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第169話-訓練前の一時-

そして……カナとスティナが食堂に辿りついた時には

ミナセは椅子に座りスプーンを口に銜えながらスティナに笑顔で言う


「ふはよ、スティナ」


「お母さん……どうして起こしてくれなかったの?」


「ふえ? だって、スティナ……起きなかったよ」


「……とりあえずぅ、ミナセさん、スプーンを口から取りましょうかぁ……」


カナはやや呆れ気味にミナセにそういうとミナセはスプーンから口を離し

スティナの方へ向きなおすと……真面目な顔で言う


「だって、スティナを起こそうとしたら……後、少しって言われたから

 ちゃんと寝かしてあげようと思って、先に食堂に」


「それなら……何か書置きでも置いてくれればいいのに……」


「うん、だから、そこのカナちゃんに頼んだんだけど……」


そこでスティナは気づく、カナがタイミングよりスティナと合う可能性は低い

事前に待っていたはず……なのだがあの時のスティナは慌てていたために

カナが伝言を言うためにそこにいたとは気づかなかった


「あ……うん、ごめんなさい」


「わかればよろしい、ご飯にしましょ?」


「他の皆は……?」


「まだ起きてきてないと思うけど……」


「そうなんだ」


スティナはそう言い椅子に座るとナリアがスティナの前に料理を置く

それはスープらしい何かと……野菜サラダ、そしてクロワッサン2個


「これで足ります? たりなければもっと持ってきますけど?」


「いえ、大丈夫です……あ、あの……これは何のスープですか?」


「ああ、それは……コーンスープですよ、美味しいのでぜひ」


ナリアは笑顔でスティナに言うと、スティナはスプーンを取り

スープをすくうと一口飲む、すると笑顔でミナセに言う


「お母さん、これ美味しいね」


「そうよね、ちゃんと味わって食べなさい」


ミナセは既に食べ終わっており、両肘をテーブルに付き、微笑みながら

スティナの食べている顔を見ながら微笑んでいる


それからしばらくして、スティナが食べ終わるのを確認したミナセは

立ち上がり、スティナに言う


「さて、そろそろ訓練を始めましょうか」


「あ、うん……でも、皆まだ来てないけど……」


「他の子たちは既に裏庭にいるわよ、だからスティナでさいーご」


「え?!」


ミナセは意地悪そうな笑顔を浮かべると歩きだす

スティナは慌てて立ち上がり、ミナセの後ろを小走りで追いかけ

ミナセの横に付くと両ほっぺを膨らましながらミナセに言う


「もぅ……そういうのは先に言ってよ」


「言ったらスティナはご飯食べなかったでしょ?

 だから食べ終わってから言ったのよ

 それにあの子達は少し遅れたぐらいで怒らないわよ、安心しなさい」


そう言いながらミナセは裏庭の扉を開け、外にでるとそこには

ハンナ、ミヤ、エステ、フィリシアが地面に座り何やら話をしていた

そしてミナセに気づくと4人は立ち上がり、スティナに近寄ると笑顔で話かける


「おはよう、スティナ」

「おはようございます、お姉様」

「おはよう、寝坊でもしたか?」

「おはよう……」


フィリシアは少しだけ横に目を逸らしながら言う

多分、昨日事を少しだけ気にしているのだとスティナは思い

スティナは笑顔で4人に言う


「おはようございます」


「さてっと……昨日使った武器はおきっぱにしてもらったから

 好きな武器を取っていいわよ」


ミナセは両手をクロスすると頭の上に持ち上げ、背伸びする

しかし、ミナセのどこにも『武器はない』


「お母さん? 武器は?」


「え? 私は素手でいいわよ、スティナあなたも武器取ってきなさい」


スティナの背中を右手で押しながら、小さな声でスティナに耳打ちする


『ミヤだっけ? あの子、服変えたみたいだから誉めてあげなさい』


スティナはミナセに押され少しこけそうになりながら木のロングソードを取る

そしてミヤに近づくと笑顔で話かける


「その服着てくれたんだ、どう?」


「あ、お姉様、ありがとうございます! すごっく嬉しいです」


ミヤはその場で一回転し、嬉しそうな笑顔でスティナに言う

それを見たエステは小さな声で言う


「馬子にも衣装だな」


「あ? そこのエステ、今何か言ったかな?」


ミヤはエステの目の前まで一気に距離を詰めるとスティナに見えないように

右手の木の短剣をエステの腰に当てる

すると、エステは苦笑を浮かべながらミヤに言う


「あ、ははは、似合ってるって言ったんだよ、なぁ……フィリシア」


「う、うん……そうだね、ミヤ……似合ってるよ」


「そっ、ありがとっ」


ミヤは横目でフィリシアにそういうと小走りでスティナ所に笑顔で戻る

それを見送ったエステはフィリシアに話かける


「まぁ、ミヤは元々あんなだよ、だから気を悪くするな」


「別にしてないわよ、あの子がスティナちゃんにべったりは見てればわかるし

 多分だけど私に取られたくないんでしょ……」


「取るって……それはないと思うが……」


フィリシアはそれだけ言うとミナセの方へ歩いていく

昨日の一件でミヤ、スティナと距離ができたのかと思ったが

本当の意味でフィリシアがここにいる意味に気づかないエステがいた

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