第40話-1人ぼっちの戦い-
「ヒーナ……さん、どうしてここに……」
私は驚きと動揺を隠せなかった
御旗のヒーナさんが私の目の前にいて話かけてくるのだから
「そーれーはーその剣を奪って金稼いだりいろいろとね」
しかし……場所が悪い、依頼発行場の中で戦いを行えば周りの迷惑な上
私の素性がわかってしまい、襲われるからである
それを考えた私はヒーナさんに言う。
「ここだと騒ぎになります、外にいきましょう」
「良いわよ、じゃあ外に」
ヒーナさんは笑顔を浮かべながら外へ行く
明らかに『私が外に出る』と言うのを読み取ったようにも見えた
そして外に出た私は……ヒーナさんの笑顔を理解する。
「姉さん、こいつを捕まえれば本当に金くれるんだよな?」
「もちろん、捕まえた人には40,000ゴールドよ」
ヒーナさん以外にざっと見た感じ30人ぐらいの賞金稼ぎがいる
私のほうは……私1人、ロスト・ヘレン・ブレードが抜けるかも怪しい中
ロストに話かけてみる。
「ロスト……今の私に抜ける……?」
『無理だな……今のお前さんには『恐怖』の感情しかない』
「それも思いでしょ? それじゃだめなの?!」
『思いというのはお前自身が誰かのために……に思う気持ちだ
ようは『助ける』『守る』『勝つ』言う気持ちだな』
「……何それ不便じゃん」
「ねぇ、スティナ……そろそろ独り言はもういい? 始めるよ?」
ヒーナさんは私の独り言……剣が喋るのを知らないからだけど
律儀に私を待っていてくれたのだ……だけどヒーナさんの目が可愛そうに子を
見てるようでちょっと恥ずかしかった。
「……すみません、5分だけ時間くれません?」
「だめよ、その隙に逃げるでしょ」
「……しかたない、ここは……」
「は?」
ヒーナさんが私の方を向いた時……私は『そこ』いない
これはミヤの『ハイド』の真似……だけど、ミヤのように上手く行くわけがない
それは私が一番よくわかっている。
「はぁ……今度はミヤの真似事ね、でも……できたのは一瞬……ね」
ヒーナさんが私に気づき、愛用の銃『フィース・ステォール・ライフル』
片方の銃は私が壊しため、1本は色が違う
それを構え、私めがけて撃つ……それを私は横に避けるが、私の位置がばれる
周りにいた賞金稼ぎも私に気づくが、私の位置は包囲されていた場所から
抜け出ているため、走り出す
しかし……私の足は速かったと言っても、賞金稼ぎ数十人とヒーナさん
その中には足の速い人はいるわけで……少しずつ私との距離が詰まっていく
私は運よく、脇道を見つけそこに逃げ、上手く巻いていくつもりだったのが
逆に誘導されていたらしく、私は空き地に辿り着く
もちろん、周りは塀があり……逃げ道はなく、かと言って来た道には
賞金稼ぎとヒーナさんが陣取っていて私に話かける。
「残念でした、スティナ……もう、諦めなよ……ね?」
ヒーナさんの優しい言い方とは裏腹にじりじりと距離が詰められる
私はその中、1人ロングソードを構えた時、ロストが独り言を言う
『この気配は……まさか……』