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第33話-ハンナの1日-

私は1人、あの時の鍛冶屋に向かう

向かうと言う事は『また』スティナのお母さんを演じないといけないわけだが……


そして鍛冶屋に付き、中に入ると鍛冶屋の主人が笑顔で向かって来て私に話かける


「あれ? どうしたんですか?! 武器はまだ制作途中なのですが……」


「えっと……その実は、急な用事で明日の朝にはでないといけないんです……」


「なんと……ってことは武器を今日か明日の朝までって事ですね?」


「そういう事になります……私もお手伝いするの今日中になんとかなりません?」


「いやいや、お客様に手伝わせるわけには……」


「大丈夫です! 腕っぷしには自信があります!」


「はは、でしたらお願いできますか? 半分はできてるのですが『この』部分を

 お願いできませんか? 私はこちらをやってしまうので」


「わっかりましたー」


私は鍛冶屋の主人に頼まれた部分を言われた通り、ハンマーで叩いたりと

制作を頑張る……しかし、私の作業は鍛冶屋の主人は唖然とした顔で見ながら

私に話しかける。


「す、すごいですね……! 御淑やかそうなお母さんがここまでできるとは……」


『しまった』と私は心の中でそう思ったが……それが問題ではない

スティナと言う子供がいる母親が鍛冶をできると言うのは正直微妙……だが

スティナの母親に比べれば正直『その程度』だと私は勝手に思っている


「前に教えてくれた方がいまして……それで少しだけできるんです」


「なるほど……世の中は広いですね……」


世の中が広いのなら私なんて、その世の中の一部にも満たないだろう

それに誰かが教えてくれた訳ではなく、鍛冶は昔に自分で覚えたが

そこまで器用ではないため、買ったり作って貰う事がほとんどである。


「そんな事はないですよ、私なんてまだまだ……」


「……そうですか、気にしない事にします」


それから数時間後、私の武器は完成した

その武器の名前は……


「名前はどうしましょうか? ハンナさんが付けてください」


「そうですね……『ツヴァイ・アーツ・トンファ』ってどうでしょう?」


「ツヴァイ・アーツ・トンファ……良い名前ですね!」


『ツヴァイ・アーツ・トンファ』

トンファーナイフの改良系と言っても過言はない

しかし、トンファーのリーチを伸ばすためにもう1本トンファーを付け折り畳みにし折り畳み部分を自由に曲げ左右に攻撃できるようにした

これを生み出したのはミヤのアルインダーナイフが元となっており

それを鍛冶屋に提案し、制作に至たり、もちろん、ツヴァイの名に恥じないよう

2本用意されており、ハンナがそれを装備する。


「あとですね、これは私からのプレゼントです」


鍛冶屋の主人がハンナに渡したのは『トンファー用の腰バックル』

ベルト式ではなく装着式のため、戦闘の邪魔にならない工夫になっている


「いいんですか? これの代金もお支払させていただきます」


「いいですよ、良い武器を作らせてくれたお礼です」


「ありがとうございます」


私は笑顔で、鍛冶屋の主人からバックルを受け取ると腰の装着しそこに

トンファーを仕舞う、折り畳み式にした分、コンパクトになって見た目も悪くない


「では、私は失礼します」


「お気をつけて、良い旅を……」


私は一礼すると店の外へと出る、

その後、店の主人が代金を数えるとある事に気づく……


「あれ? 代金多いような……50,000のはずなのに80,000ある……

 っと、手紙付き? どれどれ……」


そこにはこう書かれていた。


『良い武器をありがとうございます、私の急な用事のために急いでくださり

 そのお礼として代金を上乗せさせていただきました、もちろんバックルの

 代金は含まれていないので、大丈夫です。 ハンナより』


それから私は『依頼発行場』の近くを通りかかると『手配書』が貼り出されている

それも顔絵付きで……それに私は目をやり、内容を読む。


『馬車を襲った2人組の盗賊、現在王都に潜伏中、盗賊に関係ある私物を

 王都巡回兵に渡した者には金一封を渡す』


私はそれを見て半分ほど信用していなかった、理由は簡単だ

関係ない物を渡して金を貰おうとする輩はいるはず、私はそれが許せない

だから……私は誰にも負けたくない。


そう思いながら私は走り出す……走り出してしばらくするとスラム街に付き

当たりを見回すと、どこからか聞きなれた声がしたので

その方向へ走ると、そこにはエステが手配書の盗賊と戦っている所だった……


私はしばらく様子を見ていると丁度エステが背後から襲われそうになっているので

私はそいつを吹き飛ばし、盗賊2人の懐からこっそりと財布を抜き取った後

エステと別れ、巡回兵士に『中身が空っぽになった名前入りの財布』

を渡し金一封を貰う、その額は26,000ゴールド

名前入りの分もあり値段は上乗せされたのだろう


私は巡回兵士と別れ、『依頼発行場』に向かいながら先程の『財布の中身』

が入った袋を広げ額を調べると、盗賊2人分の合計で15,000ゴールドほどだった


『合計で41,000か……これでしばらくは持つが……依頼はしておくか』


私はそう心の中で思いながら走り出す。



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