いたのは大きな部屋である
しかし大きいと言っても真ん中に1つ箱らしき物があるだけである
それに気づいたローラントが箱に近寄っていくと……ミナセが叫ぶ
「ローラント引いて! 何か来る!」
ローラントはミナセの言葉に従い、後ろにバックステップをした直後
ローラントがいた場所に一つの影が現れ、こちらを見ながら喋り出す
「この遺跡を見つける奴がいるとわな、お前らは俺を満足させてくれるか?」
その姿は男……服装は上下黒、白いマフラーみたいな物を首に巻き
髪色は銀髪でロングヘアー、武器は大型の剣を片手で担いでいる
その男の言葉にミナセはローラントの一歩前に出ると喋り出す
「ええ、満足させてあげる、でも……その前に自己紹介をお願いできるかしら?」
「ふん、人間風情が……まぁいい、俺の名前は『ヘンデスヘルス』
強い相手を待っていたのと、この箱の『中身』を守っている」
「そう……じゃあ、その中身は私が貰うわね」
「ほぅ、では……楽しませてもらおうか」
ヘンデスヘルスと名乗った男は走ってこず、その場から姿を消し
ミナセの前に現れると大剣を片手で横払いするが
それをミナセは後ろに避け、間一髪回避する
「……! でたらめな動きね、でも負けないわよ」
「ははは、その攻撃を避けるとは! 楽しませろよ! 人間」
ミナセとヘンデスヘルスが戦いを繰り広げてる中、ローラントは動けないでいた
1歩でも動けば首が飛ぶんじゃないかと思うぐらいの『恐怖』
『……あの2人はなんなんだよ、でも動かないでいれば死ぬ心配はない……
ミナセ、頼むぞ、そいつを倒してくれ』
ローラントはそう思いながら、その場に立ち尽くしている
その光景に誰1人として、見る事はなく2人は戦いを繰り広げている
「どうした?! その程度か……すぐおわっちまうぞ?!」
ヘンデスヘルスの大剣の攻撃速く、ミナセはショートソードで攻撃を弾くように
攻撃をするが、手が痺れてくる
『っ……利き腕じゃないほうでで剣を払ったお陰で利き腕は平気だけど
左手が痺れてきた……どうする? 片手だとコイツに負ける』
それを知ったような顔でヘンデスヘルスは大剣でミナセのショートソードを狙う
ミナセは痺れれた左手の剣で防ぎ続けるが……限界はきた
ミナセの持っていたショートソードは吹き飛ばされ、ヘンデスヘルスの剣は
武器の持っていないミナセの顔に剣を構えながら言う
「お前の力はそんな物か? その程度で俺の勝てるとでも思ったのか?」
絶対絶命の中、ミナセはある行動を起こす