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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第8章-ミナセ・フィーナベルクの過去-
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第59話-ミナセの過去-4

「ここが『アルストナハト図書室』だ」


ローラントが指を指す方向にミナセが首を上げるとそこは

長い鉄の階段……20段ぐらいだろうか、そこに白色の図書室がある

大きさはローラントの家が8個は入るだろう大きさ


この土地の基本的な家は鉄でできており、大きさ的には中ぐらい部屋

4つぐらいの大きさである……現代風に言うのなら中ぐらいは6畳

それが8個となるとかなりの大きさになる


「あるすとなはと……?」


「ああ、『アルストナハト』はこの土地の名前だ」


『アルストナハト』

スティナやミナセがいる土地とは違い、文明が少し発展した時

唯一変わったと言える事は本の流通量、遺跡の量

まるで昔から『そこ』に遺跡が合ったように……


「なるほどねぇ……で、この図書室になんのようなの?」


「まぁ、この辺の遺跡で『探査』してない場所を見つけるのさ」


「どうして探査してない場所を?」


「そんなの簡単だ、探してない所のほうが危ないし、荒らされていない」


「……ローラント、1つ言い忘れてるわよ、面白そうでしょ?」


「わかってるじゃないか……そう、誰も見た事ない遺跡の中に行けるかも知れない

 そんな楽しい事……他にない、そう思わないかい? ミナセ」


「そうね、誰も見た事ない『未踏の地』、それを探す面白さ、わかるわよ」


ミナセはローラントの言いたい事を理解していた

それは……ミナセがインペリアルガードに入った時の『思い』と一緒だから

『自分自身が強くなりたい』 『娘を守るために強くなりたい』 

『最強と言う物を手に入れたい』 『第1階級の頂点を』


そんな思いからインペリアルガードに入ったが……

ミナセが第1階級になるまでに1年とかからなかったと言う

その後、何年と自分と渡り合える人物が現れ、第1階級から降ろされる日を待った

が結果……8年目辺りで『飽きた』、最強だ……と言われ、挑戦してくる者もいなくなり、ミナセに特訓を申し込むもいなくなった


『最終的に『最強』なんて……辿り着いた先に何も見えないのだから』


上手くいえばミナセにとって『10年』はすごく長い年月だったのだろう

どうしてそこまでミナセが持ったかは……お金のため

何年、何十年、何百年とスティナが遊んで暮らせるお金が欲しかった

ただそれだけのための……10年


「おい? どうしてミナセ? この建物に何かあるのか……?」


ローラントは心配そうな顔でミナセの顔を覗き込む

しかし……ミナセは『いや、なんでもない』と首を振り、階段を上っていく

それに付いていく形でローラントも階段を上り建物の中に入る


建物の中は本棚だらけ、それこそ3段の本棚が50……60とある

人は疎らで……そこまで人気がある建物じゃないのがわかる


「あんまり人がいないだね」


「そうだな……本は読まないと意味がないのに、それに書いてくれた人の思いが

 ロマンがわからない……まぁ、この土地の奴らは本より興味がある事がある」


「本よりか? 食べ物? とか?」


「いーや、遺跡荒らしだよ、本を読んだり働いたりするより金が稼げるのさ

 そんな奴らが本を読む必要もないし、戦いができればそれで金が貰える

 そんな環境だからこそ……女性も遺跡荒らしを始めるのさ……」


「なるほど……それで、この街には若い人がいなく、老人が多いのね」


ミナセがこの図書室までの道に若い人物を『1』人として見ていない

老人や本当若い子……3歳や4歳の戦えない子は見たが、10歳以上は見なかった


「そういう事……まぁ、1つ金になる物を手に入れれば欲もでる

 そんな事を繰り返す内に街に帰らなくなり……結果、人口も減るのさ」


「ローラント……もういい、説明してくれてありがとう、さぁ、本を探そう」


ミナセはローラントの寂しそうな表情を読み取ったのか……本棚に足を進め

適当な本を取り、タイトルを見ては本棚に戻す

その光景を見たローラントは微笑みながらミナセに言う


「その辺は『恋愛』に関する本だぞ? ミナセは子供いるんだろ?

 そんな物より遺跡関連は向こうの本棚だ」


「ローラントはどこに何があるのかわかるの?」


「このぐらいの建物なら数回通えば覚えるさ……ちゃんと整理されているしな

 ああ、ただ……戦闘関連の本は読まないからあんまり覚えてない」


そう言いながらローラントは遺跡の本があるであろう場所までミナセを案内すると

1人、本棚の本を数冊取り、近くの木のテーブルまで持っていき、木の椅子に座る

と本を読み始める

その光景をミナセは微笑みながら見ると、本棚を見て行く……

そんな中、1つの茶色表紙の本に目が行き、その本を手元に取り、タイトルを見る

そこには、こう書かれていた


『……失われた………記憶……辿り……付く』


まったくもって意味のわからないタイトルであるが、ミナセはその本を手元に取り

その場でページを捲る……しかし、本その物が古く強めに持つと塵になりそうなほど脆い、それをミナセは優しくページを見ていくと……1つの絵を見つける


「何……この剣、『s……w……o……r……d』、sword?」


ミナセはそのページを開いたまま、ローラントの座っている席まで歩いていく

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