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第49話-謎のハンカチ-

お母さんと別れ、私はエステさんの方へと急ぐ

急ぐ理由は一番囲まれており、辛いと思ったからである


「エステさん! 助けに来ました!」


私はエステさんの周りいる兵士の外から大声で叫ぶ

叫んだ理由はあって……兵士の気を引き、エステさんが抜けだす隙を作る事

そして、私の声の方向に向いた兵士数人が私に武器を構える


それはインペリガードの兵士達数十人を私1人で相手にしなくてはならない

私がそれを覚悟した時、後ろから声が聴こえる


「おいおい、2階級以下は女子をいじめるのが好きなのかい?」


「女、子供相手じゃないと勝てないんだろ? 察してやれよ」


「ははは、そうだな……じゃあ俺達の力を見せてやろうぜ、お嬢ちゃんに」


私の後ろにいたのはアイリスさんが案内してくれた1階級の詰所の人達

しかし、その人達はインペリアルの服ではなく私服で私にそう言う

私はあまりの事に驚き、私の後ろのいる人達に話かける


「な、なんで……あなた達が私の味方を……?」


「もう、兵士じゃないしな……ならアイリス隊……じゃない

 アイリスさんに協力するのも面白いってやつだよ」


「お前、何良い恰好してんだよ! アイリスさんに良い顔見せたいだけだろ」


「あ、お前、それ言うなよ……まぁ、嬢ちゃん安心しな

 嬢ちゃんは嬢ちゃんの守るべき人を助けな」


そういうと元インペリアルガードの1階級の人達は右手を握り親指を立てると

思い思いに武器を構え、エステさんの周囲にいる兵士達に突撃していく


「よっしゃー! 散々溜まったストレス、ここで吐かせてもらうぜ!」


「おいおい……まぁ、俺もストレス溜まってるからいくぜっ!」


そんな中、1人の男の兵士が私の肩を叩き、一言……私に言う


「大丈夫、俺にまかせな……俺は『小さい子』が大好きだからな」


その言葉に私は嬉しいような嬉しくないようなそんな気分になりながら

その人を苦笑で見送ると……私は援軍に来てくれた人達の隙間を縫うように

走り、無事エステさんの元に辿り着くと、エステさんは不思議な顔で私に言う


「……わざわざ応援に来てくれたのか?」


「うん、ここからは私も一緒に戦うよ」


「わかった……怪我しないように気を付けろよ」


「はいっ」


私はエステさんと背中合わせに立ち、元第1階級の人達が止められなかった

兵士達を向かい打ちながらエステさんは私に話しかける


「……さっきいたのは……まさかスティナの母親か?」


「うん、なんで『ここ』にいるかわからないけど……私を助けてくれたの」


「そうか……よかったな、俺もミナセさんの戦い見たかったけど……

 今は……目の前の野郎共を倒すか……」


「なるべく殺さないように……してね」


「はいよ、お姫様」


エステさんは笑いながら一歩前にでて私を守るように立つ

その後ろ姿は敵の兵士に斬られたであろう斬り傷が幾つもあり血がでている

私はその背中の血をスカートのポケットに入っていたハンカチで拭くと

エステさんがそれに気づき、私に話かける


「ん……ありがとうな、だけど……スティナ、お前ハンカチ持ってたか?」


「え……?」


私は今までポケットには何も入っていなかったはずなのに……と

そう思いながらハンカチを広げてみると……名前が書いてあった


『あいりす・ろーれらい』


アイリスさんのハンカチがどうして私のポケットに……それもひらがなで

私は思いだす……あの時、お母さんがこっそり私のポケットにハンカチを入れて

いた……らしい、それも……『ひらがな』なのは私の予測だが

これはアイリスさんの昔のハンカチ

昔と言ってもすごく綺麗なのでお母さんが洗濯していたのだろう。


「……? どうした?」


エステさんが敵の攻撃を弾きながら私が何も言わないのを心配そうに言う

私は慌ててアイリスさんの名前を隠し、ポケットに仕舞うと武器を構え

エステさんに話かける


「ほ、ほら……敵がまた来ますよ!」


「だ、大丈夫そうだな? じゃあ張り切るか」


エステさんは再度目の前の敵と対峙する中、私はポケットの中のハンカチが

気になり、考え事をしていると目の前に敵兵士が現れ、剣を振られる

それをエステさんが剣を弾き、私の目の前の兵士を斬りながら言う


「おいおい、まじで大丈夫か? 心配になってきたぞ……」


「だ、大丈夫です! 次からは大丈夫ですから」


私はそう言い頷くとエステさんは私の後ろに背中合わせに立ち武器を構え直す

今は目の前の戦いを終わらせるために今を頑張る事にした。

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