第13話-思い届く時-
私は走り出していた……仲良くなったハンナさんとミヤのピンチなのだ
私に出来る事なんてないのかもしれない……だけど
「今いくよ……少しでも時間を稼がないと!」
私は一人事を言いながら、鞘に入った『ロングソード』を抜き
大砲隊のサイドから切り込む。
「いっけー!」
走りながら右足を軸にし、砂の地面を滑る……そして大砲の1つを斬る
「何者だ!」
インペリアルの敵に顔を割れているのは『ハンナ』そして『ミヤ』
しかし……背の低く小柄な女の子はインペリアルの『手配書』にはなかった
インペリアルは御旗に何度か食糧などを強奪されながら御旗に『義賊』された事も大きく、民衆は比較的御旗に協力的なため
インペリアルガードは『手配書』をインペリアルの上位にしか渡さなくなった。
その一見で民衆や一般兵士から御旗の顔割れも防げている
しかし……上位も馬鹿にされているのは許せないため、この計画を行った
だが、御旗に新人が入ったのか援軍なのか、そのような情報がないため
スティナの攻撃は簡単に通る事となった。
「やった……! 1個破壊した」
火力を高くするために耐久そして細さに難があったため、スティナのような
軽いロングソードの攻撃でも容易に切れてしまうのも欠点なのだが……
スティナがそれを知っているわけがない。
「ふん、1個破壊されたが、もう遅い……消えろ」
もう1つ残った大砲がミナに向かって放たれようとした時
私は『ロングソード』を仕舞い、『抜けないはずの剣』を抜こうとしていた
「だめぇぇぇ」
しかしスティナの言葉空しく大砲の弾が発射された、その直後
可笑しな光景がその場に居た全ての人を唖然とさせた、それは……
『大砲と放たれた弾、インペリアルの大盾……それらを横一閃に切り裂いた』
それをやってのけたのは……スティナだった。
「あ……れ? どうなったの?」
スティナには何が起こったのかわからなかった
目の前で大砲が打たれた時、叫び声を上げただけ。
しかし……スティナはある事に気づく、それは自分の左手にある剣
それは『ロングソードよりも長くグラディウスより短い』
ロングソードの長さは40cm、グラディウスが50cmとなっている
その中間と言う事は45cmぐらい剣。
柄に木でできているが刃は綺麗でまるでバスタードソードの刃を圧縮したように
そんな刃にも見える。
「これは……お母さんの剣……?」
『そうだ、やっと抜けたな……まさか剣圧がだせるとは思わなかったがな』
「へ……?! どこから声が?」
『お前が持っている剣だ、剣が喋っちゃいけないのか?』
「そんなことないけど……」
そう言いながらもスティナは心の中で思った。
『剣が喋るのは普通ないんじゃないかな』と……