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ここから始まる表と裏の物語-the back a story-episode1  作者: 鈴菜
第3章-加速する時間の流れ-
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第18話-ロスト・ヘレン・ブレード-

「そうだな……スティナに対して何かあるのは当然だな」


「たとえば?」


「たとえば……誰でも剣を抜けるようにしろ……とかか?」


ハンナのその言葉を聴いて、ミヤはある事に気づく

それは、ハンナも『剣』が喋れるのを知らない事


「ねぇ、ハンナ」


「どうした? ミヤ?」


「ハンナは剣が喋ると思う?」


「は? 武器が喋るわけがないだろ」


普通の常識がある人間なら、こう言うのが当たり前

しかし……ミヤは笑いながら私に話かけてくる。


「お姉様、喋らせちゃっていいですよ」


「え……うん、わかった」


そうは言った物の私自身の力で剣を喋らせたり、腹話術をしてるわけではない

だから……どうしたらいいか悩んでいると、剣であるロストが喋り出す。


『……たしかに俺はスティナの物だが、喋る権利ぐらいは自由だろ』


「な……剣が喋った……?!」


「お姉様の剣は優秀だから喋るのよ」


「す、すごいな……それなら溶断も納得できる」


『で……ハンナとか言うやつ、俺が狙われているのだな?』


ハンナは剣の言葉に頷くと、ロストに質問する

それは先程……私の部屋でロストがミヤと私にしてくれた会話

それを聴いたハンナは納得したが疑問がでたのだろう、ロストに質問する。


「2つ質問なんだが……あの技は何度でもできるのか? 

 それと、お前はスティナにしか抜けないのか?」


『答えてやろう、まず1つ目は俺は遠距離溶断波はできる

 だが……それを打つのはスティナだ、だからスティナ自身の力の持ちようだ』


「と言う事は、スティナが鍛錬して力を付ければ2発、3発と打てるのか?」


『無理だな、力と言っても……スティナに込められた思いで打つ技だ』


なんだそれ、メンドクサイとこの場にいた3人のうち2人は思っただろう

その3人の内の1人……私はそうは思わなかった

それは、あの時『助けたい』と言う思いが抜けない剣を抜きあの技を打った

だから私はロストの言葉に1人納得している。


『で、2つ目だが……こいつ、スティナしか抜けないな

 理由は……スティナの母親がこいつにしか抜けないように細工したから』


「細工だと……? それならその細工をどうにかしてしまえば抜けるのか?」


『無理だな、この細工は誰1人として解けない、スティナ本人だとしてもだ

 ちなみにだが……今のこいつになら抜けるが、他のやつは持てない』


私はその言葉に気になり剣に触れる、その時ロストは黙ったまま私を受け入れ

剣が抜ける……あの時と同じように刃が綺麗で吸い込まれそうな武器


『スティナ、2人に俺を渡してみろ』


私はロストに言われるがまま、剣をとりあえずミヤに渡そうと手渡しするが

剣がミヤの手を『すり抜ける』

それを見たミヤは驚き、喋ろうとするが、ハンナが止め、変わりに受取るため

手を伸ばすが……剣はハンナの手を『すり抜ける』


2人の奇妙な光景を見た私はロストに聴く事にした。


「どういう事? 私はちゃんと持てるのに、他の人は持てないの?」


『そうだな、持てるというより……持っているが正しいな』


「え…? どういう事?」


『それは……』


『ロスト・タイム・システム』

開発者はスティナの母親、このシステムは特定の人物のみを認識し『持つ』事が

できる、それ以外の人物が持とうとすると『拒否』反応が起きる

拒否反応が起きるのはスティナが気を失っている時、または剣をわかっていない時

強引に抜こうとすれば抜こうとした人物の命を奪う

今の『すり抜ける』はスティナが起きているため他の人物が『持つ』事を認識し

物体をすり抜ける、それにより『そこにあってそこにない』物となる。


『ロストタイムシステム』をロストが説明してくれたが理解できた者はいなく

3人とも首を傾げた、たしかに『機械』は流通しているが、ここまで難解で

壊せそうもないシステムをスティナの母親が作った事であり

それもスティナ自身『母親は不器用』だと言っていたのが嘘にもなりそうな

そんなシステムである。


「……スティナ、お前の母親は……何者だ?」


「私も正直わからなくなりました……不器用でのほほんとしてた母親が

 こんなに凄い事をやってのけたなんて……」


「まぁ、その『なんたら』ってお陰でお姉様以外は触れないし抜けない

 これで剣は安全なんですけど……お姉様自身はどうしましょうか?」


ミナのその言葉にハンナは『ぁ』とした表情を浮かべた後

誤魔化すようにハンナは喋り出す。


「こうなったら……私とミヤで……護衛する」


ミヤは『話す前と何も変わってないじゃん』と言いながらも頷いている

私は……2人に頭を下げながら部屋に響き渡りそうな声で言う。


「よろしくおねがいします!」





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