表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第4章-旅は何時も行き当たりばったり-
33/190

第25話-依頼と話の裏側-

「えっと……改めてよろしくおねがいします、エステさん」


「ああ、こちらこそ……スティナ」


エステさんと一緒に私は護衛対象の場所へ移動する

そこは王都の貴族街にあるお金持ちの家


外観は貴族の豪邸と言ってもいいよな大きさだが、庭は存在しなく

どちらかと言うと『家だけ豪華』にしたような家である。


「さぁて……いくか」


エステさんがその家の扉をノックすると扉の奥から『ふとった小父さん』が

のしのしと歩きながらでてきて、私達に声をかける。


「……依頼のやつらか、ここで警護してもらういいな」


「ここで? 門のまで警備員みたく立ってろって事か?」


エステさんは嫌な顔をしながら依頼対象の小父さんに言った

すると、小父さんは少し嫌な顔をしながら言う。


「ああ、そうだ、窓は全て塞いだ、ここだけ守ればいい、いいな」


「了解」


エステさんがそう言ったのを確認すると依頼主は家の中に入り扉の鍵をしめる

それを見た後、エステさんは私に話かける。


「あー、ここの爺、依頼金払わないかもしれないな」


「……? どういうことです?」


「外でって事は簡単に侵入を許す可能性があるのと、外だから依頼主が見えない

 適当な理由を付けて依頼金を誤魔化すのさ」


「それは酷いですね……」


「酷い? 依頼金を誤魔化すのに上等な手段だな、人間と言うのは

 自分に甘い生物なうえに自分の欲には一丁前だ」


「どういう事なんですか……?」


「ようは、自分は守ってもらうが金は払わない、自分に利益はあるが

 俺達には利益なんてない、本人が得する事しか考えてないんだ」


「じゃあ諦めてしまうんですか?」


私がそうエステさんに聴いた時、エステさんは笑いながら私に言い

警護の仕事が始まる。


「諦めるわけないだろ、盗賊捕まえて目の前に突き出せば勝ちだ」


その後……盗賊が来る気配はない、私が諦めかけた時

エステさんは動き出しながら言う。


「ちょっと……いってくる、すぐ戻るさ」


「はい? わかりました」


特に何もなく時間が過ぎていくだけであり、ただ立っているのも正直疲れる

エステさんが動きたくなるのも納得が行く。


その頃……エステは家の裏にいて、誰かに話かける。


「まったく、女の子に外で用を足すとも言えねぇし……はぁ、めんどくせ

 特に裏から入ろうとする盗賊は……な」


そう言ってエステは武器を構える、2本の斧『キル・マッチ』を


『キル・マッチ』

45cmの斧を2本持ち

その2本の持ち手には糸が括り付けられており、ブーメランように投げる事が可能

ハンドアックスより刃を鋭く、持ち手に糸が切れないように細工してあるなど

エステのオーダーメイド品であるため、本人曰く『別物』らしい。


「ちっ、適当にデマ流しとけば油断すると思ったのに……」


「はぁ……俺も舐められた者だ……名も無き盗賊1と2……とっと終わらせるぞ」


「おい、俺達にも名前が!」


私はエステさんが戻ってこない事に心配していると、エステさんは戻ってきて

私の目の前に『何か』を投げながら言う。


「そいつ、ここ襲おうとした盗賊2、でこっちが盗賊1、明日の朝になったら

 依頼主に渡すから、よろしくな」


「……はい、わかりました」


私のいないあいだにエステさんは盗賊2人を気絶させ縛ってここまで引き釣り

ここまで持ってきてくれたのだ、問題は私の出番がない事


そんな事を思いながら朝を迎え、依頼主に盗賊2人を渡すと罰の悪そうな顔を

しながらお礼を渡そうとするが……エステさんが依頼主に何やら話をしている


「おい、こいつらお前が用意したやつだよな? 王都の連中にばらすぞ」


「そんな事はしらん、こいつらが勝手に!」


「そうかい、じゃあ遠慮なくばらすわ、お前がこいつらを使って警備員を使い

 ワザと中に入らせ『何も入っていない箱』盗ませ、警備員に文句を言い

 結果的に無料で警備させると言うことを、ばらすな」


「……いくら欲しい」


「占めて、100,000ゴールド」


「……わかった、その変わり黙っててくれよ?」


「はいよ」


私はエステさんと依頼主の会話が分からず待っているとしばらくして

話が終わったエステさんが私に近寄りお金を渡してくれる。


「あれ? 10,000の半分ずつで5000のはずじゃ……?」


「盗賊2人分奮発してくれて、お互いの手取りは50,000だ、よかったな」


「本当ですか? よかった」


「さてっと……依頼は終わった事だし、もう1つの依頼を終わらせるか」


「もう1つですか?」


「そうそう、スティナを無事、送り届けるのが依頼だからな」


「あ、ありがとうございます?」


私はエステさんに言われるがまま、自分の寝ていた宿屋を案内する

案内しながら私はある事に気づく、それは……あいかわらず『お子様』扱い

たしかに身長(150)は年齢(16)に比べると低いけど、とちょっと悲しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ