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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第3章-加速する時間の流れ-
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第20話-模倣と真似-

「スティナ、その剣を地面に置け!」


リクの叫び声が私達を威圧する

ヒーナもリクの隣で武器をこちらに向けている、その武器に私は見覚えがなく

小さな声でミヤに聴くと教えてくれる。


『ツー・ステォール・ライフル』

戦闘などで壊れたり捨てられた物から作った2本の銃

弾丸は石で銃の中で摩擦の力で削り打ち抜く

人間の体は貫かないが、連射する事によって致命傷を与える。


「だから当たらないでくださいね、お姉様」


「いざとなったら……私が体で受け止めてやる」


ハンナは胸元を右手で叩き笑顔を浮かべる

ミヤもそれに頷き、元味方に武器を構える……


この時のハンナさんとミヤの気持ちはわからない

私だったら嫌、仲間だった人に武器を構えるのは……でも今、目の前で私を守り

戦おうとしてる人達と並べ立てるように私もロングソードを構える。


それを見たヒーナが笑いながらリクに言う。


「ねぇリク見てよ! 1人弱い子がいる……ハンデにはちょうどいいわね」


「……真面目にやれ、潰されるぞ」


「は? たかがロングソードの子に負けるわけないでしょ」


その一瞬を私は見逃さなかった、その時の一瞬は誰よりも速く地面を蹴り

誰よりも速くヒーナさんの銃1本を切り裂き、反対側に抜け

ロングソードを鞘に仕舞う。


「な……あなた……そんなに強かったの?」


私は微笑みながら答える。


「ハンナさんの真似です」


そう前の戦いの時、ミヤとハンナさんが見せてくれた動きを真似した

私は剣だけを使えば……たぶん、誰にも勝てない

それなら足を利用すればいい、村の中で一番速かったのだから……


「おい、ミヤ……私はスティナにあんな動きを見せていないぞ」


「え? 見せたから真似って……どういう事?」


「私はって言った……あれはミヤの真似だ……私を助ける時に飛び込んで来たろ」


「ま……まさか、あの1回で私の動きを? もしかしてお姉様ってすごい?」


「多分な……元々……いや、あれは……鍛錬の成果か? しかし……」


ハンナはそこで疑問に思った

スティナの母親は謎が多く話を聴いた感じではまるで超人かなにかと思った

もしも……もしもだ、母親がいた頃、スティナを鍛えていて、今開花したのかも

しれない、それをしたのは紛れもなく『ロスト・ヘレン・ブレード』


「ハンナ……私達の出る幕はないわ」


「どういう事だ?」


ハンナは考え事をしていたせいで目の前を見ていなかった

ミヤに言われ前を見た時……ハンナは驚いた

ヒーナとリク2人を相手にしながらスティナは立ち会っている

それも……ハンナ自身の動きを見るかのように


「チッ、スティナの奴、あんなに動けたか?!」


「知らないわよ! でも……どこかで見た動きよね?」


リクの拳を私は剣の刃で受ける、これはハンナが見せてくれた動き

次にヒーナさんの弾丸、これは射撃だが弓矢に比べれば遅い

それならば、ミヤが見せてくれた矢の弾き方

2人が見せてくれた動きを真似して動いていく

これは……母親から教わった方法……その言葉を思い出す


『スティナ、もしも戦い方が上手い人がいたらその人の動きを見なさい

 初めは真似でもかまわないわ、私もそうだったもの……あなたにならできる

 だから、その人に対するお礼も込めて真似なさい、その人の動きを誇るように』


そう教わった……だから私はハンナさんとミヤの動きを誇るように真似るだけ


「それはハンナの避け方だ! そのくらい俺でもわかるぜ!」


リクはハンナの回避の動く先に拳をやる、しかしそこに私はいない

私がいるのはリクの肩に片手をついて反対側に回る。


「あれは……私がリク相手にやった方法……まさか見てたの……?」


「そうだよ、ミヤ……声は聴こえなかったけど見ちゃった」


私は笑顔でミヤに言い、ヒーナの回し蹴りをしゃがんで避ける

これはリドラーさんが1回私にやった回し蹴り……ヒーナさんのほうが遅いけど


「真似事ばかり! あんた自身はどうなのさ! 真似事女め!」


ヒーナは攻撃が当たらない事にイラツキ、私に銃を撃つ

これで何度目だろうか……ヒーナさんが私に銃を撃つのは……

数えるぐらいしかないけど弾いていくうちに『覚えた』

石の弾なんて『斬ってしまえばいいと』


「っ!」


私は刃を水平に持ち、石を半分に切り裂く

その光景を見たヒーナさんは尻餅をつき、私をみやげながら言う。


「う、嘘でしょ……弾を斬るなんて……あんた……何なのよ!」


「私は私……『スティナ・フィーナベルク』です」


戦意を失ったヒーナに比べリクは両手の拳を前に私に言う。


「強いほうが燃える……あの時のお前は手加減でもしていたのか?」


「いいえ……母親の言った意味が、今更理解しただけです」


「そうか……なら、遠慮はしない!」


リクの左からの拳を横に避ける、それに反応してリクは右の拳を挟むように

私に向ける、しかしその攻撃を私はしゃがんで避けるが、リクの膝蹴りが来る

それを剣で間一髪防ぐが私は吹き飛ばされ……ハンナさんに支えられる。


リクが追撃を駆けるべく前に出て着た時、私のままミヤが立ち言う。


「お姉様、ごめんなさい……『ちょっと』だけ口悪くなりますね」


「……うん、おねがい……頑張って」


「はい」


ミヤはその言葉を残すと両手に持った『アルインダーナイフ』を構え『姿を消す』

姿が見えないまま、リクにミヤが話かける。


「言ったよな……お姉様に手をだしたらるってよぉ」


ミヤの『殺意』が周囲を刺激する。



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