表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第8章-ミナセ・フィーナベルクの過去-
66/190

第58話-ミナセの過去-3

ミナセが朝起きて部屋の扉を開け、ローラント寝ているはずのソファーまで行くと

ローラントは寝ておらず、ソファーに座ったまま本を読んでいる


「ローラント……もしかして寝てないの?」


「え? ああ……調べ物に熱が入ってな……もう……朝か」


そうは言ったもののローラントはその場に倒れ込みそうになる

それをミナセが胸元で受け止めると、ローラントは寝息なのか本心なのかは不明

だが……言葉を洩らす


「……やわらかい……このまま……寝る」


それを見たミナセは少し怒りそうになったが、自分のために調べ物をしてくれた

と思い、ローラントをそっとソファーに寝かせると、テーブルの上に置いてある

本の一番上を取り、中身を見ているが、ミナセにはその文字は理解できない

なぜなら……それは『遺跡文字』

それに気づいたミナセはその本をテーブルの上に置き、本棚にある本のタイトルに

目を通す


『遺跡探索のコツ』 『探索に必要な物』 『道に迷った時』

『困った時に必要な物』 『女性と付き合う方法』 『遺跡の種類』


などなど、遺跡関係の物が多い、そんな中ミナセは1つの本に目が行き

その本を手に取り、タイトルを見ていると……そこにはこう書かれていた


『遺跡文字初心者解読書』


ミナセが中身を開きページを捲るとそこには遺跡文字らしい物とその読み方を

記した文字が書いてあるのをミナセが確認すると、その本を片手で持ちながら

置いてある椅子を持つとソファーから離れた位置に椅子を置き、そこに座る

本を読みながらミナセは考える……


『遺跡の中にある物は昔の人が作り上げた物……と言う事は今でも使える物が

 あるかもしれない……あとでローラントに聴いて遺跡にある物を貰っても

 いいのか聴いてみよう』


そんなことを考えながらミナセは本を読み進める……

それから数時間が経過した頃、ローラントはソファーから目を覚まし

辺りを見回すとミナセが椅子の上に本を読んでいるのと、テーブルの上には

何個かの本が積み重ねられている、どれも遺跡関連の内容


「ミ、ミナセ……君は古代文字読めるのか?」


「さっき覚えたわ、意外と覚えやすいのね」


「ははは……ミナセはなんでもできるんだな……すごいよ」


そうローラントが褒めるとミナセは苦笑をしながらローラントに言う


「そんな事はないわ、私は料理苦手だし……いつも娘にまかせっきりよ」


「へぇ、娘さんがいるのか、どんな子なんだい?」


「スティナ? あの子は……私なんかよりすごい子よ、たぶんあの歳でなんでも

 1人でできるんじゃないかしら?」


「それはすごいな……でも、名前からして女の子なんだろ? 大丈夫なのかい?」


「問題ないわよ、剣の使い方は教えたし……ある程度の事は、でも

 重たい武器は持てないみたいでね、軽い武器を探しているのよ」


「たしかに女の子には『全長80から90cm』もするロングソードは辛いね」


その言葉を聴いたミナセは驚きの表情でローラントに聴く


「え?! ロングソードって40cmから50cmぐらいじゃないの?」


「何を言ってるんだ? 基本的、ロングソードの長さは80cmから90cmだろ?」


これは……ミナセの言ってる事も正しく、ローラントが言ってる事も正しい

土地によって武器の長さ、物の扱い……全てが違うのだ

どこが可笑しく、どこが正しいなんてない……その土地にある物が正しい


「……じゃあ、ローラント、その半分ぐらいのロングソードってある?」


「半分? 40から45cmぐらいって事だろ? んー……探せばあると思うが?」


「遺跡にはあると思う? 昔の人が使っていた武器とか?」


「遺跡探索なんて物付きしかしないからね……わからない事が多いと思う

 だけど、ミナセがそう言うのならあるのかもしれない」


「あら? ローラントは私を信じてくれるの?」


「信じる? それはまた違うかな? 僕が言いたいのは『面白そう』だからだ」


その言葉を聴いたミナセは少し微笑みながら笑顔でローラントに言う


「そうね、面白い事が一番よね!」


ミナセのその表情を見たローラントは少し『ドキッ』としたが

その言葉に笑顔で返す


「よし! じゃあ武器がありそうな遺跡を調べるために図書室に行く

 準備はいいかい?」


「図書室? 本がいっぱいありそうな建物なのかしら? 良いわよ」


「じゃあ、出発しよう」


ローラントは白い羽織を着た後、何かの紙でメガネを拭き、家の入口の扉を開け

ミナセの方向を向くと、ミナセは来ていたワンピースを見ながら汚れの確認をし

ローラントに付いていく。  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ