第54話-阻む者達-
ミナセとアイリスがインペリアルガードの群れに辿り着いた時
そこは戦場となっていた……30人ぐらいの人間が戦いを繰り広げ
誰がどこにいるかわからない
そんな中、ミナセは船付き場にいる兵士達に斬りかかる
もちろん、攻撃は当てず目の前でツヴァイヘンダーを振り落ろすだけ
それだけで、その兵士達を挑発するには十分であり
釣られた兵士達を誘導しながらミナセはアイリスに声をかけその場を離れる
「アイリス、私が誘導してるあいだに娘達を船へ」
「……わかりました!」
アイリスは兵士達の群れを掻い潜り、スティナ達を探す
乱戦してる中で『その人』を探すのは難しい
……そう思った時、以外と簡単に見つかった
それは4人が一緒に場所で背中合わせで戦っているのだ
「まったく……来てみたら敵だらけ、ミヤなんとかしろ」
「敵が多すぎるわよ、エステ……斧ぶん回しちゃえ」
「ぶん回すと近寄ってこなくなるんだよ……スティナ、大丈夫か?」
「なんとか大丈夫です!」
その光景を見てミナセがアイリスに娘を託したのかを理解し行動を起こす
「そこのインペリアルガードの兵士共、私を倒す事ができたら結婚してやる
人数が多い場合はそうだな……女性を紹介するのはどうだ?」
血の気が溜まっている兵士達にはアイリスのその言葉は魅力的だった
意図も簡単に兵士達はアイリスに振り向き、攻撃をしかけるため接近する
「……なるほど、接近武器しかもたない連中だけ上手く残したのか」
そうアイリスは独り言を洩らしながら1人、兵士達を引き連れて走る中
アイリスはスティナ達に話かける
「今のうちに船に乗れ!、兵士1人が船を操作する人間に声をかけに行ってる
行けば乗れるさ!」
「アイリスさんは?! それにお母さんは……」
スティナは慌ててアイリスに話かけるが……その声は届かず
兵士達はスティナ達から離れて行く
「あいつらは馬鹿か……剣目的なのに女を追いかけるとは……
スティナ、行くぞ」
ハンナはスティナの腕を掴み、走ろうとするとスティナはその腕を払い
ハンナに言う
「だめです! 2人を助けないと……!」
その言葉にハンナが言葉を発しそうになった時、ミヤがスティナの左手を握り
真面目な顔で言う
「あの2人が船までの道を作ってくれたんですよ、無駄にしないでください」
「そうだな、スティナ、あの2人の行動を無駄にしないために行くぞ」
ミヤとエステの言葉を聴いてスティナが頷くのを確認すると
エステが先頭を走り、ハンナ、ミヤ、スティナを誘導し、船に乗り
エステが船の主に声をかける、すると船が動きだし……船付き場を離れて行く
その光景を見ながら囲まれているアイリスとミナセが背中合わせに立ち
話を始める
「ミナセさん……私は私を倒した相手と結婚になってるので
ミナセさんもそう言う事にしてくださいね」
「え?! 嘘……じゃあ本気を出さないといけないわね!」
ミナセとアイリスは船を見送りながら残った兵士との戦いを始める
その戦いはかなりの時間続いた……2対30、協力してくれた1階級を混ぜて
15対30……あきらかに分が悪い。
「ミナセさぁん……そろそろ辛いんですが……」
「だめよ、この程度で……まだまだ行けるでしょ?」
お互いの兵士が疲労している中、ミナセのみが息を切らさず戦っており
それも誰1人殺す事なく、気絶に追い込んでる
「さすがはミナセさん……ところでどうしてここが分かったんですか?」
「へ? ああ、それは……えーと、あとで紹介してあげる」
「紹介……? 誰か知り合いがいるのですか?」
「まぁ、そんな所……とりあえず、さっさと終わらせるわよ!」
「はいっ!」
ミナセとアイリスの戦いは夜まで続いたと言う……