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第172話-親子対決-2

ミナセは木の大剣を右手だけで持ち、軽く振り

まるでロングソードで構えるように持つ


「いくわよ……!」


「うんっ」


スティナは剣を構えた直後、ミナセはスティナの目の前で大剣を横に構えている

それに気づき、スティナはミナセの剣を防ぐために両手で剣を持ち、構える

その直後、スティナは吹き飛ばされていた


「お姉様っ!」


ミヤの叫び声がその場に響く、スティナは吹き飛ばされ起き上がってこない

致命傷ではなく剣で防いだのは確かなのだが……本人への衝撃は凄かったのだろう


「待て」


ミヤがその状態のスティナに駆け寄ろうとした時、ハンナがミヤを制すため

ミヤの目の前に右腕を差し出す、そんなハンナにミヤは食い掛かる


「だってっ! あれじゃあ……もぅ……」


「ミナセさんをよく見ろ」


ハンナの言葉にミヤはミナセの方を見ると、ミナセは武器を構えたまま

その場にただ立っている……まるでスティナが起き上がってくるかのように


「……さっさと止め刺せばいいのに」


フィリシアの小さな声をエステは聴き逃さなかった

しかし……エステは黙ってスティナとミナセを見ると

スティナは剣を杖変わりに立ち上がる


「……っ」


『大丈夫か?』


「うん……なんとか、私……もしかして、気を失ってた?」


『ああ、数分な、だが……ミナセは戦いを止めてないぞ』


「知ってる……お母さんが笑顔でこっち見てるから……」


『そうか、なら……ぶつかってこい

 どんな結果であれ、お前の『全力』でな』


「うん」


スティナは武器を構えなおす……それを待っていたように

ミナセは再度、武器を構え直し、スティナに話かける


「……話は終わったかしら?」


「うん……でも、どうして攻撃してこなかったの?」


「え? だって話の邪魔しちゃ悪いじゃない

 それにこれは『殺し合い』じゃなくて、ただの訓練よ」


「そうだったね……」


「ええ」


ミナセはスティナの言葉に微笑みながら応じるとスティナめがけ走り出す

まるで大剣を持って走っているのではなく、片手剣を持って走るような速さ

それに合わせる形でスティナは剣を構え、横に払う


「だめよ……それじゃ」


ミナセは横払いに合わせ、体を後ろに逸らした直後

スティナは横に払った剣をレイピアのように持つと突きを放つ

それもミナセは横にかわすと、スティナは突いた剣を少し持ち替え

そのままミナセに斬りかかる、しかしミナセはそれを読んでいたかのように

後ろにバックステップし、スティナの攻撃を全て避けてみせる


「ふふ、見事な三連撃ね、でも当たらなければ意味はない」


「知ってるよ……」


今度はスティナが仕掛けるため走りだす

ミナセは笑顔で武器を構え、臨戦態勢に入る

そして、スティナが武器を構え、突く動作を見ると……それに合わせ剣を構える

しかし、ミナセの剣に当たった『それ』を見て、ミヤは驚いた


「あれって……さっき私が使った短剣」


「ああ、1本拾い忘れたんだな……それを使ったのか」


ハンナは腕を組み、冷静にスティナの行動だけを眼で追っている

それに気づいたミヤは小さな声でハンナに言う


「ミナセさんの事見なくていいの?」


「ん? ああ、あの人は元々強いからな、参考にならん」


「だからって……」


「ミヤの言いたい事はわかるが、今はスティナが見たいんだ」


「え?! もしかして……ハンナもお姉様の事を……」


「違う、その話は置いといて、見なくていいのか?」


投げた短剣を剣で防いだミナセはスティナを探し

自分の目の前にいない事を確認すると大剣と体を回し、一回転する

しかし、その剣は何もない空を切り裂く……


それを狙ったのかスティナはミナセの懐に潜り込み、剣を突き刺す

だが、ミナセその剣の持ち手を空いている手で握り、抑える

それでミナセの勝ちに見えたのか、

ミナセがスティナに微笑むとスティナは微笑み返す

それに警戒しスティナの持っている剣を取りあげるため引っ張る

スティナは易々と剣を手放す、その反動かミナセの左手は若干離れる

それがスティナの狙いだった


「届いて……!」


スティナは空いていた左手でミナセの懐を狙い、拳を伸ばす

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