第165話-スティナとミナセ-
ミナセは部屋に入ると背中と腰の武器を全て、ベットの端の壁の立て掛けると
ミナセは壁側のベットの上に座り、立っているスティナに話かける
「スティナも座ったら?」
「あ……うん、そうする」
スティナはミナセに言われた通り、窓側のベットの上に座る
腰のロングソードとロストを外さないでいると
ミナセは心配そうな顔でスティナに言う
「今まで、武器を外す暇もなかったのね……
その武器の性で……スティナ、ごめんなさい」
「……そんな事はないよ、良い事もあったから」
「そう? それはよかった……ねぇ、もしよければ今までの話を聴かせて」
「うん、いいよ」
スティナがミナセに御旗の話をしようとした時
ロストが喋りだす
『……話に割り込んで悪いが、久しぶりだな……ミナセ』
「あら……起きてたの、ロスト」
『ああ、ずっとな』
「そう、じゃあどうして私達に話かけなかったの?」
『……剣と話をしてる変な奴と言われるのは嫌だろ?』
「剣が気を使うなんて可笑しな話」
『そんな事はない……スティナと一緒にいるとそう思うようになった』
「そう、じゃあ私はロスト、あなたをスティナに預けて正解だったのね」
『そうかもしれないな……で、これから俺はどうなる?』
ロストのその言葉にミナセとスティナは黙る
ミナセが一言『私が預かる』と言えば、この旅も終わるはずなのだが
ミナセはそれを言わず、ただ黙ってスティナに微笑んでいる
「……お母さん?」
「なぁに? スティナ」
「お母さんには『まだ』やらないといけない事があるんだね」
「……そうね、それにスティナの眼にも『まだ、わからない事がある』
って私に訴えてるわよ」
「え? そう……かな?」
「ええ」
ミナセはそう言うと、自分のベットから降り、スティナの座っている場所の
横に座わり優しく微笑むとスティナの頭を右手で撫でる
しかし、その撫で方は……どこか寂しく、そして嬉しいそうな
その2つの感情が混ざり合っている、そんな撫で方のようにスティナは感じた
「ねぇ、お母さん……」
「? どうしたの?」
「お母さんはどうして……あんなに強いの?」
「お母さんだからっ」
「それは違うと思うけど……」
『たしかにな、ミナセの力は人間を超えている、どこでそんな力を』
「2人してその言い方……傷つくんだけど……」
「だって、あんな重そうな大剣、片手じゃ使えないよっ」
「……たしかにね」
ミナセはそう言いながら頷くと、真面目な顔でスティナに言う
「……わかった、本当の事、教えてあげる」
「え?」
「私に夫はいないわよ」
「う、うん……知ってる
私が小さい頃に死んじゃったんだよね」
「……それは違う、本当に父親なんていない、存在してないのよ」
「え? え? どういう事?」
『簡単な話だ、ミナセ1人でスティナを産んだって事だろ』
「そうそう、剣の方が先に理解できるなんてお母さんちょっと寂しい」
ミナセは左手の掌を右ほっぺに当てながら悩むような顔をし
スティナを見ると、笑顔を浮かべる
しかし、スティナは今だに理解できず、只々顔を左右に振りながら混乱している