プロローグ-4-
リドラーさんの寂しく悲しい感情ような物が気になり私が聴こうとした時
リドラーさんが私に言う。
「まぁ……俺の話はいい、お嬢ちゃん、あんたの名前教えてくれないか?」
「あ……はい、私は『スティナ・フィーナベルク』って言います」
「スティナちゃんか……で、どうしてアジトの中に?」
「私がこのアジトの中で……倒れていたんですか?」
「ああ、そうだが?」
リドラーさんは不思議な表情で私の顔を見てくる
もちろん、私がどういう状態でそこにいて、ベットに運ばれたかはしらない
それについてリドラーさんに聴いた所わからなかった。
わからないと言う事は他の人物が私を助け、ここまで運びベットに寝かせた後
この人……リドラーさんに話を通したと言う事になる。
リドラーさんは状況を察したのか椅子から立ち上がり、私に言う。
「すまないが、スティナちゃんを助けた人物に状況を聴いてくる」
そう言うとリドラーさんは私のいる部屋を出ていく……
保護されているのか捕虜になっているかはわからないが私が逃げ出すと
彼は考えなかったのか……それとも私が『逃げない』とわかっているのか
それはリドラーさんにしかわからない。
それから数分経過した頃、リドラーさんは私の部屋に戻ってきて状況を説明する
ただ……状況を聴いたはいいが、助けた人物の説明を聴いてもわからない部分が
あり、頭をかきながらリドラーさんは説明してくれた。
私が落ちてきたのは『上』かららしい、しかし……上と言っても『砂』であり
その砂は頑丈で人一人ジャンプしたり爆弾を置いたとしても簡単に穴が開いたり
するわけもない、それも、私が落ちたきた上……天井に穴はなかったと言う
「……こんなわけなんだが、スティナちゃんは上でどうなったんだ?」
リドラーさんが疑問に思うのも納得がいく、この硬い砂の上からどうやって貫通し
このアジトに落ちて来たのか……それも、落ちてきた穴は開いてないのだ。
「えっと……私の住んでいた村に塵旋風が発生して……」
私は言葉に詰まりながら『上』で起きた状況を説明する
リドラーさんは私の上手くもない説明を黙って頷き、時に首を傾げながら聴いた
ただ1つ……私は説明していない事がある、それは……
『同じ村の人に砂の波に落とされた事である』
別に話をしても問題はなく……同情を貰えたのかもしれないが
今、リドラーさんが聴きたいのは『それ』ではないし、私も言いたくはなかった。
「……いくら塵旋風と言う天災があったとしても……落ちてくる事は……」
リドラーさんはどうして首を傾げ、ここまで悩んでいるのか私はわからなかった
この砂と砂の間から外に出る事はわかっている、理由は先程の彼の会話から
『国の兵士』省略して『国兵』と戦っているわけで上に行けるのがわかる。
「えっと……それなら、この上に出て調べればいいと思うんですけど……」
私がそう言った時、リドラーさんは不思議な顔で私に言う。
「何を言ってるんだ?……この上には街があるんだぞ?」
そう……私が『ここ』に辿り着くのは『ありえない現象』だった。