第55話-ローラント・ヘイズ-
「これで終わり……!」
ミナセの攻撃が最後に立っていた兵士を倒し、全ての兵士を地面に伏せさせた
その光景をその場に立っていたアイリスとミナセは話始める
「……ミナセさん、あなたはどうやってここまで来たんですか?」
「……? ああ、その事ね、その人がいる所まで行くから付いてきなさい」
「わ、わかりました」
アイリスがミナセに付いていくと、それは誰もいない海岸
船付き場からも離れ、王都からも離れ……誰もいないはずの場所に1人いる
その人物がこちらに気づき近寄って来て、話かけてくる
「やぁ……ミナセ、仕事は終わったのかい?」
「終わったわよ、で……スティナが向かう場所わかった?」
「あーっと……そうだね、たぶんだが……『エルミィティガルド』かな」
「へぇ、楽しそうな名前」
ミナセとその男性が話をしているのをミナセの横で聴いていたアイリスは
その男性に話かける
「すみません、私はアイリスと言います……あなたは一体?」
「ああ、申し遅れた、僕は遺跡研究をしている『ローラント・ヘイズ』」
「ローラントさんはミナセさんとお知り合いなんですね?」
「ああ、そうだね……変な剣を見つけてからだからけっこう長い」
アイリスが見る限りこのローラントと言う男性はどこにでもいそうな男性
何か特別な力を持っているようにも見えない。
「あ、ローラント……『空間転移石』はまだある?」
「ないよ、ここに来た時に全部使ったろ?」
「空間転移……?」
アイリスには『空間転移』と言う言葉は馴染がない言葉であり
その意味も知らない、そのためアイリスは2人にその石の事を聴いてみる事にした
「その石は何か特別な力が?」
「ああ、空間転移石の事?
一度使うと砕け散るんだけど……自分が知っている場所
なら飛べるんだよ、まぁ……ミナセが実験とか言って乱用したから
もうないんだけどね」
そう……この『空間転移石』これミナセが突然現れる物であり
ミナセがスティナにばれないように使い、短時間で遺跡探索もでき
なにより塵旋風を回避できた物である
「乱用じゃないわよー、ちゃんと意味があるの!」
「そうかい? 研究できたかもしれない石なんだぜ?
それを勝手に使うし、持ち逃げするし……だから僕が付いてきたんだ」
しかしアイリスの中で1つ納得できた事と納得できない事がある
1つ目の納得できた事、それは『空間転移石』
もう1つの納得できない事は『この男』
あきらかに……この周囲の街にはいない人間であり、遺跡探査とは言うが
この土地に遺跡なんて数は限られている
「ローラントさん……あなたは一体『何者』ですか?」
ローラントは白い羽織とメガネをかけており……そのメガネを上にあげると
不適な笑顔でアイリスを見ると、喋り出す
「よく気づいたね……なぁ、ミナセ、僕達の出会いを説明してもいいかい?」
「別にいいわよ? 減る物でもないし……」
「そうかい、じゃあ説明したほうが速い」
そう言うとローラントは砂の地面にあぐらで座ると立っている2人に座るように
手で下を指差す、それに納得するようにアイリスとミナセは砂の地面に座る
それを確認したローラントはミナセと出会った過去の話を始める