第31話-1日の過ごし方-
私達はエステさんに誘導されながら中央の『依頼発行場』から離れ住宅密集地に
移動し、民宿のような小さな宿屋の中に入り、4人部屋に入るとミヤが口を開く。
「……あんた、王都に詳しいわね、まさかインペリアルガードじゃないわよね?」
「ちがうちがう、俺はこの王都に住んでいて遊び場みたいな物なんだよ」
「……発行場取り締まっていたり……手回しが良すぎないか……?」
ミヤの会話にハンナさんは口を挟み、エステさんを疑いにかかる
そんな中、エステさんは両手で腕組みしながら2人に言う。
「だから、そんな事はないさ、俺の家族は王都の国兵に殺されてるんだぜ?
なぜ奴らに協力しないといけない」
「国兵が……? 聴いてもよければ……なぜ殺されたか聴いてもいいか?」
「……別に減るもんでもないし、聴かせてやるよ」
エステの家族、父親と母親は王都のスラム街出身だった
しかし貴族の連中がスラム街を無くそうとお金を積んで国兵に言ったらしい
『スラム街の連中事、消し去ってほしい』と、しかし……民を守る兵士達は
そのお金を受け取らなかった……まではよかったのだが、一部の兵士達が
お金を受け取り、スラム街の人々を殺しにかかった、もちろんすぐに収拾は付いたが、その時に殺された人は多く、数えられるほどで100人は超えていた。
「……そんな事があったのか」
「あったわよ、ちなみに私の家族も今言ったやつに巻き込まれた」
エステが喋り終わり、ハンナさんが言葉を発した所でミヤがそう言った
「ミヤとミヤの家族って王都出身だったの?」
私がミヤにそう聴くとミヤは『そうですよ』と答えてくれる
と言う事はエステさんの話は本当であり、勘違いだった事がわかる。
「……悪かったな、疑って」
「いいや、構わないさ……で、スティナ後1日どうする?」
「えーと……依頼発行場の依頼をしながらってだめなんですか?」
「別に大丈夫だと思うが……3日目にはインペリアルの連中が襲ってくるかもだぜ
それでもいいのか?」
「えっと、今日皆さんで依頼をしながらお金を稼いで今後の代金にしたいなと
ハンナさんに甘えてばかりじゃいけないですし、それに……3日目は
ハンナさんの武器を受け取って早朝にでれれば大丈夫かな……と」
「……なるほど、それなら依頼をやる前に店によって朝に取りに行く事を伝える」
「わかりました! お姉様、依頼を軽く片づけてお金手にいれますね」
「それは了解したが……全員単独はまずい、スティナは誰かに付いていけ」
エステさんがそう言うと、ミヤ、ハンナさん、エステさんが私の顔を見ながら
『誰にする?』と顔で聴いてきてるように思える。
私はその3人の中から……ミヤを選ぶ事にした。
「よろしくね、ミヤ」
「まっかせてください! 依頼頑張りましょうね!」
ミヤは両手を腰に当てながら私に笑顔で言う、それを見たハンナさんは皆に言う
「よし、じゃあ今日1日……やる事を終わらせて……またここに集合だ」
「わかった、多少は金稼いでくるぜ」
「私もお姉様と一緒に頑張ります!」
「私もミヤと一緒に頑張ってきます」
「では……また会おう」
私達4人は宿屋の外に出ると別々の方向へと歩いていく。