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プロローグ-2-

塵旋風と呼ばれた物がまた村を襲ったのだ。


その塵旋風ダストデビルはただの竜巻ではなく、2年前……母親を飲み込んだ

あの時の塵旋風ダストデビルだった。


それは、塵旋風と一緒に地面の砂が波のように襲い掛かってくる

普段ならばその塵旋風から逃げればいいのだが、これはそうはいかない。


しかし……どこかの高台や、岩の上に逃げる時間をその『災害』は許してくれない


村の人々の叫び声、悲鳴が入り乱れながら村は塵旋風に飲み込まれていく

私は運が良いことに潰れた自分の家の屋根だけが砂に埋もれず残っていた

その上に逃れ生き残っているが……周囲を見る余裕はない。


塵旋風の本体に巻き込まれなかったとはいえ

砂の波と暴風となった風に耐えるために考える事も行動する事もできなく

私は屋根の上に寝転びながら風に耐えている。


私の服の上は白色のワンピースで、下は白のミニスカート

ワンピースと言っても、全体を覆う物ではなく、へそ部分までしかない

貰った物をミニスカートに合わせてはさみで切ったりして作った服。


そのミニスカートが風によって捲れてスカートの中が見えようとも余裕はない

唯一、両手で覆い放さないようにしてる『母親の形見』の剣。


そんな中……砂の波から女の子が一人流されてきて、私がいる屋根を掴んだ

私はこの村でお世話になった部分が多く、助けられる人がいるなら助けたい

だから私はその子を助けようと左手を伸ばし屋根の上に引っ張り上げる


「大丈夫ですか?」


私は助けた女の子に話しかけるとその子は片膝を付きながら私に言う。


「助けてくれてありがとう……ごめんなさい、もうちょっとそっち側いける?」


たしかにこの屋根の上は狭く、人2ぎりぎり寝れるぐらいであったので

私は場所をあけるため、体を起こしながら片膝で少しずつ動く。


『その直後である』


私の横からその女性に肩を押され、砂の波の中に落とされる

もちろん、両手で剣を抱えており……屋根を掴む事もできなく

無抵抗で砂の波に落ちていく中、屋根の上の女性は落ちていく私にこう言う。


「ありがとう、場所をくれて……あなたの分まで生きてあげるから」


その子は笑顔で私に言う、……この子もこの村に住んでいた子なのかもしれない

しかし……自分が生き残るために他人を犠牲にする人がこの村にいないと

勝手に私は『思い込んでいた』だけなのかもれない。


そんな事を思いながら私は砂の波に飲み込まれる

目を瞑り、口を塞ぎ、剣を放さないように……

私は助かる事を考えるが意識を失う。

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