第16話-剣の正体、ミヤの思い-
「あ……れ? 私、どうしてここで寝ているの?」
私は目を覚ますと、起き上がり……辺りを見回すとそこは『私の部屋』
目の前にはミヤがにっこりと笑顔で座っており、足の上には母親の剣がある。
『そういえば……この剣……抜けて喋った気がするけど……夢かな』
私は心の中でそう考え、ミヤに話かける。
「えっと……今日? 何もなかったよね?」
「……? お姉様が大活躍したじゃないですかー、その剣で!」
『そうだな、良い活躍だった』
夢じゃなかった、ミヤが喋ってくれたのは普通だとしても……
目の前の剣が喋るのは普通じゃない。
「……ねぇ、ミヤ……剣が喋るなんて可笑しいよね?」
「そうですか? もう慣れちゃいました」
ミヤは私に笑顔で舌を出すとそう言う……この子は適応力がすごいのだと実感した
しかし……剣よりもミヤの事が気になり先に聴いてみる事もした。
「それとミヤって強かったんだね、私驚いたよ」
「え……あ、そうですねー敵が弱かったのもあると思いますよー」
「そうかなぁ……かっこよかったよ?」
『かっこよかった』、それはミヤが生まれて来て初めて言われた言葉
何時もは『怖い』『殺人者』『人殺し』数々の汚名を貰ってきたが
スティナの言葉にはお世辞ではなく、笑顔でミヤに言った言葉である。
「ありがとうございます、お姉様」
「今度、私に剣の使い方と訓練おねがいね」
「もちろんです!」
ミヤは思った、『この人でよかった』
しかし……どうしてミヤがスティナを気に言ったのかと言うと……
最初、スティナを始めて見た時の印象は『小さい子』だった
それから剣に興味が持ち、スティナに張り付くため『ぶりっこ』を演じたりしたが
してるうちにスティナを気にいってしまった……それ以降の
ミヤはスティナを『お姉様と呼び……守ろう』とそう決めたのだ。
『で、だ……俺の話はしなくていいのか? いいのなら寝かしてもらうぞ』
「はいはい、聴いてあげる、早くしてください」
ミヤの投げやりな態度に私は少し笑ってしまったが
剣はその態度を気にせず話を進める。
『俺の本当の名前は『ロスト・ヘレン・ブレード』、遺跡から見つかった武器だ』
「ロスト・ヘレン・ブレードで愛称を失われた剣か……で
遺跡ってどこの遺跡なのかわかる?」
私が黙って聞く中、ミヤが私の変わりに剣に質問しているので黙って聴く
剣は少し声のトーン下げながら『話が長くなるがいいか?』と言う
それを私とミヤが黙って頷く。
ロスト・ヘレン・ブレードが見つかったのは名も無き遺跡、場所は不明
見つけたのはスティナの母親、しかし鞘から抜ける事はなく、
母親が持ち帰り保管した
その後……母親がその剣を抜ける事はなかったので娘であるスティナに託す
託すまでに剣が喋る事をしりスティナにばれないようにしながら今にいたる
ちなみにロストヘレンブレードは母親が付けた名前で正式な名前は不明
「お姉様のお母様って何者なんですか……?」
「わからない、基本的に不器用でのほほんとしてて特にすごくなかったような」
『あいつは運に好かれているんだよ、その場その場でなんとかなっちまう子だな』
「お母さん……生きているといいな……」
『大丈夫だ、あいつが塵旋風如きで死ぬ訳がない』
「そうですよ! お姉様のお母様は必ずいきています!」
その後、私が目を覚ました事をミヤが伝えに言ってくれたが……
リドラーさん、ハンナさん、ヒーナさんは剣を喋る事を知らなかった
知らなかったと言うよりミヤが『伝えていない』
それに何か理由があると思い、私も黙っている事にした。