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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第8章-ミナセ・フィーナベルクの過去-
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第57話-ミナセの過去-2

「えっと……どうやって……? でも私何も持ってなかったような……

 あ、もしかして『あの石』?」


「石? それはどこにあるんだい? ミナセ……さん、よければ見せてくれ」


「あの……それが、その石は私がここに来た時に壊れてしまって……

 今、私の手元にないんです」


「なるほど……そうか」


ローラントは少し寂しいな顔をしたのでミナセは慌てて話かける


「えっと、たしか……こんな形でこのぐらいの大きさで」


ミナセは自分が持っていた石の形を両手を広げながらローラントに伝える

普通この光景を見た時、大抵の人なら『嘘』『想像』などど馬鹿にするのだが

ローラントは真面目でミナセの手元を見ると独り言を喋り出す


『……そんな石を何かの本で読んだな……たしか……』


ローラントはこの部屋にある木の3段の本棚の前に立つと、1つ手元に本を取ると

ページを素早く捲り違う事がわかると仕舞う、そしてまた本を取りページを捲る

そんな事を何度も繰り返した時、ある本のページの所で手が止まり

その本をミナセの前まで持って来て、ページを見せながら喋る


「この石じゃないか? 『空間転移石』と言うのだが」


「……! これです! この空間転移石です」


「そうか……やっぱりこれか、だが……これは遺跡の中、それも最深部に

 あると書いてある」


「この石が何個か欲しいのですが……だめでしょうか?」


「さすがに厳しいな……遺跡の中には魔物が存在してる、僕は戦闘能力はない

 それに2人で行けるとは思えないな」


「……私はいけます、魔物なんかに負けてる時間なんてないから」


その時のミナセの目は『大丈夫』と物語っているようにローラントに見え

少しだけその『気迫』に引き込まれた


「そうか……ミナセ……さんにはやることがあるみたいだな

 良いだろう、僕も付き合おう」


「ありがとうございます、ローラントさん……ちなみに私には『さん』付けは

 不要ですので、付けなくても構いませんよ」


「了解だ、僕のほうもさんや敬語は不要だ、それでいいかい? ミナセ」


「ええ、構わないわ」


そこでローラントは1つの疑問にたどり着く、ローラントの年齢は『21』

ミナセの年齢が気になるが相手は女性な上に若そうに見える

しかし、気になる物は気になるのでローラントは聴いてみる事にした


「……ミナセ、君の年齢を聴いても構わないか? 僕は今年21になる」


「私? 私は『30』よ、私と随分と違うのね、同じぐらいだと思ったわ」


「……は?」


ローラントは唖然とした、30……今、自分の目の前にいる女性は自分よりも

9歳違うのだ、先程まで自分より若そうと見えたはず……何と言う童顔

それも……その女性は自分の事を『自分と同じぐらい』と言う

正直……ミナセは30ではなく、もっと若いと思ってしまうほどである


「ま、まぁ……いい、ミナセ、出発は明日だ、今日はベット使っていいから

 ゆっくりと休んでくれ、僕はソファーで調べ物をした後、寝るから」


ローラントは寝ろと言う、ミナセは部屋の窓から外を覗くと暗くなっていた

この地域は日が落ちるのが速いとローラントは説明しているように聴こえる

ミナセはそれに従い、部屋の奥にあるベットを借りる事にした


「じゃあ借りる、明日はよろしくね、ローラント」


「ああ、こちらこそ、おやすみ、ミナセ」


ミナセは木の扉を閉め、ベットに行ったのを確認したローラントは本棚の前に行き

何個かの本をソファーの近くのテーブルに積み重ねて置き、一番上の本を取ると

ソファーに寝っ転がったまま、本を読み始めながら独り言を洩らす


『同じ家に女性がいるのだ、簡単に眠れねぇ……よ』


そう独り言を洩らしながらページを捲り、遺跡と石の勉強をする。

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