第61話-ミナセの過去-6
ミナセが武器を手に入れ図書室までの道を進んでいると……
口元をマフラーで隠した男4人がミナセを囲み話かけてくる
「お前……さっきの武器屋で店主を脅したろ? 通報が来たんだよ」
「へぇ……それで、あなた達は私に金を返せって言いにきたの?」
「違う、今持ってる金と買った武器を全部寄こしな」
そう言って男達が武器を構える……その武器は50cmぐらいの剣
名前を『カットラス』と言う、男4人とも同じ武器と言う事は知り合いであり
店主に雇われてミナセの元に来たのは、ミナセにはすぐにわかった
「あら……もしも私が『渡さない』って言ったらどうするのかしら?」
「もちろん、奪い取る」
1人の男性がそう言った時、ミナセは確信した……こいつらは店主から雇われたと
だから、ミナセは腰に付けた鞘からショートソード1本を抜き、構える
すると、囲んでいた男性4人は一斉に襲い掛かってくる
しかし……どの一撃もミナセには届かない
ミナセは囲まれてから男が十字方向に包囲したのを見逃さなかった
そして一斉に攻撃してくるのなら……避ける場所は簡単に予測できる
その攻撃を回避した後、ミナセはその男達に話かける
「ところで、あなた達は人を殺した事あるわよね?」
「当たり前だろ? そうじゃないと干からびちまう」
『当たり前』それは、人を殺し、落とした物を売りそれで生計を成す
けして間違ってはいない、しかし……ミナセは思う
『人を殺すと言う事は自分が殺されても文句はない』のだと
「そう、じゃあ……手加減はしないわ」
その言葉の後は一瞬だった
ミナセが男達の隙間を抜け、反対側に抜けた時
男4人は地面に倒れ、起き上がる事はなかった
「まったく……実につまらないわね」
ミナセは剣を払い鞘に剣を仕舞う、図書室に向かって歩いていく
ミナセが遠くに歩いていった事を確認すると、武器屋の隙間から男が1人出て来て
倒れた男の身ぐるみを剥がしながら傷を見ると……心臓を一突きだった
あの一瞬で心臓だけを狙い、的確に剣で貫いている
その男は自分は混ざらなくてよかったと思いながら4人の身ぐるみを剥がした後
裸の男性4人に武器屋の隅にあった藁をかけるとその場を離れ
しばらくすると戻って来て……藁に火を付け、燃やすとその男はその場を後にする
この男性はただの通りすがり……目の前に武器がタダで落ちているのだ
拾って売る……それだけで金が入る、金の為なら証拠隠滅なんて簡単な話であり
この街では日常と化している
そして……図書室に辿り着いたミナセはローラントの座っている席へ行き
余ったお金をテーブルに置くとローラントに話かける
「ありがとっ、無事……武器は買えたわ」
「そうか、僕は僕でこの剣が有りそうな遺跡を幾つか見つけといた」
「幾つかって事は何個かの遺跡を行くって事よね?」
「そうだな……えっと……合計で3つだ」
「3つも行くの……?! その中で誰も言った事なさそうな遺跡はないの?」
「あるちゃあるが……遺跡の場所が『不明』なんだ、下手に外を歩くよりも」
ローラントが続けて何かを言いかけた時、ミナセはそれを遮り
ローラントにある事を聴く
「ねぇ! この街の外ってもしかして砂漠?」
「あ、ああ……この辺は遺跡が多いからね、かなり離れた所だけど森林の中に
遺跡が合ったりするけど、そこはもう人の足だらけだろうね」
「それなら大丈夫、その不明の遺跡いきましょ!」
「おいおい……不明な所に向かって野垂れ死には勘弁だぞ?」
「大丈夫! 私は砂漠に慣れてるのよ! まかせなさい!」
ミナセはそう言い胸を右手で叩く、普通ならばそんな自信信じられるわけがない
だが……ローラントはミナセの自信に満ちた表情を見た時、どこか安心していた
ミナセならなんとかなるんじゃないかと……そう思ったのである
「わかったよ……ミナセ、ちゃんと準備をしたら出発しよう」
「それでいいの? ローラント」
「ああ、ミナセの自信をへし折るのも楽しそうだし……それに
もしも見つかればもっと楽しそうだからね」
「そう、わかったわ……で、準備するのに必要な物は何?」
「ああ、それなら……」
ローラントはそう言うと自分のズボンに入っていた紙とペンをだし
何やら書き始める……そしてローラントの書く腕が止まり、ミナセにその紙を渡す
「僕は僕で用意する物がある、悪いけどさっきのあまり金で
この紙に書いてある物を揃えてくれないか?」
「わかったわ、ちゃんと店の場所と名前も書いてあるわね、これなら早いわ」
「そうか、じゃあ……集まったら街の北口に集合だ、いいね?」
「ええ、それじゃ……また後で」
ミナセはローラントに右手を上げると図書室を出て行く




