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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第4章-旅は何時も行き当たりばったり-
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第30話-視野と経験-

「な……何をやった貴様ぁぁぁ!」


ラフトは自分の武器を壊された事に怒り、エステを掴もうと両手を広げ襲う

しかし、エステが対応する前にミヤがラフトの腹を勢いよく蹴り飛ばし言い放つ


「その程度もわからない癖に……よく第2階級だなんて言えるわね

 ちなみにそれ以上近づくとお姉様に汗が飛ぶから勘弁」


別にエステを助けるためにラフトを吹き飛ばしたわけではなく

ミヤはスティナの周りにラフトを近寄らせたくないだけである


吹き飛ばされたラフトは立ち上がり、ミヤに声をかける。


「中々良い蹴りだ! 俺の嫁にならないか?!」


「断る、何があっても何をくれてもあんたには興味もわかない」


ラフトはミヤのその言葉にショックを受け、地面に倒れ込むが

ミヤは知らん顔しながらエステに話かける。


「さっきのは目線の誘導と細かな動作による物ね」


「ほぅ、見えていたか……さすがミヤ・ステイラー」


2人が話をしているのを私は意味がわからず、ハンナさんに聴くと

ハンナさんは丁寧に説明してくれる。


エステが投げた第2形態のキル・マッチ、これは斧を2本くっ付け物

これを投げればエステが手に持っている物は斧を動かす糸だけになる

ラフトはそう思い、飛んでいる斧を撃ち落とすために攻撃を繰り返してる間に

斧の1本を手元に引き寄せ、もう一度投げる

しかし……ラフトの武器が動いていて当てにくいため、エステはラフトに声をかけ

動けを止め、その隙に当てたのだ。


「す、すごい……エステさんってすごい方だったんですね」


「それは違うぞ……スティナ、相手の目線や行動、それを読み取る洞察力

 エステが一体どれだけ殺し合いを経験したのかを物語っている……」


ハンナさんは真面目な顔でそう言い、エステさんの事を見ている

その視線は『興味』ではなく別の何かのように私は思った。


「お前らの大将はこの様だ……今日1日見なかった事にするんだな」


エステさんは周りの兵士にそういい、道を開けてもらう

もちろん盗賊ならここで襲いかかってくるが、兵士達にも兵士のプライドがあり

隊長であるラフトが倒れた事により戦意消失したのだ。


私達はエステに続いて『依頼発行場』を辿り付くが中に入らず裏手に回る

しかし、そこには何もない。


「何よ、何もないじゃない? 私にここで野宿しろって事?」


「ちげぇよ、ちょっと待ってろ」


エステはそう言うと『依頼発行場』の裏手の扉から中に入った後

その扉を見ると『関係者以外立ち入り禁止』と書いてある


しばらくして……エステさんが外にでて来て私達に言う。


「上手い事馬車を調達できた、それに乗って港を目指す」


「港……? どうしてそこに行くんだ?」


「お前らは追われてるんだろ? それなら別の土地に行って仕舞えばいい」


この世界『コスタインスティア』は全てが砂漠と言うわけではない

と言うより、小さい島に別れておりその場所、その場所によって街の内容など

違う事が多いが……似たような所も数多くあり

その全ての島をまとめて『コスタインスティア』と呼んでいる。


「なるほど……その手があったか、だが私は砂漠以外の所は知らないぞ?」


「私も知らない、というか砂漠以外の場所ってあるんですかね? お姉様」


「お母さんの話だとある見たいだよ?」


私の母親はいなくなる前に私にいろんな事を話してくれた。

砂漠以外にもいろんな場所があって街も人も違い楽しめる事が多いと

しかし、この場所から別の地域に移ろうと考える人は少なく、船が来る頻度も低い


「スティナはいろいろ知っているみたいだな、まぁ……俺も詳しくないが

 そのほうが安全だろ」


「だな……だが、あと2日待ってくれないか? 私の武器が……まだなんだ」


「2日?! 以外に長いな……後1日、彼奴らを凌ぐのか」


「悪い……どうしても無理なら、その金を持って逃げてくれても構わない」


ハンナさんが真面目な顔でエステにそう言うと、

エステはお金を入っていた袋を出しハンナさんに言う。


「悪いな、さっき貰った金は馬車代やらで全部使っちまった、だから……

 ここで置いてかれるといろいろと俺の生活が困る、だから付いてくぜ」


「そうか……助かる」


ハンナさんは少しだけ微笑むと再度エステさんが喋り出す。


「一応、見つかりにくい場所の宿屋も取ってもらった、そこに行こう」


「エステさんって『依頼発行場』に知り合い多いんですか?」


「ん? ああ、俺は『依頼発行場』を取り仕切ってるだよ」


エステさんのいきなりの言葉に3人は唖然としながらエステさんに付いていく。

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